国政報告

国政報告(第352号)

 議員会館前の通りの銀杏も少しづつ色付き、朝晩の冷え込みにも急に秋の深まりを感じる中、臨時国会でも案件の処理が進み始めています。通常国会から継続審査となっていた外国人技能実習生の制度変更の法案が25日(火)の本会議で参議院に送られ、参議院側でもパリ協定の審議が進んでいます。TPP協定については、与野党間で審議の進め方を巡り対立もありましたが、北海道と宮崎県での地方公聴会を終え、大詰めに近づいています。

 私については、先週末の21日(金)、22日(土)と地元にて知事選、県議補選の応援に入りました。22日の午後は、「慢性の痛みに関するシンポジウム」に出席し、議連の事務局長の立場で健康寿命の延伸と効果的な医療提供の観点から、慢性疼痛についての研究促進や国内で相談・治療ができるセンターの整備の必要性を訴えました。幸い、厚生労働省でも施策として取り組んで頂いており、新年度予算にも期待のかかる所です。

 土曜の夜に上京して、23日(日)は宮城県山元町で復興拠点として整備された「つばめの杜」地区のまちびらき式典に副大臣として出席しました。JR常磐線を海側から移設し、新しい山下駅の西側に保育所・小学校・商業施設が集中して立地する市街地を形成したものです。山元町では、海側の被災した集落からの集団移転により3つの拠点を新たに設け、そのうち二つがまちびらきするに至りました。応援職員を派遣していた全国各地の自治体の代表の皆さんも招待され、齋藤町長のご挨拶、小学生・中学生の代表二人による力強い誓いの言葉で元気なスタートが切られました。12月には宮城県の浜吉田駅から福島県の相馬駅まで常磐線が復旧することで、地域再生が前進するものと期待されます。帰途、岩沼市に立ち寄り、菊地市長のご案内にて昨年まちびらきした玉浦西地区を訪問し、生活が落ち着いてきた姿を拝見することができました。

 夕刻、仙台から大宮経由で富山に新幹線で戻り、石井知事の四選酒井立志さんの県議補選初当選をお祝いしました。24日(月)は党文部科学部会高等専門学校PTの坂本哲志座長、八木哲也事務局長に来県頂き、富山高専の本郷キャンパス射水キャンパスを田畑議員、堂故議員と一緒に見学しました。ものづくりの最前線や航海士・機関士として活躍する有為な人材を養成する一方、地域の企業や外国の学校とも幅広い交流・連携に努力されている現場に伺い、高専の重要性を再認識しました。

 25日(火)からは東京で復興庁と議員会館を行き来しながらの毎日に戻り、27日(木)には衆院東日本大震災復興特委にて今村大臣とともに就任挨拶を行い、来週以降には質疑が予定されています。復興を巡る様々なご意見、ご指摘に耳を傾け、仕事を前進させていきたいと思います。

 27日朝、三笠宮崇仁親王殿下が薨去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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国政報告(第351号)

 秋らしい天候が続く中、臨時国会も4週目となり、TPP特別委員会の審議を巡り、予断を許さない展開となっています。先週、応援に行った新潟県知事選挙は相手方候補の勝つところとなり、党活動の在り方について反省しています。富山でも23日(日)の投票日に向け、県知事選と県議補選が終盤であり、気を引き締めて臨まなければ、と思います。

 先週末は15日(土)の在京当番が交代となり、富山にて選挙の個人演説会に弁士として連夜顔を出して17日(月)朝の「かがやき536号」で上京しました。復興庁勤務も3か月目となり、臨時国会前に被災地を訪問して自治体等から頂いた課題の調査もほぼ終わり、回答できるものはお知らせしています。東日本大震災の発災から5年7ヶ月、被災地の努力と内外の支援の積み重ねにより、復興は一歩一歩前進しています。自治体によっては、復興事業を終えた所も出てきており、「復興・創生期間(平成28-32年度)」の位置付けの通り、新たな地域づくりの芽も育ち始めています。もっとも、福島第一原子力発電所事故により避難を余儀なくされた十二市町村では、帰還が可能になった箇所から地域再生に取り組んでおられる現状で、帰還困難区域の取り扱いもこれから具体化させる段階で、強力かつ粘り強い対応が必要と感じています。

 全体として、施設の復旧・復興というハード事業が順次完工を迎えていく中、地域の再生・創生に向け、生活となりわいの回復・創造のための様々なソフト面での取り組みが大切になっていると思います。まずは仮設住宅で生活されている方々が、防災集団移転・区画整理・災害公営住宅などの事業により、「恒久住宅」にスムーズに移動頂けるよう努めることです。さらに、農林水産物を始めとする産品の販路拡大や風評被害の払拭、水産加工業等での人材不足への対応、地域の担い手となる若手人材の育成、役場の応援職員の確保などなりわいを確実なものとしながら、被災地での地方創生、すなわち「新しい東北」の実現につないで行くことです。福島の十二市町村では、さらに日常生活を支えるサービス機能や、教育・医療・介護面の機能を復活させるため、特段の対応が必要です。現地で再開される学校、医院、福祉施設等が円滑に運営され、住民の皆様が安心して帰還頂ける環境を整えていかなければなりません。日々変化する現地の状況を把握し、的確な対応を心がけていきます。

 以上、復興の取り組みに参加させて頂いて思い、感じている所を綴りましたが、これを毎日の取り組みにつなげていかなければなりません。今週は18日(火)に福島県のアンテナショップ、「日本橋ふくしま館・MIDETTE(みでって)」に伺い、多彩な地場産品を紹介し、首都圏での情報発信に取り組んでいるお話しを聴きました。23日(日)には宮城県に出向く予定で、新たな気付きを心がけて行きます。

 国会は、17日(火)の本会議で消費税引き上げ延期法案の趣旨説明・質疑が終わり、TPPと参議院先議となった地球温暖化防止のためのパリ協定を合わせ、重要な3案件の審議が始まっています。来週以降、この3案件の進捗を軸に展開して行く動きをしっかり見て行かなければ、と思います。

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国政報告(第350号)

 蒸し暑さがいつまで続くのやらと思ううち、先週から今週にかけていっきに秋らしくなり、東京も夜は肌寒い位に季節が進んできました。この夏は例年とは異なる進路を取る台風に心配させられ、現に各地で多くの被害を見ましたが、当面は穏やかな日が続いてほしいものです。

 先週6日(木)に知事選の石井知事の出陣式に出た後、新幹線で上京し、7日(金)は復興庁の幹部会議に出て、夕方の新幹線で再度帰省し、8日(土)朝の党県連常任顧問会議に出席しました。ここ一か月を超えて多くの批判を頂いている県議会、富山・高岡市議会の政務活動費の不正・不適切使用問題が主たる議題でした。各議会の責任において、運用の改善を図るほか、問題を指摘された議員については、辞職・離党された方は別として、各支部において厳正に対応するよう求めて行く事で了承されました。

 土曜午後に三たび上京し、県立高岡高校首都圏同窓会総会に本部同窓会長として出席しました。ついで祝日の10日(月)の朝一番のかがやき・つるぎ号にて、新高岡駅に8時40分に到着し、石井知事の県下一円35か所での出陣式について南砺市の利賀井口と3か所同行しました。地方創生が叫ばれる今日、選挙を機会に知事に県内各地を直に回って頂き、選挙民の想いをくみ取ることで、新たな任期の県政に役立ててほしいと思います。

 11日(火)には補正予算案が参議院の予算委員会、本会議で可決・成立しました。早速、公共事業等、県内にも箇所付けの案内があり、国営農地防災庄川左岸地区、国道359号砺波東バイパスなど懸案の事業の進捗を図る事ができました。また、県・市事業に対し、社会資本整備総合交付金の追加配分があり、本予算で手当てし切れず中に浮いた形となっていた事業の促進も図られました。この間を利用し、16日(日)が投票日の新潟県知事選挙の応援で糸魚川、上越、新潟市に入りました。激戦が伝えられますが、前長岡市長で全国市長会長を務められた森民夫候補の必勝を期し、知己の皆さんを訪ね、上越新幹線にて夜の上京となりました。

 12-3(水―木)と、衆参で一日ずつ予算委員会が開かれ、14日(金)からは各委員会での審議がスタートする運びとなりました。懸案のTPP協定に加え、地球温暖化を防止するために各国の協力を約すパリ協定の批准も急がれる状況となり、参議院から審議を始める事で与野党合意されました。復興庁もやがて両院の復興特別委員会にて大臣始め政務三役の所信の挨拶と質疑が行われます。被災地の抱える様々な課題を把握し、解決に努めつつ、各議員の指摘を受けたいと思います。このうち、被災自治体の復興のために全国の自治体から派遣頂いている応援職員につき、後2年間の事業最盛期の継続を要請するべく東京都の西川特別区長会長を訪問したほか、14日には魚津市にて富山県市長会の森会長始め皆様にお願いする予定です。被災地産品の風評被害の払拭など、政務の立場でもできる事に注力、頑張ります。

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国政報告(第349号)

 心配された台風18号は、昨5日(水)に日本海側を猛スピードで抜けて行き、富山も東京も引き続き暑さの残る10月初旬です。今回の台風で暴風や豪雨等の被害に遭われました関係の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 先週末の1日(土)は、母校の富山県立高岡高等学校の創立記念式典に出席の後、南砺市福野で石破前地方創生大臣の講演会に出席しました。平成24年秋の党総裁選で応援させて頂いて以来、派閥には加わっていないものの、「さわらび会」などで折々お世話になっており、今回は閣僚を終えられて初めて、しっかりしたお話しを聴く機会となりました。我が国の当面する人口減少問題、地方の疲弊の問題に向き合い、地方創生に向けた努力をしっかり応援して行く事を柱に、これからの日本の在り方を現場を回りながらじっくりと考え、来るべき機会に備える石破先生の立場が良くわかりました。

 翌2日は、山梨県から宮川典子代議士をお招きし、県第三選挙区支部女性部の講演会を開催しました。羽岡女性部長、堀田幹事長始め約200人の参加にて、宮川先生が教師としての経験を土台に政治に志し、女性議員として様々な壁を乗り越え、元気一杯に活躍されている姿を様々なエピソードを交えてわかりやすくお話し頂き、好評でした。折しも、県内では地方議会の政務活動費の不適切な事案が連日のように明るみになっており、自らも戒めながら、石破先生、宮川先生のように高い志で政治に携わっている姿を紹介できて良かったと思います。

 週明けの東京では補正予算の審議が続き、4日(火)の夕刻、衆議院本会議で可決、5日(水)から舞台を参議院に移しました。与野党協議により、11日(火)には成立のめどが立ち、引き続き野党の要求を容れて、12-3日(水―木)と衆参の予算委員会の集中審議が予定されています。熊本地震からの早期復旧と当面の景気テコ入れを目的とする本補正予算では、大震災被災地の復興事業や福島の除染事業も加速するほか、各地で採択洩れとなっていた補助事業にも手当てがされる事となっており、冬場を前に早期執行が望まれます。一方で、我が国経済の成長を確かなものとし、地方経済を活性化させていく上で、成長戦略の具体的展開や、一億総活躍の一環としての子育て・介護対策、働き方改革の早期の具体化が課題となっています。私の担当する東北の被災地では、生活の場、産業の場の復興をしっかりと目に見える形にして、地域住民の皆さんに「復興・創生」を実感頂く機会を増やしていくことが大切です。

 5日の晩にいったん富山に戻り、台風一過の6日(木)朝は、県知事選初日、石井隆一候補の4選を目指す出陣式に出席しました。北陸新幹線の開業を踏まえ、富山県の発展方向を示し、若い世代の皆さんに夢を指し示す新たな県政のスタートにしてほしいと思います。17日間の選挙戦を通じ、石井知事には県民の信頼を更に強固なものとしながら、「元気とやま」実現に向けた展望を確かなものとされるよう期待し、応援して行きます。

 10月半ばに向けて国会も各委員会の審議がスタートし、TPPやパリ協定の批准案、消費税先送り法案など、懸案処理がヤマ場に入っていきます。復興庁の職務をこなしつつ、展開を注視します。

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国政報告(第348号)

 臨時国会が始まり、9月も末となるも、東京は妙に蒸し暑さが残る毎日です。今年は北日本が台風の被害に見舞われるなど、気候変動を否が応でも実感させられ、災害への新たな備えの必要性を痛感します。北海道・岩手県の台風被害は、激甚災害の指定がなされ、国も復旧を手厚く支援していきます。

 前号の後、22日(木)の秋分の日は朝に富山に戻り、射水市庁舎の竣工式や、高岡市戸出是戸地区での献穀田抜穂祭に出席しました。長井長平さんが丹精込めて育てた稲穂が収穫され、11月23日(水)に宮中で行われる新嘗祭に献上される事となります。23日(金)は福岡のつくりもん祭り、24日(土)は高岡市でクラフトコンペと同時開催の金屋楽市に顔を出し、文化・芸術、実りの秋を実感しつつ上京、第192国会に臨みました。

 初日の26日(月)は、天皇陛下をお迎えしての開会式に続いて安倍総理の所信演説、麻生財務大臣の財政演説を聴きました。6月1日(水)に前通常国会が閉会した後、参院選と短期間の臨時国会を除いて、本格的な演説や質疑は4カ月ぶりとなります。

 安倍総理の演説は、内政・外交の諸問題に適切に目配りし、この3年半の間に為し得た事、引き続き課題となっている事を整理し、一億総活躍、地球儀を俯瞰する外交など、当面の政権運営の方針を簡潔明瞭に示されたと思います。ついで、27-29日(火―木)と衆参両院で与野党からの代表質問があり、第2次補正予算案が審議入りとなりました。今国会は、景気を持続させようとする補正予算案の審議に始まり、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の批准、消費税10%増税の平成31年10月への先送り法案と重要案件が続き、人事院勧告を実施するための給与法改正案、外国人労働者の受入れ条件を緩和する法案など、従前からの継続案件も含め、重要案件が目白押しです。11月30日(水)まで、66日間の会期中にしっかりと成立を期す上で、国会対策委員会を中心に、情報収集と適切な対応が欠かせません。

 この間、日本銀行は20-21日(火―水)に金融政策決定会合を持ち、名目物価上昇率の目標(年率2%)達成の時期に幅を持たせるとともに、「異次元の金融緩和」の主力が国債購入「量」から長期「金利」へとシフトされました。人口減少下の我が国においては、モノへの新たな需要が生まれにくく、成長率引き上げのためには、まさに「アベノミクス」3本の矢のうち、政府における成長戦略の着実な前進が望まれます。

 一方、富山県では、政務活動費の不正受領による議員辞職が週明け後も止まらず、逝去、鞍替えを合わせ、県議会議員4人、富山市議会議員12人の補欠選挙がおこなわれる事となり、代表質問でも取り上げられました。法の趣旨通り、議長において議会事務局も含め、各会派と意思を通じ、再発防止の具体策を早急にとりまとめて頂きたいと思います。

 今週、復興庁では、これまでの東北出張で首長さん達から要望のあった事柄について、現況・今後の対応について逐次レクを受けています。29日(木)は新宿で「福島・宮城・岩手復興マルシェ」、30日(金)は有楽町で「いわて・三陸けせん希望ストリート」と、被災地産品の紹介・販売の催しに参加しました。様々な面から、復興を後押しして行きます。

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国政報告(第347号)

 秋分の休日を前に、少々早いのですが、臨時国会を前にして、最近の出来事を含め、一度報告します。

 先週末は、18日(日)に石井知事の知事選に向けた事務所開きに出席した後、登坂絵莉さんの高岡市での祝賀会でお祝いを述べました。次いで、台風16号の影響を心配しながら19日(月)夜に上京し、20日(火)は福島県に日帰り出張しました。これで東北は副大臣就任以後7度目となりました。

 今回は役場が避難中の3町の訪問で、会津若松市で大熊町、二本松市で浪江町、いわき市で双葉町に伺い、最後にいわき市を訪ねて帰京しました。3町は町域に帰還困難区域が占める割合が高く、特に双葉町、大熊町はそれぞれ96%、62%に達します。会津では大熊町の皆さんが入居されている仮設住宅を訪ね、一日も早い除染、帰還を求める切実な想いを聴きました。8月末に出された帰還困難区域内に復興拠点を整備していく政府方針が示されており、来年度からは一歩を踏み出しますが、全ての住民の皆さんが帰還できるようになるまで、国が長期的に責任を持って取り組む決意である事も首長さん皆さんにお伝えしています。その上で、個々の具体的な課題、要望をしっかり受け止め、対処して行かなければと思います。

 一方、富山県では、県議会、富山市議会、高岡市議会で政務活動費の不適切な使用が問題となり、県議は2名が辞職、富山市では現職議員が9名辞職、補欠選挙の事態となっています。政務活動費はあくまでその目的に合致した議員の活動を実費弁償するものであり、使い切るとか目的外に流用することは許されません。また、会派に前渡しされていても、公金である事に変わりは無く、当然に厳正な出納が求められます。同じ党に所属する同志の議員の問題で県民のみならず多くの県外の皆様の批判を受けている事は申し訳なく、お詫び致します。併せて、「政治と金」の問題について、私自身、襟を正して臨んでいきます。

 9月26日(月)には第192国会(臨時会)が召集されます。経済のテコ入れを目指す第2次補正予算案、消費税の税率10%への引き上げを平成31年10月まで2年半先送りする関係の法案、TPPの批准と関係法案など重要案件を抱え、11月30日(水)まで66日間の会期で審議が進められます。私も3年ぶりに政府側で答弁に立つ事になります。被災地の現状を踏まえ、刻々と変わっていく課題に適切に対応し、復興を加速化する施策の推進に、復興特別委員会の審議を活かしていきます。

 この間、G20、ASEAN首脳会議など、安倍総理にはまさに地球儀を俯瞰する外交を積極的に展開され、二国間関係においても様々な前進が見られます。内政・外交ともに、「日本を取り戻す」との初心に立って、実りの秋とするべく、持ち場で頑張ります。

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国政報告(第346号)

 前号をまとめた後、福島県に出張し、更に今週は今村復興大臣に同行して宮城・岩手県に出張しました。被災地が置かれている様々な現状と、多様な課題に接し、復興の前進につなげる努力を粘り強く続けなければという思いです。

 8日(木)の朝、東京からの新幹線を郡山で降り、初日は楢葉町葛尾村田村市川内村、翌9日(金)は福島復興局で挨拶の後、飯館村川俣町富岡町広野町と、福島第一原発の事故で避難を余儀なくされた12自治体のうち8町村を訪問しました。川俣町を除く各自治体で首長さんの都合がつき、現状や要望を伺う事ができました。避難区域の見直しが順次行われ、富岡町を除いて元の役場で業務が進められており、郡山市に残る富岡町でも、来春の帰還に向けて準備が進められています。それぞれ、地震・津波・原発事故の三重苦に見舞われながら、避難先からの帰還から復興への困難な道のりを一歩づつ進んでおられます。首長さん方の言うに尽くせぬご苦労に頭の下がる思いで、お話しを聴かせて頂きました。

 避難によって、一度マチとしての機能が全て失われた後、除染等により放射線量の低下を確認した上でもう一度これらの機能を復活させなければいけない点で、他の被災地とは異なる課題を抱えています。教育、医療、福祉の機能はもとより、生活に必要な品物を手に入れる商業機能も欠かせません。学校、診療所、スーパー・コンビニの再建は、その仕事を営む方々の確保が必要な点で、ハード(容れ物)のみならずソフト面の施策が重要です。出張中に地域の二次救急の拠点を富岡町に再整備する方針を福島県が示されましたが、そのような取り組みを積み重ね、一人でも多くの住民の方々の帰還を可能にするよう、住まいと生業(なりわい)を整備しなければなりません。除染、家屋解体作業、廃棄物の中間貯蔵施設への搬入等、環境整備事業の加速化、教員の加配など魅力ある学校づくりや基幹商業施設建設への支援を求める要望がありました。東京に持ち帰り、復興事業で取り組むべき内容を整理する事にしています。

 10日(土)の午前は在京当番をこなし、地元では、11日(日)に高岡地区の後援会総会・国政報告会で、復興庁での一か月の経験を皆さんに聴いて頂きました。12日(月)には田知本遥さん、登坂絵莉さんのリオデジャネイロ・オリンピックでの金メダル獲得を讃える県民栄誉賞授与式が富山市で開催され、出席してお祝いを申し述べました。

 13日(火)からは、2泊3日の行程で今村大臣に同行、宮城県の亘理町山元町塩竈市女川町南三陸町気仙沼市、岩手県の釜石市大槌町山田町宮古市と、10市町を訪問しました。宮城県の自治体は2度目となり、区画整理事業、仮設住宅、食品加工場、農場など、具体的な復興の取り組みを直に観る事ができました。復興拠点を中心に、住宅が建ち始め、商店も恒久施設に移るなど、前進が実感できる地域もあれば、上物の建設はこれからで、もう一歩階段を登らなければ先がはっきり見えないという地域もありました。人手不足や販路拡大への支援を求める声も事業者の皆様から頂きました。住まいが変わっていく中でのコミュニティの維持・形成、台風10号による災害からの早期復旧を求める要望もありました。今村大臣からは、一人でも多くの方がふるさとに戻り、地域が賑わいを取り戻すように復興庁も頑張りたいとのお話しでした。私もその想いで進んで行きます。

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国政報告(第345号)

 先週の台風10号に続き、今週は12号、13号と心配しながら予定をこなしています。岩手県では、久慈市、岩泉町で依然として孤立集落が残っており、住民の皆さんの安全を確保するべく関係機関が努力されています。皆様にお見舞いを申し上げながら、この一週間の報告を綴ります。

 まずは前号の後、1日(木)の午後から今村大臣、長沢副大臣、高木経済産業副大臣、伊藤環境副大臣に同行して福島県へ向かいました。まず、県庁で内堀知事に前日政府が決定した「帰還困難区域の取扱いに関する考え方」をお伝えしました。事前に与党が関係自治体のご意見をしっかりと聴き、丁寧にまとめた提言に沿った方針でもあり、知事からもこれを受け止めた上、帰還困難区域の全ての地域の復興・再生に最後まで責任を持って取り組んでほしい旨、要望されました。次いで、福島復興局で「福島復興再生総局幹部会合」(現地の福島復興局、原子力災害現地対策本部、福島環境再生事務所の合同会議)に出席し、政府方針を踏まえ、緊密に連携・協力して取り組むよう、今村大臣から指示を受けました。

 夕刻、皆さんと別れて岩手県に入り、翌2日(金)、岩手復興局県庁を訪問しました。達増知事に面談し、台風10号の被害についてお見舞い申し上げながら、東日本大震災からの復興をしっかりと進めて行く旨、申し述べました。知事からは、10月1日(土)から本大会が予定される国民体育大会・全国障害者スポーツ大会を、「復興のシンボル」と位置付け、頑張っていくので、現下の災害復旧を含め、復興事業の完遂に向け、要望頂きました。これで、岩手・宮城・福島3県の県庁訪問を終え、8日(木)からは、原子力災害により避難指示を受けた福島県12市町村を順次訪問して行きます。

 3日(土)は埼玉県秩父市にて高橋信一郎・全国山鉾屋台保存連合会専務理事の旭日小綬章受賞祝賀会に出席し、4日(日)の朝、新幹線で富山に戻って、裏千家淡交会高岡青年部の50周年記念行事に参加しました。宗家からお家元のお子さんの敬史さん、万紀子さんに出席頂き、若やいだ雰囲気の中、茶道を通じて自己研さん・交流を目指す青年部の次の半世紀への門出を祝う催しとなりました。

 5日(月)朝、かがやき536号で上京、地元では3日に「一斉乗車の日」を実施しており、私も定期停車を願いながら乗りました。週明けの副大臣室に党県連幹部の皆さんの訪問・激励を頂き、就任2か月目に入りました。今週は、総務省自治行政局、同公務員部、全国知事会、全国市長会、全国町村会を訪問し、ご挨拶を兼ねて被災地自治体への職員派遣を引き続き後押し頂くようお願いしました。発災後6年目に入り、派遣元自治体でも継続が困難になったり、意識が希薄になるなどしている上、熊本地震に係る派遣も発生するなど、被災地の需要を満たし切れない現状にあります。岩手・宮城の多くの自治体ではあと2年が事業のヤマ場であり、もうひと頑張りの支援をお願いした所です。

 8日からは2度目の福島県訪問です。現地に出向き、実情に接し、被災自治体の視点に立って、国が必要な施策を進めていく事に資するよう、自らの使命を果たすべく努力を続けます。

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国政報告(第344号)

 今週は台風10号が史上初めて東北地方の太平洋側に上陸し、岩手県、北海道などで河川の氾濫など大きな被害を出しました。先週に引き続いての被災となった北日本の皆様にお見舞いを申し上げます。また、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り致します。この間を縫って、宮城県地域に3度目の訪問をさせて頂き、また、9月1日(木)から福島県庁、岩手県庁とお伺いするため、通常より一日早い報告と致します。

 週末の富山では、26日(金)に南砺市利賀でSCOTサマー・シーズン初日の演劇を観、27日(土)は南砺市・砺波市で行われた県の総合防災訓練で挨拶しました。また、瘧師県議、射水市の竹内市議南砺市の山本市議の後援会の集まりに参加し、瘧師県議の女性部の集いではこの7年間の国政での経験を、同期4人の歩みを軸にお話しする機会を頂きました。29日(月)の朝、党県連常任顧問会議で10月の県知事選の進め方を打ち合わせ、台風10号の動きを心配しながらの上京となりました。

 夕刻に東京から仙台へと新幹線で移動し、翌30日(火)は台風が東北地方に接近し、雨脚が強まる中、宮城県沿岸部の7市町を訪問、各首長の皆さんにお会いしました(櫻井松島町長佐藤塩竈市長寺澤七ヶ浜町長鈴木利府町長齋藤山元町長齋藤亘理町長菊地岩沼市長の順)。皆さんそれぞれに台風に備えて警備体制を取っておられ、事前に応接の可否を確認しながらの行程でした。幸い、台風の進路の西側となり、風が強まらず、雨も途中までは小降りだったため、最後の岩沼市まで進む事ができました。当面する課題も、玄関口となる駅の整備、区画整理事業の促進、2020年オリンピック・パラリンピックの競技誘致、応援職員の増強、復興交付金の使途拡大、市街化調整区域の線引き見直しなど個々に異なっていましたが、一様に、住民が恒久住宅に移りつつあり、産業復興が一歩ずつ進んでいて、自らのマチの将来ビジョンを描く意欲をお持ちでした。とりわけ、12月に予定される常磐線の浜吉田駅以南の再開が、南部地域の復興を前進させるものと期待するところです。

 予定を1時間早めて仙台を新幹線で離れた後、台風は岩手県大船渡市付近に上陸し、三陸地域に大量の降雨をもたらしながら日本海へと抜けました。31日(水)は、東日本大震災発災から2000日の節目の日でしたが、岩手県での被害の知らせで一日が始まりました。午後一番、経済産業大臣室で、与党の復興に対する第6次提言を受けた政府方針案を三大臣四副大臣会合(経産・環境・復興)で検討・了承し、復興庁幹部会議での報告の後、夕刻、官邸にて復興推進会議・原子力災害対策本部会議合同会合が開催され、正式決定の運びとなりました。新たな方針では、福島第一原発の事故により帰還困難区域に指定されている福島県浜通りの7市町村の区域について、その中に復興拠点を設け、除染等により住民の帰還を可能にする手順を明確にしました。また、政府は帰還困難区域の解消する決意の下、最後まで責任を持って取り組んで行く旨、宣言する内容となっています。

 明1日、福島県内堀知事にこの方針を伝達するため、今村大臣に随行し、再度東北に向かいます。発災から2000日を超え、復興から創生へと新たな段階での力強い前進を実現すべく、これからも努力して行きます。

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国政報告(第343号)

 今週は台風9号が関東に上陸、東北を経て北海道に大きな被害をもたらした中、ウィーク・デーはフルに復興庁の仕事で過ごしました。北海道では河川の氾濫、道路の崩落など相次いでおり、関係の方々にお見舞い申し上げます。また、週明けには台風10号の接近が予想され、注意しながら職務に当たります。

 先週末、富山では20日(土)に党県連主催の政治大学校で我が国の財政と税制について講義しました。アメリカ合衆国独立の際の「代表無ければ課税無し」との標語の通り、国民・住民に国・自治体がどのような負担をかけるかは、政治の大きなテーマです。また、税で得たお金をどう使うかという財政は、税制と裏表の関係にあります。こんな基本認識から始めて、2020年財政構想小委での議論の成果を披露する機会を頂きました。夕刻は、砺波市議会の今藤議長さんの就任祝賀会21日(日)は小矢部市石動東部地区の夏祭りにて、小矢部川河畔に建つ恵比須様に大震災からの復興を含め、祈ってきました。砺波市が名取市に、小矢部市が東松島市を応援してきた経緯を両市長から伺い、今後もよろしくお願いしました。

 日曜夜に新幹線で上京、22日(月)朝は、台風9号の下、南砺市太美山地区の皆さんの激励訪問を受け、午後には党東日本大震災復興加速化本部総会で与党の第6次提言の審議がありました。23日(火)夜に2度目の出張で仙台に入り、翌24日(水)は名取市(山田市長)多賀城市(菊地市長)仙台市(奥山市長)の3市を訪問しました。名取市では、被害の大きかった閖上(ゆりあげ)地区の現状を拝見し、盛土による宅地造成、移転元地での水産加工団地の建設、関連する県道の付け替えなど復興事業が入り組む中、宮城復興局が核となって、市当局始め関係者の調整に努めていく事が重要であると痛感しました。多賀城市は、奈良時代に国府が置かれ、大伴家持が最期を迎えた地である事から、菊地市長とは私が高岡市長の時から交流させて頂いていて、被災された5年前にもお見舞いに伺っていました。復興が着実に進んでおり、復興拠点事業として整備された企業団地ではかまぼこ製造など、操業がスタートしていました。仙台市では、伊藤副市長が私の北海道開発庁勤務時からの知己であり、藤本副市長も魚津市ご出身という縁がありました。沿岸部で大きな被害に見舞われたものの、百万人都市としての活力も活かされ、復興を進めて今では周辺の市町に応援職員を派遣されるまで前進、貢献頂いています。このような被災地それぞれの実情を肌で感じながら、施策の推進に当たって行こうと思います。

 24日の夕刻、帰京後に官邸で安倍総理、世耕経済産業大臣、山本環境大臣とご一緒に、与党の額賀・井上両本部長から第6次提言を頂戴しました。原発事故への取り組み、帰還困難区域の取り扱いなど、復興を成し遂げて行く上での残された重要課題について、力強く後押し頂いた内容であり、これを踏まえて政府としての方針を早急に取りまとめ、与党と一体となって取り組んで行く旨、総理からお話があり、指示を受けました。

 25日(木)朝には今週2度目の党復興加速化本部総会があり、前日の官邸申し入れの報告と併せ、新年度予算概算要求について、復興庁から説明、審議頂きました。第6次提言の内容も、年末の予算編成に向け、逐次盛り込んで行くこととしています。

 地元関係では、22日に国土交通省富山県人会の総会・懇親会に元北海道開発庁職員として初参加しました。また、25日には、懸案だった東海北陸自動車道の県内付加車線の工事箇所が発表され、利賀ダムも国土交通省での検証作業を終え、事業継続に決した旨の発表がありました。また、高岡市議会自民同志会の皆さんが上京され、26日(金)朝に激励訪問頂きました。このように、被災地と東京と富山を行き来しながら、それぞれに当面する課題の解決・前進に腰を落ち着けて取り組んでいきます。

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