2019年6月

国政報告(第482号)

 梅雨晴れの朝、通常国会の会期末(26日(水))を迎えています。前半のヤマ場の新年度予算や重要法案の審議を終えたのち、後半2か月は「解散があるかないか」が一番の話題で推移したように思います。結局、10月の消費税10%への引き上げの延期はなく、6月末のG20首脳会議の前の解散は好ましくないとの常識的な判断の通りの結果となりました。今回の推移は、政治的な話題に事欠いた在京メディアの政治部が故意に解散の可能性を煽ったことも原因ではないかと思っています。結果、解散への備えができていない野党が「解散は避けたいけれど、姿勢として不信任は表明したい」との動機で、無理に内閣不信任決議案を25日(火)に提出する展開になりました。不信任案を出す以上、「解散は受けて立つ」または「解散で信を問うて欲しい」というのが通常で、今回の野党の動きは「野党の切り札」たる不信任案の価値を貶めたと思います。在京メディアも、視聴者受けの刹那的な姿勢に偏ることなく、政治や行政の本質的な問題に腰を据えて取り組む努力が必要です。

 辛口になった分、政府・与党を顧みると、内閣が不適切と断じざるを得ない報告書を金融審議会WGが取りまとめるのを金融庁の事務方はなぜ止めなかったのか、事態の収拾になぜ迅速に動かなかったのか、防衛省はイージス・アショアの調査報告書の角度のミスをなぜ組織的にチェック・訂正できなかったのか、様々な問題があります。政府統計の誤りも含め、組織の各段階での管理職のマネジメント能力や、全体を俯瞰する視野の不足が問題です。いかに教訓として今後の行政運営に生かすのか、職員研修、人材配置、予算配当など様々な論点があると思います。高齢運転者の引き起こす交通事故、行きずりの他人が犠牲になる殺傷事件など、国として令和の社会の在り様を考えなければならないテーマではないでしょうか。国会は行政府に対するチェック機能を果たす場です。一議員としては、委員会質問の場のみならず、地元有権者の皆様の声を含め、様々な問題を行政に問いかけていく姿勢を大切にするよう自戒します。

 先週の地元では、23日(日)に富山県手をつなぐ育成会の大会川島国県議の友の会南砺市福光吉江地区後援会などに出席しました。国会閉会後の今後は7月21日(日)が投票日の参議院議員選挙の応援活動が主になります。復興庁では、25日朝に23回目の出張として仙台まで半日往復し、5回目となる「東北復興水産加工品展示商談会」の開会式で挨拶しました。発災から8年3か月、地震・津波被災地域ではハードの復興のメドが立ち、心のケアと生業の振興(販路回復・風評払拭など)に重点が移りつつあります。避難解除が進み、本格的な復興のステージに入った原子力災害被災地域とともに、復興庁設置期限(令和2年度末)後の組織・施策の大筋について、年内を目指し、まとめていくよう取り組んでいきます。

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国政報告(第481号)

 通常国会の会期末まで後1週間、今日(19日(水))の午後には久しぶりに党首討論があります。昨18日(火)には本会議があり、参議院の定数を6増やすことに伴い、参議院議員が歳費を自主返納できるようにする(公職選挙法上の寄付に該当させない)法案を可決しました。衆議院の定数については、選挙区間の一票の格差を2倍以内に納める原則で、国勢調査を基にアダムス方式で見直していくルールが確立しましたが、参議院は未だ結論が出ておらず、暫定的に合区方式で凌いでいます。私は地方の立場として、都道府県毎に代表を参議院に送ることができる状況を維持すべきであり、合区は解消すべきとの立場です。しかし、「一票の格差」は憲法に根拠を置く考え方であり、憲法改正無くして抜本的解決は難しい現状です。今回は比例区に特別枠を設け、事実上合区された県の代表を確保しようとするものですが、結果として議員数が増えてしまい、歳費の自主返納で償うのは例外的な姿だと思います。何とか安定的なルールを見出して解決したいものです。

 先週に戻って、13日(木)の夕刻、党の町村の振興を考える会と全国町村会との役員懇談会に出席し、町村会の荒木会長、金森副会長(舟橋村長)ほか皆さんと意見交換しました。14日(金)の昼には党東日本大震災復興加速化本部総会があり、昨年の与党第7次提言のフォローアップと第8次提言に向けた議論がなされました。

 週末の15日(土)は地元で、富山第三選挙区の市議会議員有志の集まりである慶政会で平成21年夏の初当選から10年間の国政での取り組みを振り返って報告しました。「地方から始まる新しい国のかたち」と「射水・小矢部・砺波・南砺・氷見・高岡6市の一体的な発展」という当初の公約は、「地方創生」や「とやま呉西圏域連携中枢都市圏」の取り組みにつながっているように思います。これまでの議員の皆さんのご支援に感謝しつつ、財政再建、地方自治、復興といった政策分野で引き続き努力していく旨、誓いました。この日は北陸新幹線の「かがやき」の新高岡駅停車期成同盟会総会にも出席し、翌16日(日)は在京当番で、17日(月)は再び富山に戻って参議院議員選挙に向けた堂故先生、山田先生の応援活動で地域回りに充てました。

 今国会初めての党首討論は、金融審議会分科会の報告書に端を発した年金問題が主たる論点になりました。夫婦世帯で老後に2千万円必要との試算は千差万別のケースをひとまとめにした誤解を招くものであり、金融庁でも反省して撤回しています。改めて年金制度の成り立ちを国民の皆様に丁寧に説明し、様々なセーフティネットを社会に張っていく国の施策の方向性を明示しなければなりません。ともあれ、7月は参議院選挙を闘いながら、復興庁の職務も果たして行く所存です。

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国政報告(第480号)

 先週は7日(金)の午後、砺波市栴檀山地区の皆さんの国会訪問をお受けした後、地元に戻り、週末は参議院選挙に向けた各種会合に出席しました。8日(土)は党富山県第三選挙区支部総務会松村謙三先生の精神に学ぶ会総会堂故茂第三選挙区支部選挙対策会議第三選挙区支部女性部総会と続きました。堂故先生、山田俊男先生(比例区)にも出席、決意表明頂きました。女性部では国政報告の機会もあり、復興庁にて取り組んでいる現状など話しました。9日(日)は堂故茂選挙対策会議(全県)党氷見市連総会党射水市連総会と続き、その間にNPO法人富山腎友会の総会であいさつしました。参議院選挙に向けて一気に気持ちが高まりました。

 10日(月)が復興庁の在京当番のため、9日夜に上京しましたが、永田町では先週までの「解散風」がぐっと弱まりました。26日(水)までの通常国会の会期延長は無い見通しとなり、月末の大阪でのG20首脳会議に衆議院解散の状態で臨むことが考えにくいことから、「99%」解散は無いとの見方が広まっています。ともかく自分とすれば、復興副大臣の職務をこなしながら、地元で参議院選挙をしっかり戦う7月になりそうです。

 11日(火)には、衆院東日本大震災復興特別委員会が開かれ、先月末の福島県浜通りでの現地調査を踏まえた質疑がありました。避難解除を受けて復興へと踏み出している地域のために必要な教育・医療・介護など機能の充実、営農再開の支援、イノベーション・コースト構想の推進等を巡り、多くの質問を頂きました。一方、被災者の心のケアやコミュニティの形成支援、避難者数の把握、県外避難者に対する支援など「心の復興」について、復興・創生期間後の息長い取り組みを求める声もありました。14日(金)に予定されている党東日本大震災復興加速化本部総会での議論も含め、今後の施策に反映させていきたいと思います。

 さて、政府・与党では、「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針)の取りまとめが進んでいます。小泉内閣以来、民主党政権時を除いて、骨太の方針で次年度の施策を固め、8月末の概算要求・予算編成につないでいくのが常道となっています。私としても、所管の復興分野はもとより、関心のある財政再建、地方創生、情報通信、北海道や沖縄の扱いなど、書きぶりを注視しています。財政再建に向けた取り組みには変更が無く、地方財政についても例年通り、一般財源総額を確保できる内容となっています。

 一方、防衛省のイージス・アショアの秋田県への配備計画を巡る調査内容の誤りや、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書で「高齢者世帯が老後の蓄えとして2000万円必要」とされ、年金制度との関係が疑問視された案件など、事務遂行に丁寧さを欠く事案が続いており、心していきます。

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国政報告(第479号)

 6月に入り、梅雨入り間近の空模様の下、通常国会は内閣提出案件の審議をほぼ終え、26日(水)の会期末に向けた道行きがメディアで取り沙汰されています。ともかく職務遂行あるのみです。

 先週末は富山に5月31日(金)の一泊だけで1日(土)午後には新幹線で大宮経由郡山から福島県に入り、2日(日)朝、浜通りの楢葉町のJヴィレッジで「第14回福島12市町村将来像に関する有識者検討会」に出席しました。この会議は、東京電力福島第一原発の事故で避難を余儀なくされた自治体を対象に、現況を把握しつつ将来像を描き、ロードマップに落とし込んでいくものです。渡辺大臣、浜田副大臣、内堀福島県知事、各市町村長も出席の下、座長の大西隆先生の進行で進められました。目標年次としてきた2020年を来年に控え、直近の大熊町の一部避難解除まで、一歩一歩進んできた各自治体の復興の現状と課題を踏まえ、今後の課題について意見交換しました。一番印象に残ったのは、住民の帰還が進んではいるものの、今後地域や産業を担っていく人材を域外にも求め、移住も含めて地域づくりを進めなければ、とのご意見でした。

 午後からは富岡町に開設された東京電力の廃炉資料館を見学し、事故当時の深い反省と今後への戒め、廃炉完遂への決意を感じ取りました。帰路は富岡駅から常磐線を使い、いわき駅から特急で帰京し、来春の富岡・浪江間の前線復旧に想いを馳せました。

 翌3日(月)は空路北海道(札幌)へ日帰り出張しました。2年ぶりに昔住んだ北の大地を訪れ、北海道NPOサポートセンターのお世話で、道内に福島県内から避難されている4人の方から経緯や今の想いを伺いました。改めてお一人お一人に、家族構成など特有の事情があり、生活の手立てを如何に確保するか、人間関係をどのように構築するか、故郷との関りをどうするか、ご苦労があり、悩ましい選択があり、深い思いがあることを身に染みて感じました。私なりに貴重なお話を受け止め、福島に帰還される方、避難した土地に住み続けていく方、それぞれに対応して必要な支援をしていく事が大切だと考えています。6月の北海道は、カラッとさわやかではあるものの今年は気温が高く、東京と変わらない体感でした。

 4日(火)は県のアンテナショップ「日本橋とやま館」の3周年のレセプションに出席、5日(水)朝は石井知事、中川県議会議長から新年度予算に向けての重点事項の説明を受けました。明日6日(木)は朝に富山県が事務局を務める「日本海沿岸地帯振興連盟総会」、夕刻は東京富山県人会連合会懇親のつどいに出席予定です。珍しく地元絡みの日程が続く今週ですが、「令和」と朝乃山関の優勝に沸く富山県の来年度予算に向けた取り組みなどしっかり応援していきます。

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