2014年3月

国政報告(第225号)

 春分を過ぎて、さすがに春らしくなってきました。22日(土)は、南砺市井口の恒例の椿まつりの開会式があり、週明けの東京は桜が開花したとのこと。朝、党本部に行く時も、帰りに宿舎に戻る時も、どこか空気や景色が違ってきました。そんな中、先週末の参院での新年度予算成立を受けて、今週の国会は本会議・委員会ともに案件審議が精力的に進められています。

 25日(火)の本会議は健康・医療戦略推進法案の趣旨説明・質疑、26日(水)の内閣委員会は内閣法改正案の質疑・採決、27日(木)の本会議は農業経営安定交付金法改正案等の趣旨説明・質疑と続き、28日(金)は内閣委員会の一般質疑と本会議での不当表示等防止法改正案の趣旨説明・質疑が予定されています。各委員会で審議を終えた法案は順次本会議で採決され、参議院に送られます。ちなみに、27日の本会議ではNHK予算案を含め、9案件を可決しました。年度内に法案審議がこれほど進捗しているのは久しぶりの事であり、ゴールデン・ウィーク前には6月下旬の会期末までの見通しも立ちそうな勢いです。

 その分、ここしばらくは委員会審議に追われそうで、来週も水・木・金と内閣委員会の開催が予定されています。さらに、決算・行政監視委員会、東日本大震災復興特別委員会にも審議案件があり、4月は日程が混んできます。ただ、以前から報告しているように、与野党が真っ向から対立しそうな案件は、農業経営安定交付金法改正案等に限られていて、むしろ4月1日(火)からの消費税8%への引き上げなど、「院外」の経済、さらには国際情勢が気になります。

 とりわけ、ウクライナ情勢の急展開とロシアのクリミア併合の動きは、欧米の厳しい反発を受けて、ロシアが今後どのような対応に出るのか予断を許しません。25日(火)のオバマ米大統領の仲介による日米韓首脳会談の実現は明るいニュースでしたが、同時間に北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射するなど、「隣近所6カ国」の外交にはまだまだ紆余曲折が予想されます。4月下旬に予定されるオバマ大統領来日に向け、難航しているTPP交渉が動き出すのか、日豪EPA交渉が先にまとまるのか、これも不透明です。

 エネルギー問題も、4月下旬には今夏の電力需給の見通しと対策の立案に着手せねばなりません。北陸電力の志賀原発2号機下の断層については、原子力規制委員会の審査が長引く模様です。与党内で議論が続いている「エネルギー基本計画」の閣議決定をどうするか、そして九州電力川内原発の再稼働申請への対応など、世論の動向も注意しつつ、適時の判断が必要です。

 年度末/年度初めは人事異動の時節でもあります。お世話になっている県東京事務所でも本庁との間の異動があり、竹田所長様はじめ皆様の挨拶を頂いています。新聞記者の皆さんを始め、同じく富山県内から「単身赴任」の上、頑張って頂いた方々に感謝申し上げ、新たに着任される方々とともに、さらに前進して行きます。

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国政報告(第224号)

 春分の日にしては寒く、あられ模様の21日(金)、久し振りに富山で国政報告を綴っています。昨20日(木)、戦後3番目の早さで新年度予算が参議院で可決・成立し、通常国会は各種法律・条約案を処理する後半期間に入りました。私の所属する内閣委員会も19日(水)から内閣府設置法改正案の審議に入り、来週からは委員会定例日の水・金曜で継続開催の予定です。

 私にとって、今週一番の出来事は17日(月)の総務懇談会でした。国会開会中の総務会は原則、火・金曜の午前11時から、議事堂内2階の第15控室で開かれ、内閣から国会に提出される各種案件を中心に審議・決定しています。年初来からこの間、集団的自衛権の取り扱いや、内閣の要である内閣官房・内閣府の組織の在り方について、ベテランの先生方から種々ご意見が出されました。そこで、野田聖子総務会長の判断で、各総務が自由に意見を延べ、円滑なコミュニケーションを取るべく、総務懇談会が開催されました。

 懇談会の前例は平成17年、郵政民営化を巡り、党内の議論が割れた際に、総務会の意思を集約する目的で持たれました。このため、一部報道では安倍内閣に対する党側の牽制とのとらえ方もされました。しかし、現場感覚では、何かを決めるというよりは、お互いの意見を学び合う場であり、私自身、良い勉強になり、考えの整理ができたと思います。

 懇談会での具体的なやり取りの外部への公表については総務会長に一任されたので、他のメンバーのこ発言の紹介は控え、議論を踏まえて、集団的自衛権についての自分なりの考えを述べます。集団的自衛権は、個々の国の自衛権とともに国連憲章によって各国に保証されています。集団的自衛権が行使できるのは、紛争・事案が生じてから安全保障理事会が行動を起こすまでの期間に限られ、取った措置については安保理への報告が義務付けられています。また、集団的自衛権は安全保障について同盟関係にある国とともに行使するものであり、今の我が国ではアメリカ以外の国との行使はできません。

 国際法上認められているこの権利を、我が国が国内法である日本国憲法の下で行使できるか否かが、今、提起されている問題であり、仮にこれを憲法解釈上可能とするとしても、我が国周辺での限定的な事態への対処に限られ、その内容は立法府たる国会が定める法律で厳密に規定されなければなりません。

 このような問題の絞り込みが、報道や世論には十分理解されているとは言えず、その努力が必要です。また、消費税、TPP、原発再稼働等の国内課題、日米韓首脳会談、北朝鮮情勢、クリミア情勢等の外交の現状も踏まえつつ、いつ議論する事が妥当か、慎重な見極めが必要です。私自身は、この立場から国政の動きに対処して行こうと思います。

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国政報告(第223号)

 春は「三寒四温」と言われますが、週明けの富山の朝は雪が降りしきり、13日(木)の東京は生温かい強風が吹き荒れ、行きつ戻りつの季節の歩みです。9日(日)、上京後、悪寒に襲われて発熱、解熱剤を処方してもらって夕方からひたすら眠り、何とか一日で快復しましたが、体調管理も気を使う3月です。

 8日(土)は小矢部市の有志の方々の前で国政報告をさせて頂き、9日(日)は党福光連合支部の党員大会にて、堂故参議院議員の国政報告を聴かせてもらいました。氷見市長としての豊富な経験談と、初めての国政の場での新鮮な感想、そして地方に軸足を置いた政治活動への力強い抱負が印象に残りました。

 東京では、参議院での新年度予算案審議も佳境を迎え、衆議院では法律・条約案件の審議が始まりました。前号で報告の通り、国家公務員法改正法案は、12日(水)の内閣委員会で質疑・採決がなされ、自公民三党の賛成で修正議決しました。14日(金)の本会議で参議院に送付される見込みです。また、11日(火)には、東日本大震災三周年追悼式が天皇皇后両陛下ご臨席のもと、国立劇場にて粛々と挙行されました。3年前のその日の午後2時46分、私は浜松町のモノレール駅に向かうタクシーの中で大きな揺れを感じました。人それぞれに、色々な記憶があり、被災地で亡くなられ、また避難を余儀なくされた方々への想いと併せ、改めて復興推進と防災対策充実への決意をお互いに確認し合えたものと思います。

 一方、全国で全て停止している原子力発電所の再稼働申請を受けた、原子力規制委員会の安全審査も進捗し、13日には鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発の1号機、2号機の手続きが最優先される事となりました。電力需給が全国的に逼迫する夏場に再稼働させるには、そろそろ審査もまとめに入らないと間に合わなくなる所でした。4月からの消費税引上げ、TPP交渉妥結への努力という国政上の重要課題について、何をいつ実行するか、内閣としての政権運営の見取り図を、胸の中で良いから明確に持つべき時期に来ています。そこには、沖縄県名護市辺野古への米軍基地移設工事着手のタイミングも書き込まなければならないでしょう。国会における案件審議と並行し、国が当面する課題を一歩一歩解決していく地道な努力の正念場です。

 13日には、我が国の「山・鉾・屋台行事」のユネスコの世界無形遺産登録を目指す政府方針が正式なものとなり、文化庁から発表されました。具体的には、国の重要無形民俗文化財に指定されている、高岡御車山、城端曳山、魚津タテモン始め32行事が対象となります。各祭の関係者で組織する全国山・鉾・屋台保存連合会の会長を仰せつかっている私にとっても、積年の願いが前進し、早ければ来年秋にはユネスコで審査される訳で、とても嬉しく思っています。これを契機に、それぞれの祭行事がさらに盛んになり、良き伝統を後世に受け継いでいけるよう念じています。

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国政報告(第222号)

 3月に入り、風が冷たい日もあるものの、陽は確実に伸びて春を感じる候となりました。国会も、新年度予算案を28日(金)夕刻の本会議で可決、今週からは舞台を参院予算委員会に移しての審議となっています。既に予算案の年度内成立が確実となり、次は税法等の年度内改正が必要な案件の処理が視野に入りつつあります。

 私の所属する3委員会中、内閣委員会では、各大臣の所信に対する質疑の内、TPP交渉でシンガポールへ出張されていた甘利大臣に対する部分を5日(水)と7日(金)で合計3時間実施します。次は前国会積み残しの国家公務員法改正案の採決を目指す展開です。

 この間、委員会では与野党間で法律案の修正協議がなされました。自公民三党は、国家公務員の定年(原則60歳)を、年金支給開始年齢が62歳に引き上げられる平成28年度に向けて検討する事を政府に義務付ける修正案を提出しました。また、維新・みんな二党は独自の法律案を提出し、以上も踏まえて審議・採決し、成案を参議院に送付して新たな案件の審議に入る段取りです。

 一方、党内では、TPP交渉の推移を見守る一方、原子力発電所に関連するエネルギー基本計画の政府案の検討がヤマ場を迎えています。将来に向けて原発への依存度を低下させて行く事は共通認識ですが、足元でどの程度頼らなければならないか、また、再生エネルギーの普及をどれくらい加速できるかなど、議論を煮詰めている所です。また、総務会では組織が肥大化した内閣府・内閣官房の見直しや集団的自衛権の取り扱いなど、これまでの会議で各総務から出された意見を踏まえ、17日(月)から総務懇談会を数回開催し、コンセンサスを得て行く事とされています。

 私も、党総務を始め、与えられた職責に従って関係する会議で意見を述べ、勉強する毎日です。エネルギー基本計画については、スマートメーターの普及を急ぎ、一般家庭向けを含め、電力料金を需要に応じてきめ細かく設定する事で、ピーク・シフトなど必要発電量の低減を図るべきと述べました。また、集団的自衛権については、石破幹事長が出版された「日本人のための「集団的自衛権」入門」を読み、論点把握に努めています。国際連合憲章が大本となるこの問題を考える上で、総務会では、「戦後我が国は国連の常任理事国となる事を目標としていたが、今はどうだろうか?」という指摘に啓発されました。高度経済成長で国力を高め、世界第二位の経済大国となって、ODAなど外交に力を入れて来た日本ですが、今は、少子化で人口が減少し、GDPでは中国に抜かれ、財政ひっ迫でODA予算も削減されてきました。これからの我が国の目標、「国家目標」をどうするかが究極、大切なテーマだと痛感しています。

 6日(木)、総務部会で日本郵政グループの中期経営計画をヒアリングしました。郵政民営化、その見直しと、とかく党内にあつれきのあった分野ですが、将来に向けて落ち着いた議論ができる雰囲気が戻ってきました。国政の様々な分野について、議論し、前進させるよう取り組んでいきます。

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