2018年11月

国政報告(第454号)

 11月も最終週となり、臨時国会も昨27日(火)に懸案の出入国管理法等改正法案が衆院本会議で可決、参議院に送付され、一山超えた感じです。29日(木)の衆院本会議では、日EU・EPA協定の批准案や漁業法改正法案が議題となる見込みであり、来月10日(月)の会期末に向けては参議院を舞台に審議が進みます。国会の動きを見ながら、復興庁の業務をこなす毎日です。一方、新年度の税制改正を議論する党税制調査会も動き始め、予算編成に併せて今年度の第2次補正予算の編成指示も出るなど、年末に向けての事務作業がたけなわとなっています。

 先週末の24日(土)には台湾で国民投票により、我が国からの農産物の輸入規制の継続が過半数の支持を集めました。復興庁としては、外務省や農林水産省と連携し、福島など被災県の食の安全をPRし、科学的根拠に基づいた判断で規制を撤廃頂くよう、海外各国に働きかけているだけに、投票結果は残念に思います。一般国民レベルでの理解を得ることの困難さを再認識しつつも、その努力を粘り強く続けていかなければ、と想いを新たにしています。先週は、前号で綴ったように中国メディア関係者を被災地に受け入れており、21日(水)の夕刻に仙台に出向いて福島県を取材した率直な感想を伺いました。想像以上に復興が進んでいること、東電福島第一原発でも廃炉作業が進められていることなど新鮮に受け止められたようです。放射能の問題については、中国の科学者・技術者も招いて、専門的見地からの発信をお願いしては、との意見がありました。また、避難先から帰還した市民や、新たに農業に取り組む方、ボランティアとして域外から浜通りに入っている方など多様な現場の生の声を取材したいとの意欲的な話もありました。一方、中国国内の一般民衆レベルでは、素朴に風評は根強く残っていることも聞かされました。メディアの皆さんの精力的な取材活動に感謝しつつ、韓国を含め近隣諸国に対しても、「知ってもらう」、「食べてもらう」、「来てもらう」の姿勢で頑張っていきます。

 24日には福島県へ日帰り出張し、IOCのバッハ会長と安倍総理の県営あづま球場訪問に渡辺大臣とご一緒に立ち会いました。東京オリンピックの際にソフトボール6試合、野球1試合の開催が決定しており、バッハ会長の来訪を内堀福島県知事、木幡福島市長始め、福島商業高校野球部やふたば未来学園高校バドミントン部の皆さんが出迎え、歓談しました。スポーツを通じて人々を元気にするという精神で、「復興五輪」を充実させていきたいと思います。

 慌ただしい三連休でしたが、地元では高岡市射水神社の新嘗祭、南砺市での県山・鉾・屋台・行燈祭交流会議立野が原スキークラブ100周年祝賀会に出席しました。12月も東北・東京・地元の行き来が頻繁になりそうです。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第453号)

 21日(水)午後0時40分から衆議院東日本大震災復興特別委員会の初回会合があり、渡辺大臣の所信挨拶とともに政務三役から着任挨拶を行いました。今後、質疑も行われる予定であり、国会関係の仕事もスタートしました。この臨時国会の焦点となっている入国管理法等の改正法案の審議を巡り、野党側から葉梨衆院法務委員長の解任決議案が提出されるも、20日(火)の本会議で否決され、21日から審議入りとなりました。このほか、人事院勧告を実施する給与法改正案が衆院を通過、また、日EUのEPA条約の批准案件も衆院本会議質疑を終えて外務委員会に付託されるなど、国会運営にエンジンがかかってきました。

 復興庁では、19日(月)に中国のメディア関係者14名の来日を受けて歓迎挨拶を務め、被災地の現状を率直に取材・発信してもらうようお願いしました。海外では、東電福島第一原子力発電所の事故を受けて我が国からの農林水産品に様々な輸入規制措置が取られました。その後の推移の中で順次緩和されてきているものの、中国では福島はじめ10都県の全ての食料・飼料の輸入停止措置が継続されています。幸い、先月25日(木)の中国での安倍総理と李克強中国首相との会談では、科学的評価の基礎の上に輸入規制を緩和することを積極的に考えたい旨の表明がありました。今回のメディア関係者の取材で、被災地の復興の現状、農林水産品の厳重な放射線検査、また、福島第一原発の廃炉の取り組みなどをつぶさに見て頂き、中国の皆さんに東北の真の姿を知って頂くことで輸入規制緩和や観光客の増加のきっかけになれば、と願っています。

 先週末は、16日(金)に石巻市の亀山市長、木村議長始め皆さんの要望に応対した後、富山に戻りました。17日(土)は高岡法人会の皆さんの税制改正要望を受け18日(日)は県連の政経文化セミナーに出席しました。講師は、岸田政務調査会長、石田総務大臣、金美齢さんで、現下の政策課題、地方創生の取り組み、富山へのエールなどそれぞれにお話し頂きました。4千人を超える来場となり、皆さんのご支援に改めて感謝申し上げます。

 週明けの19日に上京の後は、前述のほか、20日に復興庁で仙台平野沿岸地区土地改良区復旧・復興推進協力会の今野会長ほか皆さんが来訪されました。地震・津波の被害を受けたから農地や排水機場が復旧し、農業法人等による大規模営農、新規作物や太陽光発電の導入など新しい農業の芽が育っている旨、力強い報告を頂きました。復興庁では「新しい東北」という将来ビジョンを合言葉に掲げていますが、復興から創生への歩みもしっかり応援していきます。

 21日(水)の夕刻、日帰りで仙台に出向き、前述の中国メディア関係の皆さんから福島訪問後の感想を伺いました。これからの風評払拭の取り組みへのヒントが幾つもあった点、次号で報告します。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第452号)

 11月も半ばとなり、国会周囲の銀杏の葉も大分黄色くなってきました。臨時国会も召集から3週間を経過し、13日(火)の衆院本会議では、焦点となっている出入国管理法等改正案の趣旨説明・質疑がありました。長期にわたる緩やかな景気回復と人口の高齢化に伴う労働需給のひっ迫を受け、全国各地で様々な業種において深刻な人手不足に悩む実情があります。女性・高齢者の活躍の場を拡げるだけでは追い付かず、本法案により、一定の要件を満たす外国人労働者に在留資格を与えて受け入れる制度を創設しようとするものです。政府答弁では、制度の対象となる希望があるのは14業種とされており、それぞれに今後5年間の受け入れ予定を見積もり、近日中に公表するとされています。野党側からは、公表後でなければ具体的な審議に入れないとの意見や、既存の外国人研修生制度の問題点への対応が先決との意見が出ています。人手不足への対応の必要性については、大方の一致する所と思われ、出入国管理の適正な運用や外国人労働者の労働基準の保持といった論点を整理し、今国会での成立を期し、政府としても努力すべき局面です。

 さて、先週末の9日(金)は、福島県のアンテナショップ「日本橋ふくしま館(ミデッテ)」にて農業高校の皆さんの出張販売を激励し、富山に向かいました。10日(土)は、党射水市連作道支部総会の後、歯科医師の先生方で組織頂いている私の後援会にて東北の復興の現状をお話しする機会があり、被災地へ引き続き想いを寄せて頂くようお願いしました。秋晴れの11日(日)は、桜井小矢部市長の4選を目指す出陣式で挨拶の後、山形3区の加藤鮎子代議士をお招きした富山県第3選挙区女性部の年1回の講演会に参加しました。ご自身が政治と関わったきっかけから、我が国の政治分野での女性活躍の現状、さらにはご自身の経験を踏まえ、将来の変化への期待を真摯に語って頂きました。夕刻には南砺市城端の善徳寺の修復工事竣工式に出席し、桜井市長の無投票当選のお祝いは翌日が在京当番のため失礼して新幹線で上京しました。

 今週は新年度予算の編成作業が佳境に入る時候でもあり、各種団体の全国大会が相次いで開催され、首長さんを始め地元関係者も多数上京されています。13日朝には北陸経済連合会役員と北陸3県選出国会議員との懇談会や全国史跡整備市町村協議会、全国漁業者大会と顔を出す間に、沖縄振興調査会・美ら島議連の合同会議で新年度の税制改正要望をまとめました。14日(水)も、日本海沿岸地帯振興連盟総会、地すべりがけ崩れ対策都道府県協議会総会、全国市長会役員の皆さんとの意見交換会と出席する一方、復興庁にて東北市長会の谷藤会長(盛岡市長)ご一行の要望に副大臣として応対しました。引き続き、新年度の予算・税制のとりまとめに向け、持ち場で役割を果たすべく努力していきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第451号)

 臨時国会も審議が進み、昨7日(水)には補正予算が参議院本会議で可決成立しました。西日本豪雨や大阪北部地震・北海道胆振東部地震からの復旧・復興を主眼に、全国の小中学校の教室へのクーラー設置費用も盛り込まれています。富山県では、市町村にて後者への対応が本格化するでしょう。今後については、出入国管理法等改正法案が焦点となっていますが、併せて漁業法改正案や人事院勧告に対応した公務員給与引き上げ法案も提出されており、各委員会で審議が進むものと思います。復興庁でも衆参の特別委員会に対応して参ります。

 11月に入り、東京でも銀杏が色付き始めましたが、先週末の富山の冷え込みには驚かされました。3日(土)は、文化の日らしく快晴の下、南砺菊祭りの開会式に出席し、午後は高岡市二上地区の万葉社会福祉センター祭りで挨拶しました。会場入り口で、市立万葉小学校5年生の皆さんがボランティアで出迎えて下さり、ほのぼのした気分になりました。4日(日)夕刻、四方県議の後継として来春の県議選に立候補を決意した八嶋浩久さんの後援会設立総会に出席後、上京し、5-6日(月-火)は復興庁の在京当番でした。

 5日(月)朝は、南砺市太美山地区の皆さんが国会を来訪されました。国政に携わる機会を得てから4度目の激励を頂き、深く感謝しています。また、党高岡市連青年部の有志の皆さんも進展著しいIoTの現状について、総務省の担当者を講師に勉強会を持たれました。また、7日(水)には高岡土地改良協議会の農水省濱村政務官への要望に同行したほか、高岡市議会自民同志会の皆さんが復興庁を訪問され、復興の現状について担当官のレクチャーを受けて頂きました。震災の発災からやがて7年8か月、宮城県では仮設住宅に残る方が1,632人まで減少し、大方の自治体では「住まいの復興」に一定の目途が立ってきています。一方、コミュニティの再生や生業(なりわい)の復興は道半ばであり、まして原子力災害の影響を強く受けている福島県の浜通りではようやく避難解除を受けた地域で復興が本格化しようとしている段階です。また、農林水産品や観光などの面で風評被害が払拭されたとは言い難い実情です。復興庁でも「知ってもらう・食べてもらう・来てもらう」の3本柱で「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」を展開しており、被災地の実情に関心を寄せて頂けるのはありがたい事です。

 6日(火)には、復興五輪担当副大臣としてオリンピック・パラリンピック組織委員会の布村副事務総長にご挨拶しました。県人の先輩であり、これまでにも聖火リレーの起点を福島県にして頂き、野球・ソフトボール(福島県)、サッカー(宮城県)の試合を被災地で一部実施予定として頂くなどお世話になっています。「復興五輪」という前回には無かった新たな担務にも努力して行きます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第450号)

 この国政報告は50号毎に小冊子にしており、本号で9冊目となります。振り返れば、昨夏に復興副大臣を退任し、4期目に入らせて頂いて副幹事長、予算委員会理事、選挙対策委員会事務局長など党務と国会審議に汗をかき、通常国会では7本の議員立法に関わりました。各種選挙については、新潟県知事選の勝利を受けて9月に4週間駐在して臨んだ沖縄県知事選は8万票差の敗戦に終わりました。深い反省の中、改めて復興副大臣を拝命し、再び東北・東京・富山を行き来する毎日が戻ってくるまで、小泉代議士と取り組んだ国会改革の提言、中国・東南アジア訪問、6年ぶりの総裁選など多くの経験が詰まった一年間でした。地元で支えて頂いている皆様始め、様々な方々のご厚意は、感謝に堪えません。今後は500号・「国政10年」の節目に向かい、努力して参ります。

 今週の国会は、10月29~31日(月~水)に衆参で2日間づつ各党の代表質問がありました。内政では来年10月の消費税引き上げに係る諸政策、外交では最近変化に富むロシア、中国、韓国、北朝鮮への対応、そして安倍総理の提起する憲法改正を巡り、論戦が交わされました。ついで11月1日(木)からは、当面の災害復旧・復興と学校へのクーラー導入支援を柱とする補正予算案の審議が衆院予算委員会で始まりました。この後は、12月10日(月)までの会期内に、外国人人材の受け入れ、漁業政策の改革、人事院勧告への対応、日EUEPA批准などの案件処理が課題です。

 一方、復興庁の業務では、4度目の出張にて30日夜に仙台に入り、31日は宮城県の岩沼市丸森町山元町松島町、塩竃市、七ヶ浜町と6市町を訪問し、近況を伺いました。いずれも、「住まいの復興」はほぼ終わり、首長さんたちの思いも、生業(なりわい)の振興を含め、復興から新たな地域づくりへと、より前向きになっていました。一方、丸森町など県内内陸部に東電福島第一原発の事故に起因する放射性廃棄物が残存しており、その処理が依然として課題であることを認識し、宮城県はもとより所管の環境省と連携して対応しなければ、と痛感した次第です。塩竃市では、地元企業と東京等の企業担当者との語り合いを通じて商売のマッチングを図る「結の場」の23回目に主催者(復興庁・塩竃市)代表として出席、挨拶しました。帰京後、キャリー・ラム香港行政長官の公式訪日に際してのレセプションに渡辺大臣、加藤次官ともども出席しました。香港は今般、日本からの農林水産物の輸入規制を一部緩和しており、御礼と併せ、福島県に係る輸入停止措置の見直しを要請しました。

 先週末は、高岡市で裏千家淡交会の北陸・信越地区大会に出席山本徹県議の後援会総会福島小矢部市議会議長の就任祝賀会にも顔を出しました。東京では30日夕刻に県JA青年部の役員の皆さんとの恒例の懇談会にも出席し、秋本番の活動が続いています。

カテゴリー: 国政報告 |