国政報告(第471号)

 ここの所の寒の戻りで開花し始めた桜も縮こまり、どうやら今週末のお花見が楽しめそうな気配です。年度初め、春本番の4月1日(月)、新元号が「令和」と発表されました。出典が万葉集とのこと、関わりを持つ身として驚きと嬉しさの混じった感覚で受け止めました。同僚議員からも「良かったね。」と声をかけてもらえました。全20巻、4516首のうち、巻5の大伴旅人(家持の父)」を中心とする大宰府の歌壇で詠まれた梅花の歌32首の序文の漢文から採られたものです。平安時代の勅撰和歌集とは異なり、漢文と和語の歌から成り立つ万葉集の特色を見事にとらえて出典とした事も機知に富んでいると思います。

 時は聖武天皇治下の天平2(730)年1月(旧暦)13日、場所は大宰帥たる旅人の居宅とはっきり記されています。岩波文庫の漢文の書き下し文によれば「時に初春の令(よ)き月、気淑(よ)く風和(なご)み、梅は鏡の前の粉を披(ひら)き、蘭は珮(はい~腰帯とそれに吊り下げた玉・金属器などの総称)の後の香(こう)を薫(かお)らす」とあり、良い時代、平和な時代であってほしいとの願いが込められています。背筋が伸びるような清新な響きがあり、国民の皆様の評価も良いようで何よりです。

 私は、国会での質問に際し、万葉集から一首朗じることを常としてきましたが、この梅花の歌32首のうち、829番「梅の花 咲きて散りなば 桜花 継ぎて咲くべく なりにてあらずや」を平成25年3月19日の衆議院総務委員会で紹介していました。当時は総務大臣政務官の立場で、現在は立憲民主党に所属されている小川淳也議員の質問にて一首を所望され、答弁で朗じたものです。今後も可能な範囲で、折々の万葉歌を披露していきたいと思います。

 先週末の3月30日(土)の朝、渡部・世耕・原田大臣ほか皆さんに同行して福島に出張し、18回目の「原子力災害からの福島復興再生協議会」に出席しました。内堀知事ほか福島側の出席者から、大震災・東電福島第一原発事故からの復興の現状を踏まえ、産業再生、鳥獣被害対策、風評対策、帰還困難地域対策など幅広くご意見を承りました。政府側として、復興庁の後継組織の検討を含め、積極的に対処していく旨回答しました。

 次いで富山に戻り、29日(金)に告示された県議会議員選挙の応援のため、31日(日)夜にかけて射水市・高岡市の同志8陣営の個人演説会でマイクを持ちました。1日に理容組合高岡支部の総会に出席した後、上京中の新幹線車内で冒頭の新元号のニュースに接しました。2日(火)は新年度最初の衆院本会議があり、予算成立で折り返し点を越えた今通常国会は、残る内閣提出案件の審議に入っています。月末には御代替わりを控え、慌ただしい中、復興庁の業務にも怠りなく取り組んでいこうと思います。

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