国政報告

国政報告(第196号)

 残暑お見舞い申し上げます。高知県四万十市で連日40度を超える猛暑となる一方、山陰や東北では、「かつて経験したことのない大雨」で土砂崩れ等の被害が発生しました。関係の方々にはお見舞い申し上げます。在京当番で過ごした旧盆、15日(木)に武道館で催された戦没者追悼式典に初めて参列させて頂いたほか、出歩ける23区の範囲内で東京の下町の風情など楽しみました。

 いったん富山に戻り、21日(水)に再び上京、総務省でも概算要求はもとより、この秋に取り組む課題の打ち合わせを始めています。22日(木)は午前にNTT武蔵野研究開発センター、午後に三鷹市のICT街づくり推進事業と二か所を見学してきました。NTTでは、従来の電話に係る分野から広く情報通信全般、さらにはそれを受け取る人間の脳や神経の作用に至るまで、幅広く研究開発が進められています。自社のサービス向上に役立てられているのみならず、他業種と連携した製品開発も進められていて、研究員の皆さんから意欲的な説明を受けました。三鷹市では、清原慶子市長が率先され、災害時の帰宅困難者や要援護者対策を念頭に置いて平時からICTを生かしたネットワーク構築を進めています。JR三鷹駅周辺のWiFiエリア整備や、要援護者とサポーターとなるNPOの皆さんを操作しやすい端末でネットワークする取り組みなど、「人と人のつながり」を基盤に置いてICT街づくりを進める姿勢に感銘を受けました。このような一つ一つの取り組みが、総務省の掲げる「ICT成長戦略」の実現につながるものと思います。

 一方総務省内では、戦略の重要な柱である「電子政府」をいかに実現していくかという問題意識で、7月から職員の皆さんと勉強会を開催しています。国民や企業・団体の皆さんが、国や自治体の様々な手続きをよりスムーズに行えるよう、また、官側では業務を効率化し、かかるコストを少なくできるよう、ICTを活用したシステムづくりを進めようという取り組みです。ワン・ストップ、ペーパー・レスなど様々な効果が期待できる半面、何から手を付ければ良いのか、また、民側にメリットの大きい取り組みは何か、など具体的な進め方は必ずしも明確になっていない状況です。そこで、現に先行的に稼働しているいくつかの事例を対象に、参考とすべき事、解決すべき課題を明らかにしようと取り組んでいます。

 例えば、年一回の確定申告では、国税庁のシステム、「イー・タックス」を利用し、半数近くの方が電子申告されています。国(税務署)と自治体では、所得等の電子化されたデータを受け渡しし、再度打ち込む作業を省いています。さらに、自治体側も「エル・タックス」というシステムを構築し、企業の給与支払い台帳や償却資産台帳の提出の電子化を進めています。ここから先は、企業の人事・経理担当者の方にもデータの電子化に協力頂かなくてはならず、さらには企業向けソフトウェアのアウトプット項目に組み入れてもらう事も必要です。そうなってくると、企業側では、社会保険や労働保険も含めて手続きの電子化を望まれる事になるでしょう。このようにして、税・保険料の申告・賦課・納付の電子化を官民が協力して進め、お互いにメリットを享受していくことが大切だと感じています。経済・社会の様々な側面で、ICTを活用する、そんな思いで職務に当たって行こうと思っています。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第195号)

 3日(土)に北陸地方がようやく梅雨明けしたとのこと、今年の夏はからっと晴れる日が少なく、東京も湿度の高い日が多い状態です。6日(火)などは朝8時に夕立ちのような強い雨と雷があり、宿舎から会館に行く時間を遅らせたりしました。そんな中、臨時国会(第184国会)は2日(金)から7日(水)までの会期で開催され、参議院の新しい体制を決めて閉会となりました。初日には、堂故参議院議員も初登院され、会館の事務所も「店開き」となり、一緒に仕事をしていく体制が整いました。

 今国会では実質的な審議は行われず、この後は8月末締め切りの新年度予算概算要求の作業が佳境を迎えるほか、秋に予定される臨時国会に向けて提出案件を練る事となります。私にとっては、与党に転じ、政府の一員として初めて迎える夏ですが、9日(金)から18日(日)の旧盆の間、在京当番を引き受け、東京で「充電」する事になりました。国政報告も、来週は休ませて頂くとして、当面の国政上の課題と総務省での取り組みを整理しておきます。

 内政では、来年4月に消費税を5%から8%に引き上げる計画を実行するか否かの判断時期は9月とされています。このため、予算の歳入・歳出規模が固まらず、当面、既定経費は1割カットで要求し、成長戦略に資するものは別枠要求となります。人口の高齢化が進展する中、年々増大する社会保障費をいかに抑制し、成長戦略の実現に必要な「未来に向けての投資」を確保するかが予算編成上の課題です。併せて社会保障制度について、国民会議の議論を踏まえて制度改革を設計・提案しなければなりません。エネルギー分野では、通常国会最終日に廃案となってしまった電力供給制度改革法案の成立を期し、段階的に自由化を進める一方、エネルギー源の新たな構成を定め、原子力発電所の再稼働問題にも答えを出さなければなりません。これを踏まえて、地球温暖化に対処すべく、二酸化炭素排出量の抑制目標を再構築する事になります。

 このほか、東日本大震災からの復興、安全保障体制の強化、普天間基地の移設、国家公務員制度の改革、衆議院の定数是正などの案件がありますが、ここは「ステップ・バイ・ステップ」で、向こう2-3年の間に腰を据えて着実に解決していく事が大切で、拙速に取り組む事のないように、と思います。外交面では、TPP交渉に国益を守る立場で臨む事、さらに中国・韓国との首脳レベルの意思疎通を図り、国際社会において我が国の役割をしっかりと担っていく事が課題です。この点、安倍総理を先頭に閣僚の皆さんが積極的に海外出張されている事は、日本のプレゼンスを高める上で効果的だと思います。

 総務省での私の持ち場では、ICT成長戦略を実現するための新年度予算づくり、かんぽ生命の学資保険改訂認可のための業務体制確立、南部アフリカ地域での地上デジタル放送日本方式の採用を主たる課題と位置づけ、引き続き取り組んでいきます。次回は、その一環としてここ1-2か月精力的に取り組んできた「電子政府」の勉強会について報告したいと思います。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第194号)

 7月24日(水)から31日(水)まで、地デジ放送の日本方式を採用頂いた南部アフリカのボツワナ共和国での放送開始式典出席のため総務省の用務で出張してきました。併せて、モザンビーク共和国にも日本方式採用の働きかけのため出向きました。4月の時と同様に、香港・ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)を経由し、飛行機の乗り継ぎ時間を入れて丸1日づつかけての往復です。ただ、先方は南半球で、季節が冬だったため、気温は暑くても20度後半で、朝晩は冷え込み、空気が乾いていたので、快適でした。再び蒸し暑い東京の空の下、明日からの臨時国会(第184国会)を前に、今回はアフリカ出張報告を綴ります。

 25日(木)にモザンビークの首都マプトに到着し、ペレンベ科学技術大臣、レベロ運輸通信副大臣、イングレス運輸通信次官ほか政府関係者と面談しました。モザンビークはいったん欧州方式採用を閣議決定したのですが、森田前政務官始め日本側の働きかけで、日本方式による試験放送を今春から実施しています。6月に横浜で行われたTICAD-V(アフリカ開発会議)の際、来日されたゲブーザ大統領に安倍総理始め日本側から働きかけた経緯も踏まえ、試験放送を踏まえた日本方式の評価や技術研修の実施を提案しました。日本方式の長所は、テレビのみならず、携帯電話でワンセグ放送やデータ放送が同時にでき、電気が供給されていない地方部でも携帯端末さえあれば、情報を行き渡らせる事ができる点です。先方もこの事は理解が進んでおり、当方の提案を政府部内で検討するとの答えを頂きました。

 モザンビークでは、農業・物流分野等、日本の経済協力が行われており、日本企業による天然ガス、石炭、植物油、木質チップ加工等のプロジェクトも展開されていることから、我が国との関係を重視しています。引き続き、同じポルトガル語圏であるブラジルとともに、採用に向けて努力していきます。マプトはインド洋を臨む落ち着いた街で、海産物はイワシ、エビ、イカ、タコなど日本と同じです。赤みを帯びた土と水色の海、南半球の冬なので北寄りから昇る太陽が印象に残りました。

 27日(土)にマプトからヨハネスブルグを経由し、ボツワナの首都ハボロネに入り、29日(月)の放送開始式典、30日(火)の共同作業部会冒頭挨拶に臨みました。高地に位置するハボロネは、周囲に草原と低木が拡がる街ですが、4月は一面緑だった風景が、今回は冬らしく一面茶色に変わっていたのが印象的でした。担当のマシシ大統領府大臣とは、東京での会食以来僅か2週間での再会となり、今後地デジ移行の実務を担当されるモレフィ運輸通信大臣ともゆっくり話す機会が取れました。

 式典は、ケディキルウェ副大統領出席の下、SADC(南部アフリカ開発共同体)諸国のコンゴ、ザンビア、マラウィ、モザンビークからも大臣・副大臣等が陪席する中で開催され、私も日本政府を代表して、採用頂いた日本方式によるスムーズな地デジ移行の実現に最後までしっかり協力する旨、挨拶で誓いました。ボツワナでこれから始まる具体的な取り組みは周辺のSADC諸国も注目しています。ここで成果を挙げ、アンゴラ、モザンビークなどでの日本方式法採用、さらには南部アフリカ諸国とのICT分野での協力関係構築につながれば、という思いの中での「第一歩」を踏み出す出張となりました。冬晴れのハボロネの爽やかな空気を胸に刻み、同行頂いた総務省職員の皆さん、支援頂いた外務省大使館の皆さん、そしてこれからの具体的な協力作業に携わられるNHK始め民間の皆様に感謝しながらの出張報告とします。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第193号)

 昨21日(日)に参議院選挙が終り、地方区では堂故茂さん、比例区では山田俊男さんほか関係者が当選を果たしました。全体として自由民主党が65議席、公明党が11議席と、与党が76議席を確保して参院の過半数を超え、「ねじれ」が解消されました。新たな局面に入った国政の推移は、今後報告することとし、今週は24日(水)から1週間、アフリカ(モザンビーク、ボツワナ)に出張予定のため、先に193号をお届けし、次回は8月初旬にさせていただきます。

 総務省のICT成長戦略の各論として、先に医療・介護と教育を紹介しましたが、施設管理、1次産業、海底資源探査などの分野にも展開が期待されています。ここで活躍するのが「センサー」です。皆さんには自動ドアでおなじみですが、対象物の位置の変化を電波の力で把握する機能を持っています。多数のセンサーをネットワークし、情報を集約・活用することで新たな業務分野が広がります。

 地下に埋設された水道管や橋梁にセンサーを取り付け、漏水や橋の歪みを検知させ、管理センターに通報する仕組みを作れば、施設を一元的に管理できます。植物工場では場内の温度や湿度をセンサーで感知させ、適切な環境となるよう空調や水の供給をコントロールできます。海底資源の探査も無人センサーと適切な通信手段の組み合わせで効率化できそうです。このほか、登下校時の子ども達の見守り、有害鳥獣の監視、地すべりの事前予測など、センサーのネットワークで対応可能な業務は多岐にわたります。先月末に訪問した長野県塩尻市では、市内にセンサー網を張り巡らし、多様な可能性を追求しています。

 新藤大臣が主唱される「G空間」の活用も大きな可能性を秘めています。地球上の様々な対象物の位置を、宇宙空間に打ち上げた測位衛星で正確に把握し、その情報を集約して活用しようとするものです。実例としてカーナビがありますが、万葉線のドラえもん電車も、今どこを走っているか、常時ホームページに掲載されています。携帯電話からの119番通報も、電波が通る基地局が把握できるもので、消防本部ではおおよその場所がわかるそうです。加入者が自らの位置の公開を承諾している場合は、ズバリその場所に急行できます。物流分野では、貨物の入ったコンテナにICタグを付ければ、世界中どこでも現在地が把握でき、輸送状況がチェックできます。

 以上、4回にわたりICT成長戦略の描く近未来の社会の姿を紹介してきましたが、ネットワークをいかに構築していくか、また、一面、プライバシーの侵害などの副作用にどう対処していくか、課題は数多くあります。例年8月末の新年度予算の概算要求締切りに向けて、これから総務省内では施設・予算の肉付け作業が本格化します。戦略の実現に資するよう私も努力していきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第192号)

 今週も16日(火)、19日(金)が総務省の在京当番で、17日(水)は地デジ放送の日本方式を採用頂いたアフリカのボツワナ共和国マシシ大臣が来日、新藤大臣との会談に陪席しました。今週も東京からの報告となりましたが、ICT成長戦略の各論として、今回は、教育分野を取り上げます。

 毎年、この時期は県西部6市を中心に、県内各自治体の来年度に向けた重点要望を伺うのですが、数年前、氷見市と立山町から電子黒板の普及について、国の支援制度の強化を求められました。聞くと、総務省のモデル事業で市・町内の一つの学校に電子黒板を設置したところ、教育効果が上がり、全ての学校に展開したいのだが、自治体財政の厳しい折、国の後押しが望まれるとの事。私にも、是非教育現場の取り組みを見てほしいとの熱いお話しを頂きました。

 電子黒板は略称で、総務省ではインタラクティブ・ホワイトボード(IWB)と呼んでいます。黒板の代わりの電磁的なディスプレーと誤解を受けた事もあるのですが、教室では黒板とは別に昔の壁掛けやOHPのスクリーンのような補助的役割を務めています。ただ、ICT(情報通信技術)を使うので、コンピュータの画面と同じように様々な画像や動画も見る事ができます。子ども達の勉強する様々な学科に合わせて、学習内容を深めてくれる補助教材を見せることができます。今では、クラウド技術を用いて、教科書出版会社も補助教材のコンテンツをクラウド上に用意していて、学校側は年間契約しておけば、授業の際にこれをダウンロードして使う事もできるようになっています。先生方がコンテンツを全て手づくりする手間はかからなくなっています。

 さらに、ここ数年はタブレットの開発が進み、教室で子ども達一人一人に持たせる事も可能になりました。皆で算数の筆算に取り組み、ある子どもの回答をタブレットからIWBに送信して、先生が皆にわかるようにチェックして見せる事ができます。課外学習のまとめも、子ども達がグループに分かれ、材料を持ち寄ってタブレット上で新聞形式に仕上げ、IWBに送信して皆に見せる事ができます。地方圏の学校と自動車製造工場をインターネットでつないで、IWBの画面上で自動車の組み立て現場を「見学」する試みもなされています。総務省では、こんな未来型の授業に学校単位で取り組んでもらうフューチャースクール推進事業を平成22年度から4年間にわたり展開してきました。今回の私の拙い紹介は、この事業の対象校の授業を見学した内容を綴ったものです。

 フューチャースクール推進事業の成果を踏まえ、総務省は文部科学省と協力して、中期的に全ての学校の教室にIWBを整備し、子ども達各自がタブレットを持って授業が展開できる環境を整えて行く考えです。もちろん、これまでの黒板への板書も、子ども達のノートも大切な学習手段として残ります。そこにICTの力も加えて、学びの場をより充実させる事が私たちの目標です。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第191号)

 参議院選挙の期間中ですが、11日(木)、12日(金)は総務省の在京当番で、東京からの報告となります。富山もそうですが、梅雨が明けて夏の日差しが広がっています。

 ICT成長戦略の各論で、今回は、医療・介護分野を取り上げます。5年ほど前、高岡市長を務めていた頃に、市民病院に電子カルテを導入することになりました。投薬や処方など、病院内の仕事の流れをスムーズにする事が主たる目的でした。医師・看護師さんがうまくなじんでくれるか、心配しながらも、時代のすう勢だと思いきって進めた記憶が残っています。その後、毎年一回の健康診断に出向くと、画面上に過去の数値との比較や、レントゲン撮影・エコー検査の画像が次々と示され、胃カメラの結果も写真ではなく、動画で見る事ができ、手書きカルテとの違いを鮮烈に感じました。私の高岡市民病院での健診結果はこのように電子的に保存され、過去からの推移も簡単に確かめる事ができる訳です。

 大規模な病院から導入が進められてきた電子カルテですが、大学病院に導入されると、そこを拠点に養成される新人医師は皆、電子カルテを使いこなす事になります。医師免許を取った後の臨床研修先も、電子カルテを導入した病院が選ばれ、やがて、個人開業すればその医院には電子カルテが導入されるでしょう。このようにして、医師の皆さんの中で電子カルテを使う方の割合がどんどん大きくなっているのが今の流れです。ちょうど、皆さんが誰でも携帯電話を持ち、その半分がスマホになっているのと同じ現象です。

 病院単位で導入されてきた電子カルテの情報をつないで、ネットワーク化しようというのが、総務省・厚生労働省の提唱する「医療情報連携基盤の構築」です。まさに、I(情報)とC(通信)の組み合わせ、ICTの活用で社会に貢献しようとする戦略です。もちろん、電子カルテ上の病歴は患者さんの個人情報ですから、その取り扱いはご本人の同意が前提となります。同意が取れた場合、例えばかかりつけの医院から総合病院に紹介してもらう場合、また、総合病院での手術等を終えて、医院に戻る場合に、その間の検査・診断・処方等の情報が電子的にやり取りされます。同じ検査を2度受ける必要もなく、過去の病歴からより的確な診断ができます。このネットワークに院外の薬局や介護施設も参加してもらえると、処方箋なしに医師の指示した薬が薬局でもらえ、病院と介護施設の間で利用者の健康状態が共有できる事になります。

 世界に先駆けて人口の高齢化が進む日本において、ICTを駆使した医療情報連携基盤を2018(平成30)年度までに全国規模で展開しようというのが私たちの掲げる目標です。関係者の理解を得ること、大都市圏・地方圏それぞれの特性に応じてネットワークを展開することなど、解決しなくてはならない課題も多いのですが、電子カルテが普及しつつある今を「夜明け前」ととらえ、26年度予算を含め、精力的に取り組んでいきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第190号)

 久し振りに富山で報告を綴っています。先週末の土・日は在京当番、1日(月)はアフリカのアンゴラから地上デジタル放送方式の調査に来日された情報通信省のサフェッカ副大臣、テタ副大臣に対応し、2日(火)朝から富山に入っています。梅雨終盤の蒸し暑さの中、路傍のアジサイの鮮やかな花を楽しみながら、参議院選挙の活動をこなしています。

 サフェッカ副大臣には4月初めのアンゴラ出張の際に、日本方式の採択をお願いしています。今回の調査が良い結果につながることを期待しています。これも、総務省のICT成長戦略の一環です。我が国の優れた技術を海外にパッケージとしてシステム売りし、国内産業の成長に結び付けようとする取り組みです。政務官を拝命して半年間、総務省の通信・放送・郵政分野を担当させて頂いて、まさに日本がICT(情報通信技術)を生かして飛躍するチャンスの時、「夜明け前」であるとの思いを強くしています。

 たとえば、ここ1、2年の間に皆さんが使われる携帯電話の半数近くがスマートホンに変わっています。これまでの携帯電話に比べ、スマホはその機能が一段とコンピュータに近付いたと言えます。パソコンで有線の通信回線を使ってインターネットを使うのではなく、スマホで無線の通信回線を使うため、この帯域の電波の使用量(通信された情報の量)は1年間で倍増の飛躍的な伸びを示しています。振り返ってみれば、20年前には固定電話だったものが、オフィスから家庭へとパソコンが普及し、皆さんが携帯電話を使うようになり、さらにスマホへと急速な変化が続いています。日本経済にとっては「失われた20年」ともいわれる同時期が、ICTにとっては変化と成長の20年だった訳です。

 さらに、パソコンの機能を手軽に持ち歩ける形に集約したタブレットが出現し、タブレットとスマホの違いは通信機能の有無だけという、コンピュータと電話の「融合の時代」を迎えました。いわば、情報(information)と通信(communication)の融合、まさにICT(情報通信技術)の時代が到来しようとしていると言えます。

 身の回りを見てみると、テレビやエアコンのリモコン、自動車の鍵など、スイッチを入れたり切り替えたりする度に、私たちは微弱な電波を使っています。鉄道で便利なICカードも、改札の読取り機との間は電波で情報をやり取りしています。高速道路のETCカードやカーナビもしかりです。このように、個々の端末の情報を通信回線でやり取りし、ネットワーク化することで、経済社会を思わぬ形で変えていくことができる、それが私たちの目指すICT成長戦略です。次回以降、個々の分野におけるICT活用の現状と展開可能性について、この半年間の経験から得たものを順次報告していきます。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第189号)

 26日(水)で第181国会が閉会となり、政治の舞台は、23日(日)の都議選に続く参院選へと回り始めました。国会は、前号で懸念していた「波乱」が参議院で生じ、電力システム改革法、生活困窮者支援法や各種条約案件等が審議未了・廃案となりました。私の野党時代に、当時の菅総理、野田総理に対する問責決議が参議院で可決されましたが、今回の安倍総理に対する問責決議は、野党側が求めた今週の予算委員会出席を拒んだことを理由とするもので、根拠は薄すぎると思います。メディアの取り上げ方を見ても、事の重要性が小さく、野党の姿勢は疑問です。一方、与党の立場としては、衆議院で大方のコンセンサスがあった内閣提出法案を、内容ではなく周辺環境のために廃案にした事が残念です。次の国会では、改めて衆議院から審議する事となり、その分、何かの案件の成立が確実に遅れていく事になります。私が野田内閣に一番欠けていると指摘してきた「段取り」の問題が、私たちにも生じた訳です。ではどうすれば良かったのか、と言われれば、参院国対の現場のやり取りも知らずに論じるのは不謹慎ですが、「案件成立=実利優先」でひたすら頑張るのが与党側と言う事かと思います。最終的な内閣提出案件の成立率は84%。これは民主党政権時代から見れば見違えるような好成績です。安倍総理や私たちの新藤大臣の粘り強い国会答弁を始め、与党の皆さんの成果だと感じています。

 この間、総務省ではICT成長戦略の取りまとめに向けて24日(月)から26日にかけて集中的に会議が開かれました。既に戦略の重点部分は内閣の成長戦略やIT戦略の中にしっかり位置付けられていますが、省としての今後の予算・施策の羅針盤を仕上げた訳です。それぞれの報告書は今後パブリック・コメントを経て正式決定されますが、まさに、スマホの普及、鉄道や店舗でのICカードの利用、カーナビなどGPS(G空間)の活用、医療や教育分野での取り組みの盛り上がりなど、時代は「ICTの夜明け前」を思わせる状況です。成長戦略の要の一つとして、私自身も、ICTの積極的活用に取り組んで行きたいと思います。

 27日(木)、初めての国内出張で長野県塩尻市を訪ねました。ICT街づくり事業のモデル都市として、24年度の総務省予算でセンサーをネットワークしたシステムを構築し、子どもの見守り、地すべりや有害鳥獣の発見、ため池の水位管理など多用途への活用を図っています。さらに、災害時の緊急情報をエリアワンセグ放送で流したり、市内の公共施設にWi-Fi(ワイファイ)設備を整備し、インターネットに容易に接続できる環境を整えています。ICT街づくりの先端を走る塩尻市は、一面、木曽漆器やワインの産地であり、奈良井宿、木曽平沢という二つの重要伝統的建造物群保存地区を持つ、個性豊かな都市です。総務省の本事業推進委員会の岡座長の言われるように、「百聞は一見に如かず」、元気な地域の取り組みを歩いて勉強し、取り入れて行きます。来週からは参院選に入るので、この半年間の政務官としての経験を土台に、ICTの今後の展望を綴ってみようと思います。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第188号)

 先週末、富山に戻ると東京よりも熱く、驚かされました。今週も東京は雨が降ったりやんだりの梅雨空ですが気温は高くなり、蒸し暑い状態です。そんな中、安倍総理のサミット出席を兼ねた海外出張もあり、20日(木)の帰国を受けて終盤国会に入っていきます。

 20日に開催された政務官会議では、参議院で条約3本、協定書6件、法律案4件の審議・採決がまだ行われていない旨、報告がありました。24日(月)から最終日までの3日間の会期中に波乱が起きないよう気を引き締めて臨まなければなりません。衆議院の定数の0増5減法案も、週明けには再可決・成立の見込みです。23日(日)の東京都議会議員選挙の結果も受けて、会期末・参議院議員選挙へと向かう流れです。

 総務省では、ICT成長戦略の取りまとめが大詰めを迎えています。既に医療・介護の現場での電子カルテや処方箋等の情報を電子的にやり取りする「地域医療情報連携基盤」の2018(平成30)年度まで全国展開の実現など、内閣がまとめた成長戦略に織り込み済みの内容を含め、通信・放送にわたる近未来のICT活用の方向性を明らかにするものです。施策の方針を取りまとめたら、後は実行あるのみで、来年度の概算要求へと仕事はシフトしていきます。

 毎週の見学は、20日(木)に足立区にある日本郵便のロジスティックスセンター(JPロジサービス(株))に行ってきました。大口荷主から荷物を預かり、オーダーに合わせてピッキング・梱包し、ゆうパック・ゆうメール・EMS(国際急送便)などの郵便サービスに乗せる仕事です。物流業界では、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)と呼ばれる業務で、モノを配達するという基本業務に付加価値を上乗せし、収益を拡大するとともに、荷物を川上で確保する役割も果たします。日本郵便では、郵便の集配ネットワークの再構築を進めており、業務の集約化で空いた施設を営業倉庫に転用するなどして、3PLを始めとする物流業務の拡大を目指しているとの事。同じ施設には、株主総会の案内状の封筒詰め等の業務をこなすJPビズメール(株)も入居しています。偶然、JPグループの新経営陣のスタートの日と重なりましたが、郵便業務の周辺にはまだまだ発展可能性が広がっていると感じています。

 19日(水)の夜は、私が省内で主催している月1回のコンテンツ研究会があり、今話題の4K・8Kテレビの技術を用いた海外へのコンテンツ展開の可能性を語り合いました。高品質な画質がふさわしい分野でのコンテンツづくりや、インターネット機能と融合させた双方向のスマート・テレビ(ハイブリッド・キャスト)の活用など、近未来の夢が膨らむ会でした。25日(火)には、もう一方の携帯電話の研究会を予定しています。これら2つの取り組みもそろそろまとめに入らなければなりません。間もなく始まる参議院選挙に備え、来週・再来週には東京での仕事を一区切りつける予定です。

カテゴリー: 国政報告 |

国政報告(第187号)

 今週の東京は、台風3号の影響もあって、梅雨空が続きました。そんな中、国会では内閣提出法案の審議が粛々と進みました。総務省の案件も、13日(木)の参議院総務委員会を給与法改正案が通過し、全て成立の見込みとなりました。4月中旬から2カ月弱続いた、火・木の衆参総務委員会シフトも終わり、14日(金)の都議選告示を前に、150日間にわたった通常国会もゴールが見えてきました。官邸の委員会で検討されてきた成長戦略を始めとする各種構想も逐次取りまとめの段階に入り、7月4日(木)スタートと言われる参議院選挙を前に霞が関・永田町の動きは一区切りです。

 一方、為替と株の相場はここのところ変調を来しており、13日の終値は、東証の株価が843円安の12445円、円相場も1ドル94円台に円高が進んでいます。昨年末から見れば、十分株高・円安の状況に変わりは無いものの、メディアの見方では、政権の成長戦略への市場の評価が厳しいとの事です。この間の戦略取りまとめ作業を側で見てきた私の感覚とすれば、戦略の内容よりも、各項目を着実に実現してみせる事こそ、「第三の矢」を的に当てる方策だと思います。年初からの相場に見られる期待感を現実のものとする事こそ、経済政策の王道です。足元の相場の調整局面を憂う事なく、成長戦略の工程表を実行していくよう、総務省のICT関連施策について努力して行こうと思います。

 例えば戦略では、地域医療情報連携基盤の全国展開を2018年度までに実現するとしています。島根県、広島県尾道地域、長崎県など、地方圏では地域の中核病院と医師会の皆さんが連携し、自治体も支援する形で病院と診療所の情報ネットワークが育ちつつあります。しかし、患者さんが広域に分布する首都圏等の大都市圏では、未だ情報連携のモデルが確立していない現状にあります。しかし、目標年次を5年後に設定したからには、大都市圏での取り組みも早急に始めなければなりません。そのために、厚生労働省と協力し、地域に働き掛けて行く事こそ、今、総務省が頑張る番地だと考えます。私なりに声を出し、動いていこうと思い定めています。

 さて、今週の見学は、埼玉県ふじみ野市にあるKDDI研究所に伺いました。前身の国際電信電話(株)時代に関わる海底ケーブルの光ファイバーの伝送容量を増大させる取り組みから、高精細画像の圧縮伝送技術、スマートフォンをカメラとして災害時に活用する技術など、今日のICTの発達に応じたハード・ソフトにわたる研究開発の現状をわかりやすく説明頂きました。引き続き、現場を体感しながら情報通信分野の未来像を考えて行きます。

 先月末の東京スカイツリーへの放送電波移転に伴い発生した視聴障害への対応は、関係者の努力により、一歩づつ収束に向かいつつあります。さらに、かんぽ生命(株)の学資保険の内容変更の認可と南部アフリカ地域での地デジ日本方式の採用という、目前の課題の解決にも取り組んでいきます。

カテゴリー: 国政報告 |