国政報告

国政報告(第192号)

 今週も16日(火)、19日(金)が総務省の在京当番で、17日(水)は地デジ放送の日本方式を採用頂いたアフリカのボツワナ共和国マシシ大臣が来日、新藤大臣との会談に陪席しました。今週も東京からの報告となりましたが、ICT成長戦略の各論として、今回は、教育分野を取り上げます。

 毎年、この時期は県西部6市を中心に、県内各自治体の来年度に向けた重点要望を伺うのですが、数年前、氷見市と立山町から電子黒板の普及について、国の支援制度の強化を求められました。聞くと、総務省のモデル事業で市・町内の一つの学校に電子黒板を設置したところ、教育効果が上がり、全ての学校に展開したいのだが、自治体財政の厳しい折、国の後押しが望まれるとの事。私にも、是非教育現場の取り組みを見てほしいとの熱いお話しを頂きました。

 電子黒板は略称で、総務省ではインタラクティブ・ホワイトボード(IWB)と呼んでいます。黒板の代わりの電磁的なディスプレーと誤解を受けた事もあるのですが、教室では黒板とは別に昔の壁掛けやOHPのスクリーンのような補助的役割を務めています。ただ、ICT(情報通信技術)を使うので、コンピュータの画面と同じように様々な画像や動画も見る事ができます。子ども達の勉強する様々な学科に合わせて、学習内容を深めてくれる補助教材を見せることができます。今では、クラウド技術を用いて、教科書出版会社も補助教材のコンテンツをクラウド上に用意していて、学校側は年間契約しておけば、授業の際にこれをダウンロードして使う事もできるようになっています。先生方がコンテンツを全て手づくりする手間はかからなくなっています。

 さらに、ここ数年はタブレットの開発が進み、教室で子ども達一人一人に持たせる事も可能になりました。皆で算数の筆算に取り組み、ある子どもの回答をタブレットからIWBに送信して、先生が皆にわかるようにチェックして見せる事ができます。課外学習のまとめも、子ども達がグループに分かれ、材料を持ち寄ってタブレット上で新聞形式に仕上げ、IWBに送信して皆に見せる事ができます。地方圏の学校と自動車製造工場をインターネットでつないで、IWBの画面上で自動車の組み立て現場を「見学」する試みもなされています。総務省では、こんな未来型の授業に学校単位で取り組んでもらうフューチャースクール推進事業を平成22年度から4年間にわたり展開してきました。今回の私の拙い紹介は、この事業の対象校の授業を見学した内容を綴ったものです。

 フューチャースクール推進事業の成果を踏まえ、総務省は文部科学省と協力して、中期的に全ての学校の教室にIWBを整備し、子ども達各自がタブレットを持って授業が展開できる環境を整えて行く考えです。もちろん、これまでの黒板への板書も、子ども達のノートも大切な学習手段として残ります。そこにICTの力も加えて、学びの場をより充実させる事が私たちの目標です。

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国政報告(第191号)

 参議院選挙の期間中ですが、11日(木)、12日(金)は総務省の在京当番で、東京からの報告となります。富山もそうですが、梅雨が明けて夏の日差しが広がっています。

 ICT成長戦略の各論で、今回は、医療・介護分野を取り上げます。5年ほど前、高岡市長を務めていた頃に、市民病院に電子カルテを導入することになりました。投薬や処方など、病院内の仕事の流れをスムーズにする事が主たる目的でした。医師・看護師さんがうまくなじんでくれるか、心配しながらも、時代のすう勢だと思いきって進めた記憶が残っています。その後、毎年一回の健康診断に出向くと、画面上に過去の数値との比較や、レントゲン撮影・エコー検査の画像が次々と示され、胃カメラの結果も写真ではなく、動画で見る事ができ、手書きカルテとの違いを鮮烈に感じました。私の高岡市民病院での健診結果はこのように電子的に保存され、過去からの推移も簡単に確かめる事ができる訳です。

 大規模な病院から導入が進められてきた電子カルテですが、大学病院に導入されると、そこを拠点に養成される新人医師は皆、電子カルテを使いこなす事になります。医師免許を取った後の臨床研修先も、電子カルテを導入した病院が選ばれ、やがて、個人開業すればその医院には電子カルテが導入されるでしょう。このようにして、医師の皆さんの中で電子カルテを使う方の割合がどんどん大きくなっているのが今の流れです。ちょうど、皆さんが誰でも携帯電話を持ち、その半分がスマホになっているのと同じ現象です。

 病院単位で導入されてきた電子カルテの情報をつないで、ネットワーク化しようというのが、総務省・厚生労働省の提唱する「医療情報連携基盤の構築」です。まさに、I(情報)とC(通信)の組み合わせ、ICTの活用で社会に貢献しようとする戦略です。もちろん、電子カルテ上の病歴は患者さんの個人情報ですから、その取り扱いはご本人の同意が前提となります。同意が取れた場合、例えばかかりつけの医院から総合病院に紹介してもらう場合、また、総合病院での手術等を終えて、医院に戻る場合に、その間の検査・診断・処方等の情報が電子的にやり取りされます。同じ検査を2度受ける必要もなく、過去の病歴からより的確な診断ができます。このネットワークに院外の薬局や介護施設も参加してもらえると、処方箋なしに医師の指示した薬が薬局でもらえ、病院と介護施設の間で利用者の健康状態が共有できる事になります。

 世界に先駆けて人口の高齢化が進む日本において、ICTを駆使した医療情報連携基盤を2018(平成30)年度までに全国規模で展開しようというのが私たちの掲げる目標です。関係者の理解を得ること、大都市圏・地方圏それぞれの特性に応じてネットワークを展開することなど、解決しなくてはならない課題も多いのですが、電子カルテが普及しつつある今を「夜明け前」ととらえ、26年度予算を含め、精力的に取り組んでいきます。

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国政報告(第190号)

 久し振りに富山で報告を綴っています。先週末の土・日は在京当番、1日(月)はアフリカのアンゴラから地上デジタル放送方式の調査に来日された情報通信省のサフェッカ副大臣、テタ副大臣に対応し、2日(火)朝から富山に入っています。梅雨終盤の蒸し暑さの中、路傍のアジサイの鮮やかな花を楽しみながら、参議院選挙の活動をこなしています。

 サフェッカ副大臣には4月初めのアンゴラ出張の際に、日本方式の採択をお願いしています。今回の調査が良い結果につながることを期待しています。これも、総務省のICT成長戦略の一環です。我が国の優れた技術を海外にパッケージとしてシステム売りし、国内産業の成長に結び付けようとする取り組みです。政務官を拝命して半年間、総務省の通信・放送・郵政分野を担当させて頂いて、まさに日本がICT(情報通信技術)を生かして飛躍するチャンスの時、「夜明け前」であるとの思いを強くしています。

 たとえば、ここ1、2年の間に皆さんが使われる携帯電話の半数近くがスマートホンに変わっています。これまでの携帯電話に比べ、スマホはその機能が一段とコンピュータに近付いたと言えます。パソコンで有線の通信回線を使ってインターネットを使うのではなく、スマホで無線の通信回線を使うため、この帯域の電波の使用量(通信された情報の量)は1年間で倍増の飛躍的な伸びを示しています。振り返ってみれば、20年前には固定電話だったものが、オフィスから家庭へとパソコンが普及し、皆さんが携帯電話を使うようになり、さらにスマホへと急速な変化が続いています。日本経済にとっては「失われた20年」ともいわれる同時期が、ICTにとっては変化と成長の20年だった訳です。

 さらに、パソコンの機能を手軽に持ち歩ける形に集約したタブレットが出現し、タブレットとスマホの違いは通信機能の有無だけという、コンピュータと電話の「融合の時代」を迎えました。いわば、情報(information)と通信(communication)の融合、まさにICT(情報通信技術)の時代が到来しようとしていると言えます。

 身の回りを見てみると、テレビやエアコンのリモコン、自動車の鍵など、スイッチを入れたり切り替えたりする度に、私たちは微弱な電波を使っています。鉄道で便利なICカードも、改札の読取り機との間は電波で情報をやり取りしています。高速道路のETCカードやカーナビもしかりです。このように、個々の端末の情報を通信回線でやり取りし、ネットワーク化することで、経済社会を思わぬ形で変えていくことができる、それが私たちの目指すICT成長戦略です。次回以降、個々の分野におけるICT活用の現状と展開可能性について、この半年間の経験から得たものを順次報告していきます。

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国政報告(第189号)

 26日(水)で第181国会が閉会となり、政治の舞台は、23日(日)の都議選に続く参院選へと回り始めました。国会は、前号で懸念していた「波乱」が参議院で生じ、電力システム改革法、生活困窮者支援法や各種条約案件等が審議未了・廃案となりました。私の野党時代に、当時の菅総理、野田総理に対する問責決議が参議院で可決されましたが、今回の安倍総理に対する問責決議は、野党側が求めた今週の予算委員会出席を拒んだことを理由とするもので、根拠は薄すぎると思います。メディアの取り上げ方を見ても、事の重要性が小さく、野党の姿勢は疑問です。一方、与党の立場としては、衆議院で大方のコンセンサスがあった内閣提出法案を、内容ではなく周辺環境のために廃案にした事が残念です。次の国会では、改めて衆議院から審議する事となり、その分、何かの案件の成立が確実に遅れていく事になります。私が野田内閣に一番欠けていると指摘してきた「段取り」の問題が、私たちにも生じた訳です。ではどうすれば良かったのか、と言われれば、参院国対の現場のやり取りも知らずに論じるのは不謹慎ですが、「案件成立=実利優先」でひたすら頑張るのが与党側と言う事かと思います。最終的な内閣提出案件の成立率は84%。これは民主党政権時代から見れば見違えるような好成績です。安倍総理や私たちの新藤大臣の粘り強い国会答弁を始め、与党の皆さんの成果だと感じています。

 この間、総務省ではICT成長戦略の取りまとめに向けて24日(月)から26日にかけて集中的に会議が開かれました。既に戦略の重点部分は内閣の成長戦略やIT戦略の中にしっかり位置付けられていますが、省としての今後の予算・施策の羅針盤を仕上げた訳です。それぞれの報告書は今後パブリック・コメントを経て正式決定されますが、まさに、スマホの普及、鉄道や店舗でのICカードの利用、カーナビなどGPS(G空間)の活用、医療や教育分野での取り組みの盛り上がりなど、時代は「ICTの夜明け前」を思わせる状況です。成長戦略の要の一つとして、私自身も、ICTの積極的活用に取り組んで行きたいと思います。

 27日(木)、初めての国内出張で長野県塩尻市を訪ねました。ICT街づくり事業のモデル都市として、24年度の総務省予算でセンサーをネットワークしたシステムを構築し、子どもの見守り、地すべりや有害鳥獣の発見、ため池の水位管理など多用途への活用を図っています。さらに、災害時の緊急情報をエリアワンセグ放送で流したり、市内の公共施設にWi-Fi(ワイファイ)設備を整備し、インターネットに容易に接続できる環境を整えています。ICT街づくりの先端を走る塩尻市は、一面、木曽漆器やワインの産地であり、奈良井宿、木曽平沢という二つの重要伝統的建造物群保存地区を持つ、個性豊かな都市です。総務省の本事業推進委員会の岡座長の言われるように、「百聞は一見に如かず」、元気な地域の取り組みを歩いて勉強し、取り入れて行きます。来週からは参院選に入るので、この半年間の政務官としての経験を土台に、ICTの今後の展望を綴ってみようと思います。

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国政報告(第188号)

 先週末、富山に戻ると東京よりも熱く、驚かされました。今週も東京は雨が降ったりやんだりの梅雨空ですが気温は高くなり、蒸し暑い状態です。そんな中、安倍総理のサミット出席を兼ねた海外出張もあり、20日(木)の帰国を受けて終盤国会に入っていきます。

 20日に開催された政務官会議では、参議院で条約3本、協定書6件、法律案4件の審議・採決がまだ行われていない旨、報告がありました。24日(月)から最終日までの3日間の会期中に波乱が起きないよう気を引き締めて臨まなければなりません。衆議院の定数の0増5減法案も、週明けには再可決・成立の見込みです。23日(日)の東京都議会議員選挙の結果も受けて、会期末・参議院議員選挙へと向かう流れです。

 総務省では、ICT成長戦略の取りまとめが大詰めを迎えています。既に医療・介護の現場での電子カルテや処方箋等の情報を電子的にやり取りする「地域医療情報連携基盤」の2018(平成30)年度まで全国展開の実現など、内閣がまとめた成長戦略に織り込み済みの内容を含め、通信・放送にわたる近未来のICT活用の方向性を明らかにするものです。施策の方針を取りまとめたら、後は実行あるのみで、来年度の概算要求へと仕事はシフトしていきます。

 毎週の見学は、20日(木)に足立区にある日本郵便のロジスティックスセンター(JPロジサービス(株))に行ってきました。大口荷主から荷物を預かり、オーダーに合わせてピッキング・梱包し、ゆうパック・ゆうメール・EMS(国際急送便)などの郵便サービスに乗せる仕事です。物流業界では、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)と呼ばれる業務で、モノを配達するという基本業務に付加価値を上乗せし、収益を拡大するとともに、荷物を川上で確保する役割も果たします。日本郵便では、郵便の集配ネットワークの再構築を進めており、業務の集約化で空いた施設を営業倉庫に転用するなどして、3PLを始めとする物流業務の拡大を目指しているとの事。同じ施設には、株主総会の案内状の封筒詰め等の業務をこなすJPビズメール(株)も入居しています。偶然、JPグループの新経営陣のスタートの日と重なりましたが、郵便業務の周辺にはまだまだ発展可能性が広がっていると感じています。

 19日(水)の夜は、私が省内で主催している月1回のコンテンツ研究会があり、今話題の4K・8Kテレビの技術を用いた海外へのコンテンツ展開の可能性を語り合いました。高品質な画質がふさわしい分野でのコンテンツづくりや、インターネット機能と融合させた双方向のスマート・テレビ(ハイブリッド・キャスト)の活用など、近未来の夢が膨らむ会でした。25日(火)には、もう一方の携帯電話の研究会を予定しています。これら2つの取り組みもそろそろまとめに入らなければなりません。間もなく始まる参議院選挙に備え、来週・再来週には東京での仕事を一区切りつける予定です。

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国政報告(第187号)

 今週の東京は、台風3号の影響もあって、梅雨空が続きました。そんな中、国会では内閣提出法案の審議が粛々と進みました。総務省の案件も、13日(木)の参議院総務委員会を給与法改正案が通過し、全て成立の見込みとなりました。4月中旬から2カ月弱続いた、火・木の衆参総務委員会シフトも終わり、14日(金)の都議選告示を前に、150日間にわたった通常国会もゴールが見えてきました。官邸の委員会で検討されてきた成長戦略を始めとする各種構想も逐次取りまとめの段階に入り、7月4日(木)スタートと言われる参議院選挙を前に霞が関・永田町の動きは一区切りです。

 一方、為替と株の相場はここのところ変調を来しており、13日の終値は、東証の株価が843円安の12445円、円相場も1ドル94円台に円高が進んでいます。昨年末から見れば、十分株高・円安の状況に変わりは無いものの、メディアの見方では、政権の成長戦略への市場の評価が厳しいとの事です。この間の戦略取りまとめ作業を側で見てきた私の感覚とすれば、戦略の内容よりも、各項目を着実に実現してみせる事こそ、「第三の矢」を的に当てる方策だと思います。年初からの相場に見られる期待感を現実のものとする事こそ、経済政策の王道です。足元の相場の調整局面を憂う事なく、成長戦略の工程表を実行していくよう、総務省のICT関連施策について努力して行こうと思います。

 例えば戦略では、地域医療情報連携基盤の全国展開を2018年度までに実現するとしています。島根県、広島県尾道地域、長崎県など、地方圏では地域の中核病院と医師会の皆さんが連携し、自治体も支援する形で病院と診療所の情報ネットワークが育ちつつあります。しかし、患者さんが広域に分布する首都圏等の大都市圏では、未だ情報連携のモデルが確立していない現状にあります。しかし、目標年次を5年後に設定したからには、大都市圏での取り組みも早急に始めなければなりません。そのために、厚生労働省と協力し、地域に働き掛けて行く事こそ、今、総務省が頑張る番地だと考えます。私なりに声を出し、動いていこうと思い定めています。

 さて、今週の見学は、埼玉県ふじみ野市にあるKDDI研究所に伺いました。前身の国際電信電話(株)時代に関わる海底ケーブルの光ファイバーの伝送容量を増大させる取り組みから、高精細画像の圧縮伝送技術、スマートフォンをカメラとして災害時に活用する技術など、今日のICTの発達に応じたハード・ソフトにわたる研究開発の現状をわかりやすく説明頂きました。引き続き、現場を体感しながら情報通信分野の未来像を考えて行きます。

 先月末の東京スカイツリーへの放送電波移転に伴い発生した視聴障害への対応は、関係者の努力により、一歩づつ収束に向かいつつあります。さらに、かんぽ生命(株)の学資保険の内容変更の認可と南部アフリカ地域での地デジ日本方式の採用という、目前の課題の解決にも取り組んでいきます。

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国政報告(第186号)

 6月1日(土)から3日(月)にかけて、横浜で第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)が開催されました。この機会をとらえ、前日の5月31日(金)にボツワナのマシシ公共政策担当大臣とアンゴラのブラガンサ外務副大臣と面談し、地上デジタル放送の日本方式の採用について話し合いました。既に2月に採用決定を頂いているボツワナ・マシシ大臣とは、今後の具体的な進め方を打ち合わせ、検討中のアンゴラ・ブラガンサ副大臣には、所管のロッシャ情報通信大臣によろしく伝えて頂くようお願いしました。このほか、レセプションの場等でマラウィのバンダ大統領、モザンビークのゲブーザ大統領にも働きかけをする機会を得ました。近年のアフリカの経済発展は目覚ましく、日本との間でも援助や技術協力を超えて、企業進出や資源開発など通商の多様な分野に渡って関係が深まりつつあります。TICAD-Vでも、安倍総理が議長となって「躍動のアフリカと手を携えて」とのテーマの下、「成長」に焦点を当てた議論が展開され、「横浜宣言2013」と向こう5年間の行動計画が採択されました。

 ちょうど3日には、中米のグアテマラが日本方式を採用頂いた旨、報道発表があり、これで中南米を中心に14カ国で採用されたことになります。南部アフリカにも展開が進むよう、引き続きアンゴラの動向を見守っていきたいと思います。

 今週の見学は、かんぽ生命(株)の東京サービスセンターでした。全国の契約のほぼ3分の1を取り扱い、個々の郵便局でお客様が申し込まれた新規契約の内容チェックと、保険対象の事故があった時の保険金支払いの審査をする場所です。窓口からの照会や、お客様の問い合わせ・苦情への対応も業務としています。いわば、「縁の下の力持ち」の役割を担っており、会社が保険業務を円滑に進めて行く上での要といえます。契約書面は1枚ずつイメージ・スキャンで画像として取り込まれ、スタッフの方がコンピュータの画面上で手際よく内容チェックを進めていました。今後は支払い関係書類も画像に取り込んで扱う予定とのこと、業務の効率化が期待されます。

 国会は、参議院で衆議院の定数是正に関し、野党が提出した18増23減法案の扱いを巡り与野党が対立し、新たな法案審議に入れない状況です。それでも5日(水)には本会議があり、先に委員会審議を終えた電波法改正案が可決成立、併せて一度否決された人事院の人事官と、会計検査院の検査官を含む人事案も同意されました。6日(木)には衆議院の総務委員会で地方分権を進める「第三次一括法」も審議を終え、残るは参議院の総務委員会で給与法改正案の審議だけとなりました。来週14日(金)には東京都議会議員選挙が告示・スタートするだけに、そこまでがいわば「終盤戦」です。

 安倍内閣の成長戦略が逐次発表される一方、株価はいつの間にか一本調子の上昇基調から不安定な値動きに変わってきています。参議院選挙まで1カ月弱、ここ一番、内閣の関係者が緊張感をもって事に当たるべき時、自分も持ち場で努力していきます。

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国政報告(第185号)

 東京は例年より早く、5月下旬の梅雨入りとなり、いつの間にか曇り空と梅雨特有の蒸した空気に様変わりです。先週末の在京当番からそのまま今週に入り、30日(木)には衆・参の総務委員会が開かれて、衆は給与法改正案、参は電波法改正案をそれぞれ審議・可決頂きました。6月14日(金)告示の東京都議会議員選挙を前に、総務省の国会提出議案の審議を終わらせるべく、努力しているところです。

 3月来の懸案であった、東京タワーから東京スカイツリーへの放送電波の移行も、関係者による難視聴対策が精力的に進められた結果、31日(金)午前9時に実施の運びとなりました。政務官として抱えている案件の一つが片付き、後は、アンゴラ共和国の地デジ放送日本方式の採択とかんぽ生命の学資保険の変更認可が自分なりの解決すべき課題です。このうち、アンゴラについては、1日(土)から横浜市で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)に合わせて来日される先方高官にお願いする予定です。先に採択頂いたボツワナ共和国からは、担当のマシシ大臣が来日の予定で、こちらは今後の具体的な段取りを詰めて行く事になります。

 総務省の業務が佳境に進む折、ここ2週間は不摂生がきっかけで腸の調子を崩し、千代田区飯田橋にある東京逓信病院の消化器内科で診察を受ける事になりました。自己管理の不徹底で恥ずかしい限りですが、結果として日本郵政グループの主要施設を見学させて頂きました。調べてみると、戦前の昭和13(1938)年、富山県で初めて大臣になった南弘逓信大臣の提唱で開設されていて、浅からぬご縁を感じました。千代田区・中央区からなる医療圏の急性期中核病院として、救急搬送も受け入れているなど、地域に対してもしっかりした役割を果たしている一方、医業収支面では厳しい経営ともなっており、もう一段の改善が期待される所です。なお、体調の方は、的確な処方のお陰で快方に向かっています。

 見学と言えば、先週の24日(金)には葛飾区立本田小学校で、電子黒板とタブレット式端末を用いた授業を見学させて頂きました。2年生のカタカナの学習、4年生の割り算の筆算の練習、6年生の日光での課外活動の準備と、3つの授業を拝見し、先生と児童がIT機器を上手く使いこなし、グループ学習に積極的に取り組んでいる姿に感銘を受けました。総務省で私たちが取り組んでいるICT成長戦略には様々な施策が盛り込まれており、それを官邸で作っている「IT戦略」に盛り込む努力を続けているのですが、自分なりに、目下の戦略の目玉は、1)電子カルテの普及による地域医療連携、2)学校の各教室への電子黒板と個人用タブレットの配備によるフューチャー・スクール、3)税務行政や関税行政が先導する電子政府、の3点を実現する事と考えています。そのために、自分の番地で何ができるか、大いに頑張っていこうと思います。

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国政報告(第184号)

 先週末の18日(土)、全国山・鉾・屋台保存連合会の定時総会が栃木県鹿沼市の今宮付け祭りの皆さんのお世話で開催され、鬼怒川温泉で催された懇親会に参加しました。いつもの事ながら、国の有形・無形民俗文化財に指定された祭りを担う皆さんと屋台の修理に携わる皆さんが一堂に会し、私も元気をもらいました。東京経由で19日(日)に富山にトンボ帰りして、前田利長公400回忌を記念して国宝瑞龍寺で献茶式に臨まれる茶道裏千家の鵬雲斎大宗匠をお迎えしました。前田家からはご当主の利祐様ご夫妻もお越しで、綿貫元衆議院議長も出席されて懇親会が開かれました。先立っての大宗匠のご講話では、日本の良き伝統を大切にしながら、「一碗からピースフルネスを」をモットーに国際親善に務められているお気持ちを率直に聴かせて頂けました。

 20日(月)の献茶式には出席がかなわず、上京して総務省の仕事に戻り、21日(火)は衆議院総務委員会で電波法改正案の審議で答弁に立ちました。電波利用料を財政力が弱い市町村の消防・防災無線のデジタル化の補助にも使えるようにして、周波数の使用帯域を圧縮し、鉄道や電気事業者の無線に割り当てようという内容で、全会一致で可決頂きました。目下、衆・参両院で総務省関連の法案審議が順調に進んでおり、しばらくは、委員会定例日の火曜と木曜が忙しくなります。この間、ICT成長戦略に関する各種会合が省内で開かれていて、充実したウィーク・デーとなっています。

 そんな中、21日は県内の市議会議長会の皆さん、23日(木)は射水地区後援会の女性部の皆さんがそれぞれ上京され、夕食をご一緒させて頂きました。地元の皆様に東京でお会いし、話をしたり、励まして頂けるのは大変嬉しいです。これからは、夏場に向け、来年度の予算・施策の検討を進める時期に当たり、富山県についても新幹線開業後の将来像を描きつつ、必要な国の事業に結び付けて行かなければなりません。色々な要請や意見をしっかりと受け止め、持ち場で努力していきます。

 首都圏のテレビ電波の発信元を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えていく準備は、試験放送が最終段階に入り、24日(金)と26日(日)には朝9時から夜7時まで10時間連続で電波を切り替えて放送が行われます。関係者の努力で難視聴対策も大分目途がついてきて、移転の実現まで後一歩の現状です。このほか、4月に地デジ日本方式の採択をお願いしたアンゴラ共和国の動向も気になるところです。6月1日(土)から3日(月)まで、横浜市で第5回アフリカ開発会議(TICAD-V)が開催され、各国首脳が来日されることもあり、ボツワナ共和国に続いて採択頂ければ、と願っています。今週末は在京当番、来週も後半国会と成長戦略立案に取り組んで行きます。

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国政報告(第183号)

 5月も後半に入り、東京は汗ばむ日が多くなってきました。15日(水)には新年度予算が成立し、通常国会も残り会期が40日となり、政府・与党とすれば残された案件の成立に全力を挙げる段階です。16日(木)には参議院総務委員会で国から地方への分権を進める第三次一括法が可決され、衆議院総務委員会では電波法一部改正法案が審議入りするなど、総務省所管案件も進捗しています。今週も参議院で森田議員に答弁する機会を頂きました。郵便局が市町村の住民票交付等のサービスを受託し、地域に貢献する取り組みの充実を促され、現状の報告と併せ、努力する旨お答えしました。

 富山では、11日(土)に堂故茂次期参議院選候補予定者の事務所開き、12日(日)に富山県の置県130年記念式典に出席しました。参議院選で与党が過半数を確保することが当面の目標であり、富山県選挙区でも頑張っていきます。また、富山県の歩みを改めて振り返ってみると、豊かな水と治水・利水によって共生を図り、防災と産業振興を両立させてきた先人の努力の積み重ねの上に今日の富山県の姿がある事を痛感します。今を生きる私たちも、2年後の新幹線開業を活かし、陸・海・空に大きく羽ばたく県として次の世代につないでいかなければなりません。12日には、私を支援頂いている慶友会の皆さんの総会・懇親会がありました。川村会長を始め、多くの方に励まして頂き、思いを新たにさせて頂きました。

 東京では国会審議と並行して総務省での仕事をこなしています。「ホワイトスペース」と呼ばれる、既存のテレビ放送で使用している電波帯の空きチャンネルを利用し、限られた地域や施設で独自の放送サービスが試行的に展開されており、14日(火)にその成果発表の会議がありました。特に南砺市から、地場のアニメ制作会社の協力を得て、「True Tours(恋旅)」というワンセグ放送を市内の観光施設で実施し、この連休中は例年を上回る訪問客があった旨、力強い報告を頂きました。15日は江東区にある東京国際郵便局を見学しました。関東以北の国際郵便のうち、到着郵便物と国際急送便での発送郵便物を中心に取り扱っていて、東京税関東京外郵出張所の皆さんの郵便物検査の場面も見せて頂きました。日本郵便のスタッフが空港と同様なX線検査もこなしておられ、危険物が紛れていないか素早くチェックしていきます。税関の皆さんも郵便物に問題が無いか、また、関税の課税のある無しを瞬時に判断する作業に携わっておられ、万国郵便条約に基づく国内外の郵便物のやり取りもこうやって多くの方々に支えられているのだと実感しました。

 このように、総務省で自分の所管分野について得難い経験をさせて頂く一方、この事が国のために実になるよう努めなければなりません。差し当たりは、首都圏のテレビ電波の発信元を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えていく準備が大詰めを迎えており、視聴者の皆さんにご迷惑をかけないように遂行できるよう、緊張感をもって臨んでいます。

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