国政報告

国政報告(第291号)

 8月に入り、お盆前の一週間、国会は参院での平和安全法案の審議を軸にしつつも、衆院では残る法案の審議が進められています。7日(金)の本会議では、刑事訴訟法の大改正案が与野党協議で修正の上、可決の見込みです。このほか、ドローン対策の航空法改正案やPFI法改正案なども審議入りの見込みで、着実に成立案件が増えています。

 私自身は、先週末で峠を越えた「夏風邪」がぶり返し、再度、かかりつけの医院で薬を処方頂く破目になりました。健康管理の大切さが身に染みます。週末は高岡市万葉歴史館の25周年記念展の開会式や、茶道裏千家淡交会高岡青年部のお茶会に出席し、3日(月)に富山高等専門学校ほか国の出先機関を訪問、意見交換の後、上京しました。閣僚レベルの交渉が続いていたTPPは合意に至らず、沖縄辺野古での基地新設問題も、工事を一カ月休止し、国と沖縄県との対話を継続することになりました。一方、九州電力川内原発は11日(火)にも再稼働の予定であり、「三大課題」は一歩前進というところです。

 参院での平和安全法案の審議時間は40時間に近づき、月末までには議論も深まるものと期待しています。途中、「法的安定性」を巡る与党議員の不適切な発言の取り消しなど、緊張感が途切れる場面がありましたが、安倍総理、岸田外相、中谷防衛相など連日の頑張りに頭の下がる思いです。毎朝、国会対策委員会正副委員長打ち合わせに出席しながら、各省庁のレクや党本部の会議をこなしています。4日(火)は砺波市庄東地区の皆さんの国道359号バイパス工事の促進陳情、5日(水)は県連政調会長会議が党本部で開かれ、小野寺元防衛相から平和安全法制の考え方を講話頂きました。

 5日は地元からの来訪が多い一日でした。南砺市福光の有志の皆さんの義仲・巴の大河ドラマ制作陳情にNHKへ同行、また、高橋(高岡)・夏野(射水)・本川(氷見)市長ほか関係の皆さんと、北陸新幹線「かがやき」の新高岡駅停車便の定期化要望に、JR東日本・国土交通省を訪問しました。高橋市長からは、これまでの熱意に加え、一日当たりの駅利用客を1600人から2100人へと、500人増やす目標を立て、具体的な形で取り組む旨、挨拶があり、相手方も地元側の熱意をかなり理解頂いたようです。

 6日(木)は、朝8時から党本部で西普天間地区の国際医療拠点形成推進小委員会があり、国・県・市・琉球大ほか関係者の第1回会合の模様を内閣府から聴取し、意見交換の機会を持ちました。以前から琉球大学医学部・県立普天間高校の移設が決まっており、重粒子線によるがん治療施設の建設の可否については、単純な採算性の議論のみならず、研究機能を持たせる事も考えるようにとのアドバイスが出されました。9時からは東日本大震災復興特別委員会が12時30分まで開かれ、16時からは、北陸新幹線の敦賀以西への延伸ルートの検討委員会の第1回会合がありました。1973年に決定された整備計画には、小浜市付近を通過するルートと明記されており、これを主案とし、米原ルート、湖西ルートについてもデータを集め、議論することになりました。

 引き続き、国会内の審議、会館や永田町での情報収集や政策調査に取り組み、充実した夏にしたいです。来週はお盆休みを頂き、次号は21日(金)でお願い致します。

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国政報告(第290号)

 台風12号が日本海側で熱帯低気圧に変わり、全国的に梅雨明け、夏本番となりました。今週、国会では28日(火)の衆院本会議で参院の選挙区是正法案が可決成立し、平和安全法制も27日(月)の参院本会議を経て、参院の特別委での審議が始まりました。29日(水)には、衆院の厚生労働委員会、経済産業委員会で審議中の法案が採決されるなど、両院とも動き始めました。

 私自身は、先週末で「夏風邪」が峠を越え、散髪も済ませて国会終盤に臨んでいます。平和安全法制については、事務所にも手紙・FAXなどで審議の進め方に関する意見を頂きますが、参院定数是正についての考えを含め、私の立場は、先に本報告で述べてきた通り、我が党の方針を支持するものです。なお、衆院の定数是正については、昨年の総選挙の前に小選挙区の「五減」等で、選挙区間の格差を2倍以内に納めています。さらに、比例区の定数の在り方や、選挙区間格差を2倍以内に保つ方策について、衆院議長の下に学識経験者からなる委員会が設けられ、検討が進められています。安倍総理も、党総裁としてこの委員会の結論を尊重する方針を明言されており、近い将来に取りまとめがなされる予定です。現在、衆院の定数は、小選挙区295、比例区180、合計475ですが、個人的には、まずは比例区を30程度減らし、445程度にしては、と思っています。参院については、都道府県の区画を尊重し、地域代表の要素も加味するよう、憲法改正をすべきです。

 このほか、現下の国政では、かねてから指摘しているTPP、原発、沖縄の各問題に加え、新国立競技場の建設、ロシア経済水域における北洋さけ・ます流し網漁業の全面禁止措置など、新たに対処すべき課題が生じています。衆院与野党間では、8月7日(金)に予算委員会を開催し、これらを念頭に一般質疑を行う方針で折り合っています。TPPは、ハワイで閣僚折衝が大詰めを迎えており、宮腰先生を始め、党農林関係議員も現地に詰めています。各品目の関税の具体的な設定内容について、各紙が交渉過程を報道していますが、党のレベルでは、政府から未だ報告を頂いておりません。まとまった段階では、先に選挙公約等で国益維持を約束した、「米、麦、乳製品、肉類、甘味作物」の五品目を主体に交渉内容をチェックして行くこととなります。

 さらに、北洋さけ・ます流し網漁業の禁止措置が来年から発動されれば、根室市を中心に東北海道で大きな打撃を被ると予測されています。船や船員のみならず、さけ・ますの加工場など関連産業も併せ、地域に与える影響額は250億円に達すると見込まれています。既に水産庁や党水産部会議員など担当者が北海道に飛び、地域の声を踏まえ、8月半ばにも国として緊急対策を取りまとめる予定です。北陸・関西地域では、北陸新幹線の福井開業前倒しの可否について党内で議論されており、さらに新大阪までのルート決定の議論が本格化しそうです。新年度概算要求の内容チェックと併せ、これら国政上の諸課題にも目を向けながら、8月を迎えます。

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国政報告(第289号)

 先週の台風11号に続き、今週は台風12号が沖縄に接近、週末は西日本も影響が出そうな状勢です。24日(木)から沖縄出張の予定でしたが、大事を取って中止し、来月に先送りとなりました。富山を始め、各地で梅雨明け宣言が出され、夏本番ですが、私は先週末から不覚にも「夏風邪」にかかり、のどを気にしながらの一週間、体力回復に努めています。

 国会は16日(木)の衆院本会議で平和安全法制が可決されて以来、動きが止まっていましたが、参院の選挙区是正について野党四党案を我が党も了承する所となりました。24日(金)の参院本会議で可決の見込みで、これを受けて衆院側も来週明けから審議を再開できそうです。1人区の鳥取・島根、徳島・高知をそれぞれ合区する案で、党内では該当県の議員を中心に強い反対意見も出ています。しかし、現行憲法では、衆参両院の選挙区の在り方について何ら定めがなく、法の下の平等の法理が優先し、一票の格差をできるだけ是正すべきというのが、最高裁の憲法判断です。米国の上院が各州ごと2人づつで構成されるように、世界的に見ても院の構成は必ずしも人口だけに拠る必要は無く、2院制の我が国では、参院議員に都道府県代表の要素を強く持たせる考えも成り立つと思いますし、私は賛成です。ただ、そのためには憲法改正が必須であり、今日現在、司法府から違憲判決を受けている以上、立法府として速やかに法的措置を講じざるを得ず、今回の合区案はやむを得ないと考えます。併せて、参院選挙区に係る憲法改正を急ぐべきと思います。

 さて、17-8(金―土)と、党北海道振興特別委員会事務局長として、北海道の釧路・十勝地方を視察してきました。20年余り前、北海道開発庁に勤務していた折、農村部のまちづくりに国・道・町村皆で協力して取り組む「ニューカントリー事業」に携わっていたことから、そのモデル町村だった標茶町(釧路管内)と本別町(十勝管内)を訪ねました。事業制度は平成19年度で終了したそうですが、それぞれの機関が垣根を越えて一つの目標の為に事業を持ち寄り、進度調整したことに感謝の言葉を頂きました。また、両地域は北海道農業の中でも、釧路の酪農、十勝の畑作としてそれぞれ特色ある大規模経営が実現しており、久しぶりに田の無い風景を新鮮に感じました。道立標茶高校では、酪農後継者の育成のために広大な農場を持ち、最新鋭の搾乳ロボットが導入されていました。十勝の帯広川西農協では、新たな輸出作目として「長いも」に取り組んでおられました。集荷場の機械化を大胆に進めつつ、なお、冷蔵設備の充実により、通年出荷を可能にし、常時百名の作業員を雇用するなど、地域に大きな波及効果を及ぼしていました。

 来年からの北洋漁業のさけ・ます流し網漁の禁止や、TPP交渉の影響の懸念など、不安材料も尽きない北海道ですが、地域に根差した力強い取り組みに感銘を受けました。併せて、道東自動車道の整備や、飼料輸入拠点としての釧路港の整備など、基盤整備の着実な推進も応援していきます。沖縄・西普天間地区の訪問が延期になったのは残念でしたが、来週から通常国会も第四コーナーを回る訳で、さらに実がなるよう、努力していきます。

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国政報告(第288号)

 台風11号が四国、中国に上陸、被害が心配される17日(金)朝の報告です。今週の国会の焦点は昨日衆議院を通過した平和安全法制の扱いでした。13日(月)の中央公聴会の後も、特別委員会での審議が続けられ、15日(水)に安倍総理出席の下、締めくくりの総括質疑があり、討論・採決の結果、可決すべきものと決し、16日(木)の本会議に上程された訳です。

 この間、野党からは採決は時期尚早との意見がありましたが、質疑時間は116時間に達し、論点もほぼ出揃った段階での採決は妥当と私も思います。私が野党時代にも「強行採決」を何度か経験しましたが、その場合は審議途中に与党側から「打ち切り動議」が出され、討論もなく即座に採決するパターンでした。今回は、事前の理事会で質疑終局が決められ、維新の党の討論もあり、これまでの「強行採決」とは様子が違いました。本会議にも、ほとんどの野党が出席し、反対討論をした上で、採決だけは退席しており、議事運営について委員長等の責任を問う動議も出されませんでした。私の6年弱の国会の経験からすれば、手順を丁寧に踏んだ運びであったと思います。

 この国政報告で何度か述べてきたように、平和安全法制は今日の日米安全保障条約を基軸とする我が国の安全の保持と、国際社会の平和維持活動において我が国に期待される任務の遂行のために必要な法案です。その起草に当たっても、昨年夏の基本方針の閣議決定以来、政府・与党にて現行憲法の枠内でできることを細心に吟味して練り上げています。もちろん、法案審議の過程で出された様々な意見は傾聴すべきであり、場合によっては参議院で部分修正や附帯決議がなされるかも知れませんし、それは立法府の大切な役割だと思います。この点、維新の党からは対案が出されましたが、民主党からは領海警備以外の部分に対案が出されず、吟味の具体的な成果を得られなかったのは残念です。

 もっとも、総理や浜田平和安全特委員長も述べられているように、政府・与党としても国民の皆様の理解を十分に得たとは言い難い現状であり、審議の途上でも党内から不適切な発言があったことなど反省すべき点があります。この法案は、現に起きている事態を対象としたものではないだけに、理解を頂く事が難しい面もあります。自衛隊や安保条約と同様に、歴史の経過を経てその真価が問われるものであり、そこに今日の政府・与党が負うべき責任もあるものと思います。参議院でのさらなる充実した審議を見守っていきます。

 さて、週末の11日(土)は有村治子女性活躍担当大臣、12日(日)は林幹雄衆議院議院運営委員長が来県され、それぞれご講演を頂きました。有村大臣からは、高岡市ファミリーサポートセンターの開設10周年記念式典にて、少子化対策、男女共同参画について聴衆を元気付けるお話を頂きました。林委員長には、「松村謙三先生の精神に学ぶ会」にて、日中議会交流の現状や、議会人として議員立法に努力されてきた経験から政治に携わる際の心構えを教えて頂きました。

 先輩の諸先生の背中に学び、今日の国会に気を引き締め、月末のTPP閣僚交渉、8月に予定される原発再稼働、沖縄辺野古沖の埋立工事の着手など、節目の事態をしっかり見つめ、与党の一員としての職責を果たして行きたいと思います。

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国政報告(第287号)

 今週の東京は、梅雨の真っ盛りの感があります。涼しくて湿気が高くて、太陽の強い日差しが懐かしく思われる毎日です。梅雨空の下、延長国会の衆議院は平和安全特別委員会の法案審議を軸に、案件が残る委員会が一歩づつ審議を進めている状態です。参議院も着
実に案件を処理しており、今国会の法案成立率は90%内外まで高まる事は確実です。とはいえ、焦点の平和安全法案は、本8日(水)に維新・民主党から対案が出され、13日(月)には中央公聴会が開かれるなど、来週には大詰めを迎えます。国対の打ち合わせもこの山をどう乗り越えるか、不測の事態を招かぬように、と緊張感が漂っています。

 週末の地元では、4日(土)に第三選挙区支部の幹事会が開かれ、今週末の総務会に向けた議案説明と併せ、私から国会の情勢を報告しました。11日(土)に有村国務大臣、12日(日)に林衆院議院運営委員長をお招きする事となっており、その案内も兼ねての集まりでした。13日(月)までに地元6市の新年度要望を把握させて頂きましたが、共通する課題として、北陸新幹線速達列車「かがやき」の新高岡駅停車の定期化と6市で「連携中枢都市圏」を構成することを国に認めてもらう事、この2点の実現が肝と見ています。

 新幹線と時期を合わせて、小矢部市での三井アウトレット・パークの開業も来週に近づき、更に、来月には射水市で会員制スーパー「コストコ」もオープンします。イオン・グループも、高岡店のリノベーションや砺波店の改装など力を入れており、地域の商業圏の
発展が期待されるところです。

 我が国の経済全体では、過日発表された日本銀行の「短観」(全国企業短期経済観測調査)でも先行きの見方は明るさが増す一方、ギリシャの財政危機や中国の株価下落など外的ショックも心配されるところです。TPP交渉、原発再稼働、沖縄の基地移転も、それぞれ、閣僚会議での交渉促進、川内原発への燃料装填など、大事な局面を迎えており、目が離せません。

 国会が重要な局面にさしかかる中、地元各市は恒例の新年度事業要望で首長・議長の皆さんが順次上京されており、先週の射水市に続き、今週は小矢部市に対応しました。また、南砺市の福光土地改良区、砺波市の油田商工業会の方々が新幹線を利用して国会見学に来て下さり、東京で富山の皆さんをお迎えさせて頂きました。

 さて、平和安全法制ですが、審議時間も今週には100時間を超えます。我が国固有の自衛権を憲法の制約の下で拡張した際に、国際法上の「集団的自衛権」の重なり合う部分を最小限度認めようとする政府・与党案は、今日の我が国を取り巻く国際情勢に照らし、適切な対応であると考えます。併せて、ここ20年余り、国連のPKO活動で自衛隊が果たしてきた役割への評価と期待を踏まえ、平和維持活動にも、慎重かつできるだけ前向きに対応しようと吟味された内容です。野党から提出された対案を含め、審議を尽くした上は、採決に進むべき時期が近付いていると思います。来週の国会の動きを注視していきます。

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国政報告(第286号)

 通常国会の会期が大幅に延長されて7月を迎えました。衆議院の平和安全特別委員会の法案審議は今週で80時間に到達し、6日(月)には沖縄県、埼玉県で地方公聴会が開かれます。衆院での審議は終盤に入ってきましたが、先週末以来、我が党議員のマスコミに対する発言が問題となり、特別委の質疑の焦点もこの点に流れがちの状況です。もとより、表現の自由や報道の自由は民主主義国家において重要な権利であり、政府・与党の立場で「圧力」と受け取られる言動は慎むべきです。また、総理・幹事長から、延長国会の目的達成のため、緊張感を持って臨むようにと繰り返し指示されている状況下で、一人一人の議員が慎重に行動すべき時期です。

 予定外の波乱に見舞われながらも、国会対策委員会として、法案審議を確実に進める努力を続けています。今週も経済産業委員会等で新たに採決に至る案件が出てきており、出口に向けて一歩一歩前進している現状です。

 この間、地元では、26日(金)に井波支部28日(日)に射水市連の総会に出席し、平和安全法制の成立を期して努力している現状を報告しました。27日(土)には石破地方創生担当大臣が来県され、朝日町と高岡市で講演頂きました。高岡の催しは、西部産業開発協議会の主催で、川村会長ほか皆さんや、6市の市長、県・市議出席の下、地方創生の理念や各地での取り組みへの期待とアドバイスを含め、大臣から力強く語って頂きました。講演に先立ち、6市長共同で、国の新たな「連携中枢都市圏」制度の適用を受けたい旨、要望がありました。従来は都市圏の中心となる市が中核市(人口20万人以上)である事が条件とされていたのですが、北海道や山形県、京都府北部など、中核市が存在しない地域でも都市圏形成の動きがあり、国も条件の変更を検討している現状です。大臣からは、20万人のハードルに拘る思いは無いので、6市側として、都市圏を形成した場合、具体的にどんな取り組みを進めるのか、良案を練って欲しいとの前向きな回答がありました。

 29日(月)は国対を休ませて頂き、地元各市の新年度に向けた事業要望を聴きに回りました。新幹線開業で公共投資に一定の前進を見たものの、なお残る「ミッシング・リンク」の解消や、27年度予算が厳しかった土地改良事業の手当てなど、それぞれに切実な案件があり、私も持ち場で努力していく決意を新たにしました。

 東京では、30日(火)に骨太方針の閣議決定が済み、政務調査会の仕事が一段落したものの、日ロ漁業交渉で来年からのさけ・ますの流し網漁が禁止になりそうとの情報や、米国議会がTPP関連法案を可決し、交渉が急展開するのでは、との観測もあり、関係する会議に出席しています。1日(水)には、議院運営委員会の「新たな国立公文書館に関する小委員会」メンバーにて、外務省の外交資料館宮内庁の書陵部を見学しました。この小委は、我が国の公文書館を、諸外国並みの展示・保管機能の充実した新たな施設に建て替える目的で、今春から検討を進めているもので、同種の機能を持つ施設を訪問したものです。我が国が開国した時の日米和親条約や、元号を明治と改元した際の手続き書類など、貴重な文書に直に接する事ができました。

 来週は、平和安全法制の審議も大詰めです。事態の展開を追っていきます。

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国政報告(第285号)

 今日は今通常国会の当初の会期末だった24日(水)です。22日(月)に与党は戦後最長の95日間の会期延長を決断し、同日夜の本会議で9月27日(日)までの延長が賛成多数で決まりました。私が平成21年秋に国政に携わらせて頂いて以来、旧盆を越えての延長は民主党政権下の23年、24年以来です。延長の目的は、平和安全法制の審議時間を確保し、確実に成立させる事と理解します。今日現在の政府提出法案の成立率は58.1%との事ですが、現在参議院で審議が進められているものもあり、これから100%に近づけて行く事が国会対策委員会の使命です。

 週末は、19日(金)に厚生労働委員会で労働者派遣法改正案が採決され、午後1時の本会議に緊急上程、可決して参議院に送付されました。久しぶりの議事進行係の出番は、緊張してマイクのスイッチを入れ忘れ、途中まで地声になってしまいました。手順は正確に、と反省しきりです。夜は地元で党砺波市連の総会、20日(土)は第三選挙区女性部南砺市吉江地区後援会党新湊支部福岡支部の総会県連支部長・幹事長会議、21日(日)は第三選挙区青年部の総会と、各会合に出席し、夜には上京と、慌しい日程でした。

 会期延長後は、民主党などの反発で2日間全ての審議が止まりましたが、24日の与野党国対委員長会談で正常化に合意し、明25日(木)から審議再開の運びとなりました。焦点の平和安全特別委は審議時間が54時間となり、26日(金)の総理入り集中質疑で61時間に達する見込みです。また、農協法改正案も委員会採決を待つ状態であり、衆議院の法案審議は、法務・厚生労働・外務を除いて概ね目途が立ちつつあります。この間、参議院も野上議院運営委員会筆頭理事ほか皆さんの努力で着実に審議を進めて頂いており、今後も気を引き締めて臨んで行けば道は開けるものと思います。

 一方、以前から指摘している国政上の重要三課題については、TPPに関連して、米国議会で大統領に交渉権限を与える法案の成立に目途が立ちつつあり、交渉が急進展する可能性が出てきました。また、九州電力川内原子力発電所も、来月初旬に燃料を装填し、8月にも再稼働の予定です。沖縄の辺野古沖での基地建設も、埋立工事の着工が近づく中、翁長知事の理解は残念ながら未だの現状です。延長された会期の中でこれらの問題も大きく動くやも知れません。まさに、正念場の夏に向かいます。

 この間、6月末に閣議決定予定の「骨太の方針」の案文の党政務調査会全体会議での審査が23日から始まりました。先に取りまとめた財政再建特命委員会や西普天間基地跡地活用小委員会の提言が十分反映された形となっており、私としても一仕事できた充実感があります。また、23日には私もメンバーである郵政事業に関する特命委員会が、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の預け入れ等限度額を引き上げるべきとの提言をまとめましたが、党総務会で異論があり、26日に引き続き審議される事となりました。こちらは、現場の郵便局長さん達が、限度額の制約で顧客対応にご苦労が多い事など、引上げの必要性は個人的にも理解できるものの、制度改正には郵政民営化委員会の同意が欠かせず、政府内でも時間を要するものと思われます。銀行、信金、信組、JAバンクなど金融業界の皆さんとの調整について、ATMの相互利用など協力関係の構築に影響せぬよう慎重に進める必要があると考えています。

 延長後の国会がどう展開するのか、暑い夏に向けて、来週以降も報告を続けます。

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国政報告(第284号)

 いよいよ会期末の24日(水)まで一週間を切りました。先週の12日(金)は平和安全特委で審議が空転し、厚生労働委では民主党の議員が渡辺委員長の委員会室入室を阻止しようともみ合いになり、委員長は首を怪我、さらに携帯電話を紛失され、現物が違う階の自動販売機の下に隠してあったのが発見されました。一連の事案について、与党側として民主党の実力行使を強く批判しつつ、15日(月)には与野党国対委員長会談で審議正常化で一致しました。しかし、それでは終わらず、17日(水)に農林水産委員会で維新が与党の約束違反を理由に審議に応じず、農協法改正案の採決が一週間遅れる事態となりました。18日(木)に久しぶりに予算委員会が総理出席・テレビ中継の形で開かれ、日本年金機構の個人年金情報流出問題と平和安全法制をテーマに7時間の審議が持たれました。明19日(金)には厚生労働委員会で労働者派遣法改正案の採決が予定されており、ようやく重要法案3本のうち、1本を参議院に送れそうです。

 この間、13日(土)には党県支部連合会の年1回の大会があり、来夏の参議院選挙の県地方区候補に現職の野上浩太郎議員の推薦が万場一致で決まりました。今年の第三選挙区支部管内は選挙が無く、まずは国・地方にわたって公約の実現を図り、参院選に備えを怠らない事が常道です。また、党大門支部の総会にも顔出しの上、14日(日)の夕刻には東京に戻りました。

 一方、政務調査会で取りまとめに関わった財政再建特命委員会の政府への提言が12日に仕上がり、先にまとまった沖縄の西普天間基地跡地活用の提言と併せ、今週、関係大臣に申し入れに出向きました。政府部内では、6月末をめどに、「骨太の方針」を閣議決定する予定であり、これらの党側の提言が政策・予算にどのように反映されていくのか、注視して行きたいと思います。

 梅雨空の下ではありましたが、16日(火)に県内10市の市議会議長・副議長の皆さんが上京され、要望を受け懇談の機会を頂きました。翌17日には党砺波市太田支部の五十嵐支部長、井上幹事長(市議)ほか皆さんに国会を訪問頂き、嬉しい激励を頂きました。来週も北陸新幹線等を利用して来訪の予定があり、今月は多くの方々に東京でお会いできそうです。一方、16日に浅間山の小噴火、18日に口永良部島の再噴火、と、昨年の御嶽山や今春の箱根山に続き、我が国周辺で火山活動が活発化している事に注意が必要なようです。

 さて、肝心の会期延長ですが、22日(月)を目途に延長幅を決めることとなりそうです。衆議院では平和安全特委のほか、法務、厚生労働の両委員会に案件を多く残しており、もうひと頑張りが必要な情勢です。新年度予算に向け、地元各市の主要要望事業も把握しながら、国全体としての施策の推進を心がけて活動して行きます。

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国政報告(第283号)

 梅雨らしい東京の天候の下、通常国会は会期末を控え、荒れ模様の展開となっています。一面、経済産業委員会、環境委員会などで着実に法案審議が進んでいるのですが、重要法案である労働者派遣法改正案、農協法改正案、平和安全法制の3本の審議は厳しい状況が続いています。派遣法案は日本年金機構の個人情報流出問題で審議が遅れていましたが、ようやく採決の機が熟してきました。野党側も維新が採決に応じる姿勢となったものの、民主・共産が拒んでおり、ギリギリの交渉が続いています。農協法案は、8日(月)に地方公聴会が開かれ、地域の意見も聴取して、採決に向けて大詰めを迎えています。一方、平和安全法制は、野党側が与党の提案する審議日程に難色を示し、累計の審議時間は35時間程度に留まっています。先週4日(木)の憲法審査会に参考人として出席した3人の憲法学者が揃って平和安全法制を違憲と述べた事で質疑がさらに難航しています。

 もっとも、平和安全法制は、昨年夏の切れ目のない安全保障体制構築する方針を示した閣議決定に基づき、関係省庁・与党内で内容を十分吟味してきたものです。閣議決定の際も、法制立案の際も、行政における「法の番人」たる内閣法制局が十分に審査・吟味しているものであり、当然憲法の枠内に収まっているからこそ、国会に提出されたものと思います。焦点の集団的自衛権も、国際法上の全てを認めるものではなく、我が国の存立が脅かされる特定の事態にのみ、いわば個別的自衛権の延長線上に例外的・限定的に認められている形となっています。あくまでも、日米同盟を基軸に、我が国の平和と安全を守るための法整備です。最近、日中関係もひと頃よりも雪解けムードとなり、我が国の国境離島をめぐる近隣諸国とのトラブルも沈静化している事を見ても、まさに「備えあれば憂いなし」です。併せて、国際社会が我が国自衛隊の平和維持活動に寄せる期待にも対応した法整備が盛り込まれており、特別委員会の審議を通じて皆さんに理解を深めて頂きたいと思います。

 さて、先週末は6日(土)の党高岡市連総会に出席したほか、地元の行事をこなし、8日(月)のかがやき536号で上京しました。国対委員会正副打ち合わせに始まり、財政再建特命委員会の2020年度に向けた歳出改革案の取りまとめに、事務局長代理として文案修正や各先生方との意見調整など汗をかいています。社会全体の高齢化が年々深刻となる中、社会保障費の自然増を制度の見直しや健康づくり等も様々な施策を検討、逐次実行に移すよう促します。その分、文教・社会資本整備等、政策的経費の純増の余地を残し、地方財政は国の社会保障引き下げと連動させて無理なく節約を進める方針です。アベノミクスの順調な展開により、26年度の税収も上振れが期待できるようです。経済再生と財政再建の「二兎を追って二兎を得る」提言案で近々の取りまとめを目指しています。沖縄の西普天間跡地の活用策の提言と併せ、月末に政府が策定する「骨太の方針」に反映させ、新年度の政策展開につなげて行こうとするものです。

 持ち場で汗をかき、大局の進展を念じる、そんな姿勢で、来週は今国会最大のヤマ場と覚悟して迎えたいと思います。

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国政報告(第282号)

 先週末は5月29日(金)の鹿児島県口永良部島の噴火、30日(土)の小笠原近辺を震源とする地震に驚かされました。島民の皆さんの島外避難など大変でしたが、犠牲者が無かったのは幸いでした。一方、国政では日本年金機構の情報システムから年金に係る個人情報が大量に流出する事態が発覚し、衆議院でも厚生労働委員会で集中審議が行われました。ウイルス攻撃の実態と対策、事態の発生から公表までの対応など、問題点が指摘されており、入念な対応が求められています。6月1日(月)の夕刻には町村信孝前衆議院議長の急逝がテレビの臨時ニュースで流れました。突然の訃報に驚き、議事進行係としてお世話になった事を含め、折々、気さくに声を掛けて頂き、ご指導頂いた事に感謝しつつご冥福をお祈りしています。僅か、一週間で幾つもの出来事があり、国会の流れにも影響を及ぼしています。

 この間、30日には三重県桑名市で全国山・鉾・屋台保存連合会の総会が開かれ、会長として出席しました。伊藤市長、桑名石取祭保存会の伊藤会長始め皆さんの素晴らしい準備で、囃しと祭車の見学、伊勢神宮の遷宮に伴って鳥居を桑名の一の宮に移設する「お木曳」行事への参加など盛り沢山のプログラムでもてなして頂きました。ユネスコ無形遺産への登録申請がなされ、来年秋に予定される審査に向け、全国各地から400名の参加があり、大いに盛り上がる大会となりました。

 31日(日)は電車を乗り継ぎ、夕方に富山に戻って、党氷見支部射水市金山支部の総会に顔を出し、最終の「はくたか」で新高岡駅から上京しました。1日は平和安全特別委員会のテレビ入り審議があり、朝8時50分からの国対正副委員長打ち合わせから東京での週明けとなりました。平和安全特委の審議は、29日に野党側が政府答弁が不明瞭として退席、3日(水)も審議時間が3時間で短いとして開催を拒むなど、厳しい情勢にあります。丁寧な審議ができる環境を整え、日程引き延ばしのための審議拒否を野党側にさせない雰囲気を作って行くのが私たち国対の役目です。一方、厚生労働委員会で審議されている労働者派遣法改正案は、質疑がかなり進んできたところで、年金機構の個人情報流出事態の発生の影響を受けています。農協法改正案を含め、重要法案の審議をどのように進め、参議院に送っていくか、まさに「胸突き八丁」の局面です。

 一面、着実に審議を終えている法案もあります。小学校と中学校の一体的運営を認める学校教育法改正案、選挙権の年齢を18歳に引き下げる公職選挙法改正案、さらに女性活躍推進法案も、修正の上、全会一致で衆議院を通過しています。

 また、党の政務調査会では、6月末の政府の「骨太方針」に向け、各委員会からの提言案が取りまとめの時期を迎えています。私の関わる財政再建と沖縄西普天間基地跡地活用の委員会も、来週は議員皆さんの意見集約で忙しくなります。2日(火)に立ち上がった散居村・屋敷林・生垣保存活用プロジェクト・チームでは、長野2区選出の務台議員を事務局長に、私が座長と言う事で、こちらは腰を据えての検討と思っています。今週は国会見学もラッシュで、庄川上流土地改良組合、福岡町長寿会、砺波建設業協会、西日本鉄道OB会の皆さんに激励して頂きました。2日はホテル・ニューオータニで恒例の県人会総会、3日(水)は石井知事、横山県会議長、五十嵐県会副議長から党選出国会議員への28年度重要要望説明、さらに、フィリピンのアキノ大統領の参議院本会議場での演説と、めまぐるしい一週間でした。会期末の24日(水)まで三週間を切り、ともかくも「スパート」です!今を生かせて頂ける事に感謝しつつ頑張ります。

 故町村議長の棺を国会正門でお見送りして、

梅雨晴れに 逝く人送る 葉擦れの音  (雲仙人)

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