国政報告

国政報告(第332号)

 6月1日(水)、通常国会の会期末は、安倍総理が記者会見され、消費税の10%への増税を明29年4月から、平成31年10月まで2年半延期するとの表明で幕を閉じました。永田町では、衆参の同日選の可能性が最後まで語られた上、G7の伊勢・志摩サミットから総理の最終決断まで、今回も驚きの連続の展開となりました。

 米・オバマ大統領の広島訪問を含め、サミットが成功裏に閉幕した先月27日(金)の夜、総理と麻生財務大臣、谷垣幹事長、菅官房長官の四者協議から事態は大きく動き出しました。2年半延期を打診する総理に対し、麻生大臣は反対され、その場合は衆議院を解散して信を問うべきとの意見を述べられた由、翌28日(土)の新聞朝刊で報道され私も初めて知る所となりました。29日(日)は党県連大会と政経セミナーが予定されており、麻生大臣と谷垣幹事長に来県頂く予定は早くから決まっていました。セミナー来賓としてのご挨拶が俄かに全国的注目を集める事になりました。

 先立って、28日は富山新港で国土交通省の多目的国際ターミナル(コンテナ埠頭)の延伸工事の着工式典に出席し、午後は高岡市野村地区で、高橋市長、地元の坂林市議との合同報告会に出席しました。国政報告では、報道を受け、消費税と衆院解散がどうなるか、確たることは言えないと述べるしかありませんでした。

 明けて29日、麻生大臣は改めて増税延期に反対であり、延期の場合は解散すべきとの意見を述べられました。谷垣幹事長は麻生大臣に同調されながらも、「進むも地獄、退くも地獄、厳しい判断であり、総理の決断を待つ」との発言で、週明けからの調整が焦点と理解しました。併せて、桜井よしこ先生に講話頂き、サミットの意義から現下の国際情勢と我が国の取るべき施策について、深い洞察に裏付けられたお話しが聞け、有意義でした。

 30日(月)はかがやき536号で新高岡駅から上京し、夜は県内10市の市議会議長さん達との懇談会に臨みました。31日(火)には、野党四党から内閣不信任決議案が出され、その本会議を15時半に控える形で、14時から政調全体会議が急きょ開催され、総理のお考えに対する党内意見の集約が図られました。大勢は、総理の判断に従うものの、参院選を控え、増税延期の理由や社会保障費を中心とした歳出面の取り扱いについて、総理自ら明確な考えを述べて頂きたいとの意見でした。私も、日本銀行が年間80兆円の国債を買い入れる「異次元の金融緩和」で既に300兆円を超える国債を日銀が保有しており、31年10月まで続けるならば600兆円に達する事になり、その前には政策を変更せねばならないと思われる旨、注意喚起の意見を申し述べました。

 結局、不信任決議は夕刻に粛々と否決され、1日の13時からの本会議で会期末の手続き終えた後、18時からの総理記者会見で最終的に増税の2年半延期が正式に発表されました。安倍総理は、今回の決断が26年11月の判断とも異なる「新しい判断」とされ、このことについて、7月10日(日)投票の参議院選挙で国民の信を問う、と述べられました。全てが急展開の新たな局面ですが、与党の一員としてどう受け止めるか、来週からは富山を中心に活動しながら、自分の考えをまとめ、報告して行きたいと思います。

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国政報告(第331号)

 会期末まで、あと一週間、すっかり梅雨っぽくなった東京で次年度の骨太方針の取りまとめなど、通常より一か月早い仕事に追われています。衆議院解散説は下火になっているもの、諸説が乱れ飛ぶ中、持ち場の目前の課題の取りまとめに集中しています。

 先週末の地元は、21日(土)に党高岡市連野上参議院議員高岡後援会の総会北陸新幹線かがやきの新高岡駅停車期成同盟会に出席し、夕方は石川県加賀市で裏千家淡交会の2年に1度の北陸信越地区大会の懇親会に顔出ししました。22日(日)は党射水市連総会にて、引き続き参議院議員選挙への支援をお願いしたほか、県西部青果物商組合にて、「21世紀の街の八百屋さん」と題してミニ講演をさせて頂きました。身近な地域に食品を購入できるお店が無くなる「食料品アクセス(買い物弱者)問題」への対応につき、組合員の中には車を使って移動販売をされている方もありましたが、最近は地域の人口減少により売り上げが落ちて苦慮されていました。また、地産地消の観点から、小中学校の給食の食材について、自治体の枠を超えて隣町の産物も使えば、との提言も頂きました。早速、県や農林水産省に伝えたところです。

 23日(月)の午後に上京し、24日(火)の総務委員会では、熊本地震対策とNHKの経営改革をテーマに、今国会2度目の質問に立ちました。思いの外、被災地での避難状況が長引き、公共施設の被害も甚大となっており、地方財政の面でも一層の支援を高市大臣に要請しました。NHKについては、新年度予算案の党内手続きや委員会審議で厳しい意見が相次いだことを受け、グループ経営の改革と役職員のコンプライアンス意識の徹底について、籾井会長を中心に、取り組みの進捗状況を質しました。会長からは、党総務会の場で、「身を賭して」頑張るとの決意を聞いた経緯もあり、一つ一つの事柄が前進していることを評価しつつ、皆が「心ひとつに」取り組める雰囲気づくりを強く求めたところです。質疑の中で、8月のリオデジャネイロ・オリンピックの際に、全国の放送局に8K放送の受像機を置き、試験放送のパブリック・ビューイングを実施するとの答弁があり、いよいよ富山放送局でも8Kの鮮明な画像を県民の皆様に体感頂ける事になります。

 同日午後の本会議で、今国会最終盤の案件処理が進み、内閣提出法案は55本中50本の成立が確実となりました。全国会からの継続法案については、9本中4本が成立し、次期国会に持ち越すものは10本となる見込みです。内訳は、TPP案件を除き、法務省所管が5本、厚労省所管が2本で、2020年小委の提言のように、厚労省のあり方については、国会審議との関係で一工夫が必要と感じます。

 このほか、骨太方針など新年度に向けての施策の方向性を定める閣議決定案については、20日(金)と24日の政調全体会議で、私たちの総務部会始め様々な意見が寄せられ、「地方創生」の扱いを強調するなど、良い方向で修正ができました。25日(水)は2020年小委も15回でいったん打ち止めとし、27日(金)には県の新年度要望を党国会議員団で聴取の上、G7伊勢・志摩サミットを受けて、6月1日(水)の会期末を迎えます。最後はどんな展開になるのか、心して臨みます。

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国政報告(第330号)

 第190国会も、会期末の6月1日(水)まであと10日余りに迫りました。熊本地震対策に緊急に編成された補正予算案も、16日(月)に衆院、17日(火)に参院で可決、成立し、来週の26日(木)からの伊勢志摩サミットまで、実質的な審議日程は僅かです。内閣提出案件については、成立させるもの、衆院で継続審議とするものの整理もほぼ終わりました。TPP関連案件、年金改正、外国人研修生受け入れ制度改正、などが継続案件となる見込みであり、参院で審議されている刑事訴訟法改正案の成否が最後の焦点と見ています。会期延長無しでの運びとしては、政府・与党にはまずまず実りある姿だろうと思います。一議員としては、昨年所属した国会対策委員会、野上先生を始め、議院運営委員会の皆さんのご苦労にひたすら感謝の気持ちです。

 先週末の地元は、14日(土)に党南砺市連、15日(日)に福岡支部の総会に出席射水市大門地区の凧まつり開会式高岡市伏木地区の曳山出発式にも顔を出しました。伏木では、明治時代に焼失した十七軒町の山車がこのほど復元され、百十年ぶりに7基揃っての曳き回しで地元の意気も大いに上がっていました。併せて、G7環境大臣会合が15-6日の日程で富山市で開催され、丸川大臣始め各国閣僚をお迎えしての前夜レセプションに列席させて頂きました。県のNOWPAP誘致の取り組み、富山市の環境未来都市の取り組みが実を結んだものと思います。

 今週の東京は、17日夜に、高岡商工会議所の川村会頭ほか議員の皆さんが視察で上京され、新幹線かがやき号停車継続の取り組み等を話題に懇親しました。18日(水)は2020年財政構想小委の14回目の会議があり、社員の副業を解禁されたロート製薬株式会社の山田会長に、その目的とこれからの働き方への想いを伺いました。私たちの中間取りまとめ、「レールからの解放」にあるように、人生100年時代には、就職・定年の時期が各自まちまちになり、社会人になってからの学び直しや、自分の能力を活かした転職が容易にできる制度が望まれます。社内の自主プロジェクトを奨励されてきたロート製薬では、社員の自主性をさらに高め、勤務時間内の生産性が向上する事を期待して、副業解禁に踏み切ったそうです。

 国会会期末に向け、政府では急ピッチで「骨太の方針」ほか、来年度予算・施策の骨格となる文書の作成が進められており、来週にも閣議決定される見込みです。党側からは、参院選公約や各種提言で政府側に予め意見を出しており、これらを勘案した政府案の検討が20日(金)の党政調全体会議でヤマ場を迎えます。総務部会からも、地方創生の記述の強化など意見を出して行きます。

 残る焦点は、来年4月に予定されている消費税増税の取り扱いと、衆議院解散の有無ですが、永田町でも毎日のように諸説が流れている状況です。私自身は、増税の判断は秋以降で良いとの立場、解散は無いとの見立てですが、率直に言って不透明感が強い現状です。来週また報告します。

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国政報告(第329号)

 連休後半を富山で過ごし、7日(土)は高岡ねがい道駅伝の出発式党新湊支部の総会、8日(日)は野上参議院議員の事務所開き党利賀支部の総会に出席し、9日(月)の臨時かがやき536号で新高岡駅から上京すると、梅雨の走りを思わせる蒸し暑さでした。高岡の若手経済人が中心となって始まったねがい道駅伝も4回目となり、参加者、周囲のサポートともに厚みを増し、まちに活気を吹き込んでくれる事を嬉しく思います。また、連休明けの月曜の新高岡駅では、関西方面へ修学旅行にでかける中学生の皆さんがつるぎ号に乗車するため、反対ホームにたくさんいました。若い力で新幹線利用に一役買ってくれるのは頼もしいですね。

 9日の午後は、石川3区選出の北村茂男代議士と一緒に小矢部市・津幡町の首長・議長さん達の国道8号倶利伽羅トンネル更新事業採択の御礼で国土交通省の関係部局を回りました。現在のトンネルは、以前、旧国鉄が使用していたものを道路に転用したものです。半世紀近く、富山・石川両県を結ぶ大動脈としての役割を果たしてきましたが、今日的には狭く、事故・渋滞の危険性もあり、両市町から更新の要望が強く挙がっていました。3月末のルート決定に続き、新年度予算で早速手当て頂けたことを感謝しつつ、今後の事業促進をお願いしました。

 11日(水)には、「2020年以降の経済財政構想小委員会」を開催し、先の総論、「レールからの解放」に続き、「厚生労働行政のあり方について」という提言を取りまとめました。我が国の一般会計予算の4割強を占める厚生労働分野の制度改革は、今後の財政再建の核であり、その担い手たる厚生労働行政が軽やかに展開できる仕組みづくりは、改革の実を挙げるためにも欠かせません。国会における厚生労働委員会の審議時間や、大臣の答弁回数も、他省庁を大きく上回っていることから、組織の分割・再編や、複数大臣制等の組織の見直しを、国会における審議の在り方を含め、見直し、改革するべきとの結論に達しました。詳細の議論は、党内の適当な部署でお願いすることとして、早急な対応の必要性を、上部組織である財政再建特命委員会の稲田委員長(政調会長)に提言しました。このあと、小委員会では各論の議論を進めることとしていて、第1回として、新卒一括採用や定年制など単線的な働き方を見直す視点でヒアリングを行いました。

 12日(木)の本会議では、国会同意人事と10案件の採決が行われました。総務省を始め、各省庁の案件の大半は成立の見込みとなっていますが、TPP関連案件のほか、法務省・厚生労働省の案件に持ち越しのものが目立ちます。13日(金)には熊本・大分の地震対策として、補正予算案の上程が予定されており、17日(火)にも参議院で可決成立の見込みです。月末には伊勢・志摩サミットも予定され、残りわずかな国会日程ですが、有効にとり進めていきたいです。

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国政報告(第328号)

 前号を仕上げた後、衆議院は4月28日(木)の本会議で各委員会で審議を終えた内閣提出案件を採決、参議院に送付し、大型連休に入りました。衆議院の定数是正の法案も可決し、衆院議長の諮問委員会の答申を踏まえ、次回の2020(平成32)年大型国勢調査の結果を用いてアダムズ方式で定数を設定する事とし、当面は小選挙区を6減、比例定数を4減して議席総数を465とする自公与党案を参議院に送付しました。世論上も賛否は割れているようですが、昨年は議院運営委員会に所属し、佐々木先生を座長とする委員会の審議の途中報告も都度に受けた立場から、私はこの案に賛成です。本法案が成立すれば、「一票の格差」を巡る違憲訴訟も不要になります。かくて、衆議院は「格差2.0倍」以下が区割りの根幹をなす訳です。参議院については、全国知事会が各県最低一人は必要との意見を出しておられますが、私もそうすべきと思います。この場合は、憲法を改正し、参議院の区割りの条件に格差以外の事項が存在する事を明記すべきです。この主張は、憲法改正の必要性の一例ともなり得ます。

 さて、連休前半は、29日(金)に伏木赤十字奉仕団の総会30日(土)は党射水市連大門支部の総会に出席し、5月1日(日)は久方ぶりに日曜の高岡御車山祭で、恒例の勢揃い式に立ち会って前半が無事終わりました。もっとも、熊本・大分では余震が続いており、被災地にお見舞い申し上げます。

 来週から通常国会も残すところ3週間余です。衆議院での案件審議も、来週中が最後のヤマ場で、13日(金)には地震対応の補正予算案が提出される予定です。党政務調査会の活動も会期末で一区切りとなります。既に、来年度の沖縄振興予算についての提言、「レールからの解放」(2020年以降の経済財政構想小委報告)、文化GDP拡大に向けての提言、とそれぞれ取りまとめが終わり、北陸新幹線敦賀以西ルートPTも、国土交通省への調査対象路線の依頼を済ませました。後は、2020年小委で厚生労働行政のあり方についての議論をまとめる予定です。政府・与党全体の動きとしては、来年度予算編成に向けての「骨太の方針」等を、例年より前倒しして5月中に閣議決定する予定であり、私の立場では、これらの提言・報告をできるだけ「骨太の方針」に盛り込むように、党の各種会議で努力する事が務めになります。

 安倍総理のもと、私たちが再び政権を担わせて頂いて3年4カ月、内政・外交面で、持続的な成長、税・社会保障一体改革、オリンピック・パラリンピック招致など確かな成果も挙げてきています。しかし、デフレからの完全な脱却、消費税10%への引き上げの可否、沖縄の基地問題、韓国・中国・ロシア・北朝鮮との外交の展開など、未だ道半ばの課題も数多く残されています。これまでの実績を土台に、緊張感を失わずに残された課題に取り組んでいく決意で夏の参議院選挙に臨むべく、持ち場で努力して行きます。

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国政報告(第327号)

 熊本地震は、震度こそ小さくなってきているものの、余震が引き続き、4万人近い方々が避難をつづけておられる由、政府も激甚災害に指定するなど、状況の変化に応じて対策を進めています。先週末には安倍総理から補正予算編成の指示があり、来月中旬の国会提出に向け、作業が進められます。地震への対応については、26日(火)の衆院総務委員会の一般質疑でも取り上げられ、党総務部会でも、27日(水)に総務省の対応について報告を受けました。消防の皆さんの初期出動に始まり、通信インフラの確保、他自治体からの応援職員の派遣と、東日本大震災の経験も活かして必要な措置が取られており、今後は地方税財政面での支援を検討して行かなければなりません。

 通常国会は、既にTPP協定・関連法案を継続審議扱いとしており、残る会期は熊本地震への対応を中心に、案件処理を進める事になります。今後、被災地において雇用や経済面での影響が深刻化するようなら、参議院選挙後の夏の臨時国会での対応も考えなければなりません。また、宇土市庁舎を始め6つの自治体で、庁舎が被災して役場機能の移転を余儀なくされており、今後は学校に続き、自治体庁舎の耐震化を急ぐ必要があると思います。

 週末の地元では、23日(土)、高岡の射水神社と二上射水神社の春季祭礼に参列しました。後者のご神体である国の重要文化財、「男神坐像」が、文化庁から、今夏イタリアのローマで開かれる仏像展への出品を要請され、文化財としての評価の高まりに氏子の皆さんも大いに盛り上がっての祭事となりました。二上社では高岡御車山祭の原型と言われる県の無形民俗文化財、「築山行事」が恒例行事となっており、今年も厳かに催行されました。夜は党大島支部の総会、24日(日)は富山市で、3月の党大会で表彰を受けられた皆さんを囲む夕食会に出席しました。深夜には、北海道5区の補欠選挙の結果が判明し、応援していた和田義明氏が1万2千票差で当選を果たし、参院選に向けて幸先の良いスタートが切れました。

 25日(月)は、同期の伊東良孝議員の後援会の皆さん約百名が北海道東部から北陸・東京と旅行の途上、高岡大仏でお出迎えの後、午後、党財政再建特命委員会に合わせて上京しました。過日「2020年経済財政構想小委」で総論として取りまとめた内容を報告させて頂きました。先輩議員の皆さんから小委の活動への労いと合わせて貴重なコメントを頂き、27日(水)の小委にて披露しました。小委の活動は各論に入り、まずは社会保障・雇用分野の行政を担当する厚生労働省が、業務が多岐にわたり、制度改革の速度が鈍っているのでは、との問題意識で「厚生労働行政のあり方」をテーマに議論しています。今後は、「レールからの解放」に記した、2020年以降の「国のかたち」に即した制度改正の方向性について議論を詰め、秋の提言に向け、積み上げて行く予定です。

 また、27日には敦賀以西の新幹線ルート検討PTの15回目も開催され、小浜ルート、米原ルート、舞鶴ルートの3案について、国土交通省鉄道局に具体の調査を依頼しました。このように、政務調査会の各パートの活動もそろそろ取りまとめの時期となり、会期末まであと1カ月、新緑とつつじの花に囲まれて仕事を続けます。

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国政報告(第326号)

 先週の報告を仕上げた後、14日(木)に始まった熊本地震は、16日(土)未明の本震で被害が大きくなり、多数の死傷、避難の方々が出ておられます。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方々にお見舞いを申し上げます。余震がなかなか収まらない中ですが、被災者救出、インフラの復旧、支援物資の配送など、対策は一歩ずつ進んでおり、現地の皆様のご苦労が少しでも早く、軽減されるように念じています。党でも連日、事態の推移と対応の報告がなされており、総務省でも被災自治体への普通交付税の繰り上げ交付を決定するなど、対応を強化しています。

 富山での週末は、16日(土)に大伴家持卿顕彰会の春の献花祭を主催し、夕刻には自民党南砺市上平支部の総会に出席しました。17日(日)は、第三選挙区支部総務会に先立ち、山東昭子前参議院副議長に来県頂いて講演をお願いする日でした。思いもよらぬ春の大風で、北陸自動車道が通行止め、北陸新幹線も架線に飛来物がかかって運転見合わせとなる中、山東議員を乗せた飛行機は富山空港上空から滑走路への着陸を試みましたが果たせず、東京に引き返すことになりました。講演会は、短く歓迎の挨拶をするはずの野上堂故が、お詫び方々各15分間のミニ国政報告をすることで、出席者にお許しを頂きました。

 17日の夕刻に上京し、高岡市博労地区の皆さんと懇談、18日(月)は新宿区市ヶ谷にある防衛省の見学に同行しました。昭和45年に作家の三島由紀夫が立てこもり事件を起こした建物も保存されており、当時の刀の傷なども紹介頂きました。見学ツアーは、ウィークデーの午前・午後の2回で、個人でもOKです。

 今週の国会は、TPP関連案件が衆議院で継続審議扱いとなり、他の案件の処理が進みました。21日の本会議ではいっきょに10件の法律・条約案を可決し参議院へ送付できました。所属する総務委員会では、国の行政機関の持つ個人情報を加工して匿名性を帯びたデータを申込者に提供する手続きを定める法律を審議し、21日(木)に採決に漕ぎ着け、内閣提出案件の処理を終えました。後半国会の焦点だったTPP案件が先送りとなった以上、その他の内閣提出案件を一件でも多く成立させる事が与党側の目標となります。

 また、衆議院の定数是正問題は、22日(金)の本会議で与野党がそれぞれ提出した公職選挙法改正案が審議入りし、今国会中の成立を目指します。いずれも、議長の下に置かれた第三者委員会で慎重に議論、まとめられた考え方に沿い、国勢調査の人口をもとに、「アダムズ方式」で議員定数を算出するもので、平成32年の国勢調査以降は同じ結果となるものです。当面の定数の考え方に違いはあるものの、究極は同じ結果となり、最高裁の判断に沿って今後問題の生じない解決ができそうです。

 会期も残す所約40日間、景気対策・補正予算の有無、来春の消費税増税の取り扱いなど経済・財政政策の基本的方針が問われており、24日(日)の衆院補欠選挙の結果も気になる所ですが、持ち場の会議をしっかり回しながら大きな流を見詰めていきます。

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国政報告(第325号)

 季節は桜から新緑へと進む中、週末の9日(土)は高岡で5回目となった千保川さくらクルーズの出発式に顔を出しました。高岡の町中を流れ、歴史を刻んできた千保川を大切にしようと、環境美化や歴史探訪など多彩な活動を続けている有志の皆さんが、桜の季節に川に一層親しんでもらおうと始められた粋なイベントもはや5回を数えました。満開の桜に良いお天気で最高の状態でした。

 また、9日は城端支部10日(日)は平支部と、党組織の総会があり、挨拶・国政報告をさせて頂きました。平地区では、近年子どもの数が増えており、保育所の定員30名に対し、今春の入所が42名だそうです。上平地区と統合した小学校・中学校の入学者も増え、相倉の世界遺産の合掌集落は外国人観光客で賑わうなど、東海北陸自動車道五箇山ICで県内各地と確実に結ばれた効果も含め、「地方創生」のモデルになりそうな元気な状況です。県立高校の中でも、寮生活や民舞の部活など特色ある教育がなされる平高校の地区への寄与も忘れてはならないと思います。南砺市の五箇山から、新たな地方活性化の息吹が広がることを期待しています。

 10日の夕刻は、恒例の慶友会の総会に川村会長ほか多数のご出席、ありがとうございました。皆様からの励ましを胸に上京し、11日(月)は早朝から公示前日の北海道5区の補欠選挙の応援に飛行機で出かけました。選挙情勢が厳しいと言われており、何とか勝利を納められないかと念じています。

 一方、国会は先週末からTPP特別委員会の審議が中断、不正常となりましたが、20日(水)に久しぶりに党首討論を持つ事で与野党が折り合い、14日(木)の衆院本会議から各委員会の審議が再開されました。私が所属する総務委員会でも、今国会最後の法案となる行政機関個人情報保護法党改正案が審議入りしました。会期はあと一カ月半、可能な限り、内閣提出案件の審議・成立を図って行きたいです。

 さて、今週特筆すべき報告事項は、13日(水)に「2020年以降の経済財政構想小委」の総論の議論を終え、次世代の皆さんへのメッセージを「レールからの解放」と題した2枚ものにまとめ、小泉事務局長と一緒に記者発表したことです。当面、少子高齢化の進行で人口減少が避けられない日本ですが、技術革新と健康寿命の延伸で、「人生100歳時代」へと移りゆく中、22世紀まで生きるであろう若い世代の皆さんには、いわば日本の第二創業期に希望を持って進んでもらいたい。そんな次世代を応援する政治・社会でありたい。そんな思いをベースに、「何歳で就職・何歳で定年」という「レール」のような決まったコースだけではなく、出産・育児・介護といった人生の重大事を含め、多様な人生を歩め、長生きがリスクとならぬ生き方を可能にする社会を目指すことを宣言しています。こんな基本的な考え方、見方を出発点に、2020年以降の教育、雇用、社会保障などの在り方を、来週以降は「各論」として議論して行きます。

 14日には、陸上自衛隊富山駐屯地協力会の上田会長ほか皆さんが上京され、駐屯地拡張事業の予算化の御礼に関係先を回られました。地域課題の解決にも、引き続き取り組んで行きます。

 本稿執筆後、九州地方地震の報に接しました。お亡くなりになられた方々に対して、ご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様に、お悔やみを申し上げます。そしてまた、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

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国政報告(第324号)

 東京も富山も桜は満開、今日7日(木)は春雨の降る中、総務委員会で今国会初めての質問に立ちました。情報通信研究機構(NICT)法の一部改正案に対する質疑30分で、冒頭は、恒例の万葉集で始めました。巻八の1440番、「春雨の しくしくふるに 高円の 山の桜は いかにかあるらむ」を朗じた後、総務大臣政務官時代に取り組んだ情報通信技術(ICT)の社会の各分野での活用のその後の展開を確認させてもらいました。病院の電子カルテ、学校の電子黒板やタブレット、交通のICカードなど、様々な物がインターネットにつながる、IoT(インターネット・オブ・シングス)時代を迎え、総務省の更なる努力にエールを送りました。

 ところで、春は寒暖の激しい時期でもあり、週明けから風邪をひいてしまい、この質問も鼻声で聞き苦しいものとなったこと、当然とはいえ、自己の健康管理の甘さを反省しています。70キロ台に乗ってやや増え気味の体重と併せて、気を引き締めなければ。

 先週末の2日(土)は、野上議員の参議院選挙が近づく折、党県連の支部長・幹事長会議があり、選対組織の打ち合わせをしました。福野支部の総会で挨拶の後、上京し、翌3日(日)は「沖縄の基地負担軽減を考える議員有志の会」の、山本一太代表ほか、議員の皆さんと沖縄本島へ出向きました。基地所在地である沖縄市、宜野湾市、浦添市の市長さん達、また、沖縄市長会の古謝会長(南城市長)、具志さん(豊見城市長)から実情を聴きました。西普天間地区が昨年春に返還されるなど、一歩づつではあれ米軍基地の返還が前進する一方、普天間飛行場の一日も早い返還が求められる事、また、将来にわたって存続する嘉手納飛行場周辺の対策など、切実な要望を受けました。また、普天間飛行場から山口県岩国飛行場へのKC130空中給油機の移駐で騒音減少の効果が挙がっている事、オスプレイ訓練の他県移行に期待するとのお話もありました。その後、党沖縄県連にて若手地方議員の皆さんとの懇談があり、改めて基地負担軽減の必要性を認識した次第です。

 沖縄から富山へ、そして4日(月)に理容組合高岡支部総会で挨拶させて頂いて上京した後は、5日(火)、総務委員会の後、本会議でTPP協定と関連法案が審議入りしました。政務調査会関係では、5日に文化GDPプロジェクトチームの2回目の会合を持ち、富山でお世話になった伊東順二東京藝術大学特任教授に文化を活かした地域イベント(金屋楽市等)や富山ガラス美術館での経験を下に、文化で地域を元気にし、経済的に活かして行く必要性をお話し頂きました。6日(水)の2020年以降の経済財政構想小委は、いよいよ「次世代へのメッセージ」の原案を皆さんに示し、今回も活発な意見交換ができました。いよいよ13日(水)には取りまとめの予定です。7日は沖縄振興調査会で、今年度の政府の骨太方針に沖縄の振興策をどのように記述するか、事業の進捗状況を踏まえて意見交換しました。5月下旬の伊勢志摩サミットに向け、今年は来年度の施策の準備が一カ月早まっており、いよいよ忙しくなりそうです。

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国政報告(第323号)

 いよいよ四月、国会前庭の桜も咲き始め、富山も間もなく春本番ですね。先週末も26日(土)が県立保育専門学院の閉院式27日(日)が能越自動車道氷見南インターチェンジの開通式と行事が続きました。保育専門学院は60年の歴史の間に保育士を3千余名社会に送り出し、富山県の子育て環境の充実に大きな役割を果たしました。来春開校の富山県高岡看護専門学校にバトンを渡す形ですが、関係者の方々には深い想いがあるものと察します。また、跡地が有効に活用されるように願っています。

 氷見南インターの完成で、先週の国道8号坂東立交の完成と併せ、県西部の高速交通体系は一段と便利になりました。氷見市内では4つ目のインターとなります。更に年度末に向けて、28日(月)に東海北陸道四車線化の検討会、29日(火)には5年ぶりとなる利賀ダムの検証検討会が相次いで開催され、それぞれ事業化に向けて前進が期待される情勢です。東海北陸道は、事故・渋滞防止の観点から、追い越し等の付加車線の整備から始められないか、一段の検討が求められ、利賀ダムは、検証のための代替治水対策について、公開意見募集に入る事で、一歩階段を上りました。それぞれ、県・市の皆さんとともに、野上・堂故両参議院議員と協力して実現を目指して行きます。

 これに先立ち、25日(金)夕刻には富山大学芸術文化学部の開設十周年記念懇談会26日夕刻には、JCHO(独法地域医療機能推進機構)高岡ふしき病院を支援する会が開かれ、それぞれ武山学部長、加藤院長から地域の拠点機関として頑張っておられる現状を伺いました。芸術文化学部は有為な若者の養成の場として、高岡ふしき病院は病児保育を含め住民の安心の拠点として、前途に大いに期待しています。また、ともに国の機関であることから、私自身も関心を持ち、中央省庁との関係で役割を果たして行こうと思います。

 さて、通常国会ですが、年度末の大詰めを迎えた参議院の審議が順調に進み、29日に新年度予算が成立、31日(木)には税制改正やNHK予算など、年度内に仕上げるべき案件を無事終えました。残る2カ月の会期の焦点は、TPP協定の批准と関係法律の制定で、4月5日(火)の衆院本会議で審議入りの予定です。また、日々報道されているように、来年4月に予定されている消費税の10%への引き上げの扱いを巡り、取り止めるなら衆議院解散との観測が永田町界隈でもしきりに流されています。安倍総理の最近の発言は、「解散は頭の片隅にも無く」、「消費税引上げ中止はリーマンショック級の重大事が起きない限りあり得ない」との事。私とすれば、このコメントを言葉通りに受け止め、政治を停滞させずに前へ進んでもらいたいと考えています。総務部会長として参議院選挙の公約を取りまとめ、2020年以降の経済財政構想小委の「次世代へのメッセージ」づくり、文化GDP検討PTの第2回会合など、目前の予定をしっかりこなして行きます。

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