国政報告

国政報告(第302号)

 両陛下を富山県にお迎えしての豊かな海づくり大会が、晴天のうちに無事終了し、26日(月)の夕刻に上京、27日(火)朝の党政務調査会の職員の方々と打ち合わせから総務部会長としての活動が始まりました。総務省の仕事は、3年前に総務大臣政務官を務めており、馴染みはあるものの、改めて各部局の現状と課題のレクチャーを受けています。部会の構成も、衆議院側の部会長代理に菅家・小林の2議員が決まり、順次、副部会長が指名されて活動が本格化しますが、当面は来年度の税制改正を議論する党税制調査会に部会意見を反映させる事が仕事です。

 永田町の現状は、先月末に通常国会が終わった後、TPPの大筋合意を受けた対策策定、補正予算の要否の判断、そして新年度の税・予算のセットへと政府が作業を進めています。これに与党政務調査会として意見をまとめ、政府に申し入れて行く過程が年末まで続きます。例年は臨時国会と並行して進む作業ですが、今年は国会開会のメドが示されないままに推移しています。国会が閉じているため、議員も必ずしも皆が在京で活動している訳ではなく、ウイーク・デーでも地元と往復しながら東京の日程をこなす方が多いものと思います。例年の環境との違いを感じつつ、部会活動のエンジンをかけて行く事になります。

 野党側からは、内閣改造も踏まえ、国会開会の要求が出されていますが、与党側ではTPPの交渉結果について、衆参の予算委員会で閉会中審査を行う方針のみ回答している現状です。今後の対応は、政府・与党幹部の皆さんの判断によりますが、仮に通常国会を1月上旬に前倒しして対応する場合は、公務員給与の人事院勧告に沿った改定案を冒頭に処理し、補正予算、本予算の順に審議を進めるものと予想されます。前国会で継続審査となった法務・厚生労働委員会の法律案の審議は4月以降にずれ込むものと思われ、この点だけは、前国会で国対を務めた私の立場で懸念するところです。

 28日(水)の朝、石井知事、横山議長、高平県議と宮腰党県連会長始め与党国会議員が集まり、国の機関の地方移転に係る富山県の要望について県側から説明を受けました。厚労省、文科省、消防庁の関係機関について受入れの希望があり、特に製薬産業の成長が近年著しい富山の現状に照らし、ジェネリック薬の審査や薬業行政に係るアジア諸国の政府職員の訓練を行う機関の誘致に望みが持てるのでは、との認識を共有しました。午後から、国会議員側を代表して私が知事に同行し、石破地方創生担当大臣に要望しました。また同日、国営農地防災事業庄川左岸地区の事業促進要望にて、砺波・高岡・小矢部・南砺の4市長が上京され、同行して齋藤健農林水産副大臣に要望しました。平成21年当選同期の4人のうち、伊東・齋藤議員が農水副大臣、小泉議員が党政調農林部会長となり、3人までが農水分野に集まる展開となりました。「橘さんも農水分野に来いよ!」と、皆から言われています。

 29日(木)は、党TPP対策本部の会合があり、11月末の政府の対策策定に向け、11月下旬までに党の方針を決めることとなりました。総務部会関係では大きな問題は無さそうですが、小泉農林部会長は早速フル回転です。久しぶりに政務官を終えた小泉議員と同席し、新しい持ち場での毎日が動き出したなあ、と実感しました。「心機一転」で取り組んでいきます。

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国政報告(第301号)

 前号の後、15日(木)の朝に羽田空港から飛び立ち、23日(金)の夕刻まで、議院運営委員会から欧州へ9日間出張しました。24日(土)の朝に富山に戻り、天皇・皇后両陛下ご臨席の下、「第35回豊かな海づくり大会・富山大会」の諸行事に参加しました。

 大会は、射水市新湊地区を主会場に、大島大会長(衆院議長)、森山農水大臣、丸川環境大臣などのご出席で盛大に開催されました。高度3千mの立山連邦から流れ出る良質な水が注ぎ込む深さ千mの富山湾には、多様な種類のさかなが数多く生息しています。「天然のいけす」を舞台に営まれる漁業と人々の生活や文化に焦点を当て、育てる漁業、良好な環境づくり、そして次代の漁業者育成への決意を参加者が確認し合う有意義な機会となりました。県・射水市関係者の入念な準備の賜物です。とりわけ、大会運営に関わる高校・高専生や、作文・意見発表をする小中学生の元気で清々しい態度と、終始温かく見守って頂いた両陛下のお姿が強く印象に残りました。

 欧州出張では、岸信夫団長(衆院議運理事)ほか5名の議員メンバーで、イタリア、スペイン、フランス三国を回りました。各国の下院議事堂、国立公文書館を訪問し、親日議員有志の方々と意見交換しました。イタリアでは、今月末まで開催のミラノ万博も訪問し、洗練された展示と美味しい日本食が評判の日本館を見学しました。スペインでは、独立の動きがあるカタルーニャの州都バルセロナに足を伸ばし、実情を伺いました。

 三国とも本会議場は我が国同様、半円形のすり鉢状で、運営についても、議運・国対に似た役割の組織や会議がありました。スペイン、フランスの本会議の定例日は火・水・木(日本は火・木・金)で、週末は議員は選挙区に戻るなど、共通点もありました。目下、欧州では、中東から流入する難民の受入れが課題ですが、当面はドイツの対応を注視しているようです。経済・財政については我が国と同様の問題意識で、成長戦略、観光振興、財政再建など日欧間で意見交換できるテーマが幾つもありそうです。

 公文書の取り扱いについては、各国の館で収集・分類・保存が地道に進められていました。憲法、人権宣言(フランス)、通商条約(イタリア)など、基本的文書が国民に向けて積極的に展示されていて、我が国の国立公文書館の在り方の検討方向と一致しています。

 私とすれば、2年前に家族旅行させて頂いたイタリアは別として、スペイン・フランスは四半世紀ぶりの訪問でした。街並みが一段と磨かれたトレド、交通渋滞がひどくなったパリなど、変化も感じつつ、街の社会資本に対する地道な投資の重要性を再認識しました。

 帰国と同時に政務調査会総務部会長を拝命しました。地方自治、情報通信、行政管理と、取り組んできた分野で頑張って参ります。

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国政報告(第300号)

 例年より早い時雨に見舞われた三連休、富山で10日(土)は氷見線・城端線のコンセプト列車「べるもんた」号の出発式、11日(日)は高岡市のグラウンドゴルフ場の開場式福岡の木舟城まつり、12日(月・祝)は茶道裏千家淡交会高岡支部の許状お引き渡し式と各行事に参加しました。「べるもんた」号は、どちらかというと車歴の長い気動車が主体の線区に何か新しい車両を、という地元の希望を踏まえ、JR西日本社にて、既存車両の改装ながらも観光要素満載の大胆なリフォームを施したものです。土日の運行ですが、既に一カ月以上予約で満席とか、新幹線に連動して沿線の活性化への寄与が期待されます。木舟城まつりでは、新高岡市合併10周年を記念し、中世から16世紀後半の「天正の大地震」で倒壊するまで、県西部の拠点であった木舟城の跡で、地元の皆さんが中心となり、武者行列が披露されました。生憎の空模様でしたが、要所要所で雨が上がり、関係者の心意気が天に通じるようでした。

 13日(火)朝のかがやき536号で、新高岡駅から上京しましたが、永田町では新しい副大臣・政務官が決まったものの、党人事も途上で、臨時国会の日取りも未定とあって、議員の姿もまばらです。例年なら、10月下旬くらいに召集され、人事院勧告を実施するための給与法改正案などの案件を処理するところですが、通常国会が異例に長期間にわたったこともあり、各委員会の海外視察も月末まで続くとあって、予定が立てにくいようです。

 前号で触れた通り、TPPの大筋合意がなされ、原発も九州電力の川内1号機に続き、川内2号機も間もなく稼働の予定です。その後は、関西電力高浜3・4号機、四国電力伊方3号機と原子力規制庁の手続きが終局に向かっています。沖縄では、辺野古沖の埋め立て承認を翁長知事が取り消したのに対し、沖縄防衛局が国土交通大臣に審査請求し、来月にも本体工事に着手する構えです。このほか、国民へのマイナンバー番号の通知手続きが始まり、消費税10%引き上げ時の軽減税率導入の検討を安倍総理が宮澤新税制調査会長に指示するなど、国政には様々な動きが出ています。国会閉会中とはいえ、予算委員会の閉会中審査が行われるようです。前国会の積み残し案件の処理のためにも臨時国会で審議を促進させる方が望ましいと思いつつ、昨年は思いもしない総選挙が打たれた事もあり、先行きを勝手に決めつけずに、富山と東京を往復しながら政務をこなして行こうと思います。13日はJAいみず野女性部の皇居清掃奉仕団の皆さんの激励と、南砺市井頭(いとう)敬神会の皆さんとの懇談、14日(水)は総務省政務官時代にお世話になったモザンビークのマカテ大使の離任に際しての夕食会に顔出ししました。

 明15日(木)からは、議院運営委員会の海外視察で、23日(金)までイタリア、スペイン、フランスと回ってきます。その矢先、萩山教厳先生の訃報が飛び込んできました。葬儀に出席できぬ非礼をお詫びし、6期20年間にわたり国政に参画され、能越自動車道や新湊大橋など地域の高速交通体系の実現に汗をかかれた先生の偉大な足跡を心に刻み、渡して頂いた富山3区のバトンを手に、微力ながら精進して参る決意です。

 国政報告も本号で300号となりました。帰国後の301号からは新たな党の役職にて前進して行きます。

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国政報告(第299号)

 国会閉会中の今週ですが、一番の動きは10月5日(月)、TPP交渉の大筋合意の知らせでした。民主党内閣時の参加検討表明から5年、安倍内閣となって交渉に参加してから2年半の長期間にわたる取り組みでした。この間、甘利担当大臣を中心に農業分野5品目(米、麦、乳製品、肉類、甘味作物)を守るという方針のもと、粘り強く交渉に当たってきました。当初は関税の即時撤廃との不安もありましたが、安倍総理と米オバマ大統領との首脳会談でお互いにセンシティヴィティを持つ重要な品目がある旨の合意ができ、米や麦の関税率は変更されませんでした。

 もちろん、各品目について、輸入数量の拡大や関税の引き下げ等、市場開放に向けた措置が取られますが、当初の交渉方針は守られたものと思っています。また、製造業の品目はもとより、和牛や水産物など我が国が輸出に力を入れている農水産品について、相手国の関税撤廃など交易条件が改善する効果もあります。今後、合意内容の詳細が明らかにされるとともに、農業分野を中心とした対策が立案され、協定署名後の年明けには批准に向けた国会審議が始まることになります。

 最終合意の段階では、医薬品等の分野で米国と他の国が激しく対立し、閣僚会議は当初の予定を2日延長しての折衝となりました。この間、甘利大臣が大筋合意に向けて米フロマン代表ほかのメンバーに強く呼び掛けるなど、我が国が重要な役割を果たしたものと見ています。これで、民主党政権以来の国政上の三つの重要課題として私が注視してきたTPP、原発再稼働、沖縄基地移設のうち、二つが大きく展開したことになります。九州電力の川内原発は1号機が順調に稼働し、2号機も今月中旬に稼働開始の予定で、四国電力の伊方原発が後に続く見込みです。残るは沖縄の普天間基地の辺野古への移設ですが、翁長県知事が辺野古沖の埋め立て工事の許可取消しを準備するなど、予断を許さない状況が続いています。ここを乗り切って2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、「日本を取り戻す」という公約実現に政府与党として進んで行きたいものです。

 私自身の今週の主な動きですが、3日(土)に若宮健嗣代議士をお招きし、富山第三選挙区・女性部共催の平和安全法制セミナーを開催、夕刻は才川昌一議員後援会で国政報告の機会を頂きました。4日(日)は陸上自衛隊富山駐屯地53周年5日(月)の国立富山高等専門学校創立50周年・創基110周年、6日(火)の全国すし(寿司)連富山大会と式典出席が続き、7日(水)は党北陸新幹線敦賀以西のルート検討委員会にて福井・石川・富山三県知事の意見を伺いました。また、3日朝には、高岡市伏木の勝興寺門前のポケットパークにて、地元自治会の皆さんによる大伴家持卿の銅像・歌碑の除幕式がありました。「しなざかる 越(こし)に五年(いつとせ)住み住みて 立ち別れまく 惜しき宵かも」との万葉集の家持卿の和歌を小生にて揮毫させて頂きました。恐れ多い事でしたが、元越中国庁跡に家持卿の銅像を建立したいという地元の皆さんの熱意に共感し、国会でも万葉集を披露させて頂いているご縁に感謝してお引き受けした所です。

 7日(水)には第3次安倍改造内閣が発足、9人の閣僚が交代しましたが、骨格の皆さんは留任となり、安定感のある布陣だと思います。これに伴い、私たち議員の人事も行われますが、国会で仕事をする機会を頂いて7年目、気持ちも新たに自分の営みを少しでもカタチに残せるように努力して行きます。

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国政報告(第298号)

 先月25日(金)に衆参両院とも、各委員会、本会議が一斉に開かれ、通常国会の閉会手続きがとられました。第189国会は27日(日)の会期末を待たずに静かに閉じられ、しばらくは秋の休会時期が続くようです。

 25日の夕刻に富山に戻り、26日(土)は2か月に1回の散髪位で静かな週末を過ごさせて頂きました。28日(月)に高岡市内で打ち合わせを済ませ、29日(火)に再び上京し、各省の積み残しのレクを受けました。閉会後の永田町は在京の議員も少なく、国会周りで街頭活動をする人影もまばらになりました。平和安全法制の成立がどのように受け止められていくのか、まだ確たる事は言えませんが、富山県連では各選挙区ごとに講演会を開催することになりました。私の第3区でも10月3日(土)に自由民主党富山県第三選挙区支部・女性部共催で若宮健嗣代議士にお願いして、衆院の特別委員会での審議に立ち会われた経験を下に、法整備の必要性をお話頂く予定です。

 安倍総理は国連総会への出席等の用務で米国に出張されており、各国首脳との会談の模様などが連日報道されています。平和安全法制を整備したからと言って、地道な外交努力の積み重ね無くして恒常的な安全保障は成り立ちません。米国はもとより、ロシア、韓国、中国首脳との接触、また、国連安全保障理事会の改革に向けたドイツ、インド、ブラジル首脳とのG4の活動など、精力的に動かれている様子を嬉しく思っています。

 私自身は、引き続き、石破大臣を応援していく考えですが、28日に結成された派閥には入りませんでした。初当選時に無派閥で活動する道を選択した以上、必要な時には駆け付けるが、日常の政治活動はこれまで通りのスタイルで進めていこうと思います。安倍総裁が再選された以上、そのリーダーシップの下、「日本を取り戻す」という初期の目的の達成に持ち場で努力していきます。

 30日(水)に富山に戻り、TPPの閣僚交渉の行方を気にしながら、10月7日(水)までの滞在予定です。1日(木)の朝は、高岡大和で開幕した「2015工芸都市高岡クラフト展」の開会式に出席、全国から応募された「用の美」を究めた作品を観賞しました。お昼は、今夏から同窓会長を仰せつかった県立高岡高校の創立117年式典に参列、同窓生の出町譲テレビ朝日ディレクターの人生の歩みと在校生への熱いエールを聴かせてもらいました。その後、射水市新湊の曳山13基の勇壮な引き回しの観覧に出向きました。

 国会が終わって久し振りに心を落ち着けて地元の行事に参加し、改めて地域の皆さんの多彩な活動や、次代を担う世代の活力によってこの6市が成り立っていることを強く感じています。地元のために、土台となるこの国のかたちをどう整えていくのか、しばらくは思いを巡らす充電期間としたいと思います。

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国政報告(第297号)

 前号を書き上げた直後、19日(土)午前2時過ぎに、平和安全法制案は参議院本会議で可決、成立しました。繰り返し述べて来たように、本法案は我が国の安全保障を強固なものとし、国連の平和維持活動に憲法の枠内で可能な限り貢献できるようにするものです。今後とも法の内容を国民の皆様に広く理解頂けるよう努力を続けるとともに、法に規定する重要事態が生じないように外交・安全保障面での努力を不断に続けることが大切と考えます。慎重な運用で法制定の意義に共感頂けるよう努力して行きます。

 連休に入った19日の朝の北陸新幹線をあさま、はくたかと乗り継いで富山に戻りました。深夜に及んだ国会対応の疲れを取りながら、シルバーウイークの様々な行事に出席しました。最終日の23日(水)は射水神社の式年大祭の神事で祝詞を奏上した後、JR西日本が10月から城端線・氷見線に運行する特別列車「べるもんた」(ベル・モンターニュ・エ・メール)の試乗会に参加しました。新高岡駅と城端駅を往復し、大きく見晴らしの良い車窓から秋のとなみ野の田園風景をゆっくり眺めました。新高岡駅・氷見駅間では、途中、高岡駅構内をスイッチ・バックで城端線から氷見線へと乗客を載せたまま移動する趣向との事、直通化構想にもエールを送って頂いた感じです。乗車券の予約も好調で、新高岡駅の乗降客数増加への寄与も期待されます。

 夕方からは、福岡の「つくりもん祭り」を訪ねました。今年は例年より多い47作品が展示されており、様々なテーマを野菜・果物などを上手く使い回してきめ細かく表現されていて、もはや「工芸」の域に達しつつあるようにさえ思えました。今年は、石澤全国商工会連合会会長のお招きで、豊永中小企業庁長官も来訪され、他に例を見ない伝統の「奇祭」を堪能されていました。

 23日の夜のはくたかで再び上京、実質の会期末となる25日(金)に向け、24日(木)はいつもの午前9時10分からの国対正副委員長打ち合わせ、11時からの議院運営委員会理事会に出席しました。大きなヤマを越えた感があるこの通常国会ですが、閉会に当たり、審査未了議案は継続審査となり、法務・厚生労働委員会などでは、次期国会に宿題を送る事になります。私の議事進行係の仕事も、今国会は25日の本会議の請願審査の動議が最後になりそうです。

 一方、午後からは党放送小委員会の第1次提言、沖縄の基地負担軽減を考える有志の会の立ち上げと大きな動きがありました。放送小委の提言では、インターネット時代におけるNHKの受信料の在り方を総務省・NHKにて抜本的に再検討する事を求めました。山本一太前沖縄担当大臣の強いリーダーシップで発足した有志の会では、島尻代表の下、沖縄の皆さんの基地負担の重さに他地域でも思いを致し、少しでも負担を分かち合っていく方策を探っていきます。辺野古への普天間基地移設をスムーズに進める後押しになればとの思いで、私も参加しました。

 17時からの両院議員総会で、安倍総裁の再任が報告され、事実上2期目に入りました。引き続き、「日本を取り戻す」ための公約実現を目指し、持ち場で頑張っていきます。

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国政報告(第296号)

 この報告は18日(金)の深夜、平和安全法制の審議が参議院本会議で行われている時点で書いています。15日(火)の中央公聴会、16日(水)の横浜での地方公聴会の後、参議院では、法案の委員会・本会議採決に向け、状況が緊迫しました。17日(木)には、鴻池委員長の解任動議が否決された後、夕刻に委員会採決がなされ、舞台が本会議に移りました。問責決議案が議院運営委員会委員長、中谷防衛大臣、山崎議長、安倍総理と4本出され、各々否決された後、18日午後2時に安倍内閣不信任案が衆議院に提出されました。

 この間、私たち衆議院の国会対策委員会では、参議院での審議を見守りつつ、終盤国会での案件成立を可能な限り増やす努力を進めてきました。状況が厳しくなる直前の16日午前の参議院本会議でも、内閣提出の医療法改正案、議院提出の琵琶湖保全法案が可決成立しました。内閣提出法案で言えば、75本中成立は66本超となる見込みで、成立率は88%強となりそうです。この点、会期末手前の24日(木)、25日(金)の審議にも期待をかけたい所です。

 とはいえ、16日午後以降は、参議院での平和安全法制の進捗をひたすらサポートする流れとなり、18日午後4時半に開会した衆議院本会議で内閣不信任案を否決したのが一番の仕事になりました。これで法案の審議が参議院本会議で再開され、冒頭、鴻池平安特委員長の問責決議案が出されましたが、否決されました。いよいよ、明19日(土)午前0時10分再開予定の本会議で法案の採決が始まるものと思われます。

 平和安全法制の成立までには、まだ緊張感を欠く事ができない状況ですが、敢えて所感を述べるとすれば、衆参両院で200時間を超える審議がなされ、様々な意見が出されました。法案の起草過程では、昨年の政府部内での検討、方針の閣議決定、そして具体的な法案の作成と、幾つもの段階で慎重な検討がなされ、集団的自衛権についても十分に限定的な内容にまで絞り込んで例外的に認める内容となっています。この間、昨年秋までは、私も党総務会のメンバーとして、法案に携わった政府職員の皆さんとも意見交換し、憲法の定めと整合する内容となるよう微力ながら努力した自負はあります。高村副総裁や公明党の皆さんも随分と努力され、当初の構想から見れば、極めて抑制的な内容に仕上がっていると思います。

 そうは言っても、多くの心配の声もある訳で、法案の提出、成立に努力した私たち、政府・与党とすれば、法案成立後は、その運用において、反対した方々の懸念を払拭するように努力しなければと思います。抑止力を高め、我が国の安全保障を強固なものとするとともに、近隣諸国との外交関係をより良いものに築いていかなければなりません。「戦争法案」というレッテルは全くの誤解だと思いますが、将来、確かにそうなるよう努力していきます。

 シルバーウイークをはさんでいよいよ会期末、最後まで実りある国会となるよう努めます。

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国政報告(第295号)

 台風17号が9日(水)に本州を縦断し、これに伴う雨雲が関東から東北に大量の降雨をもたらし、鬼怒川の決壊など、宮城・栃木・茨城に甚大な被害をもたらしています。11日(金)朝現在も、雨は東北北部で降り続いており、被害の全体像が判明するのはこれからですが、関係の方々にお見舞い申し上げます。豪雨・地震・火山噴火と自然災害が次々と起こる日本列島、ハード・ソフトの備えに辛抱強く取り組む必要を痛感します。

 先週末の4日(金)の午後から6日(日)まで、同期の伊東良孝代議士の招きで、北海道東部の釧路・根室地方を訪ね、釧路市(旧阿寒町)、浜中町、鶴居村の3か所で、党の「ふるさと対話集会」に参加してきました。坂本哲志代議士(党畜産酪農対策小委員長)に同行し、党北海道総合振興特委事務局長の立場で地元の方々と意見交換させて頂き、地域の抱える諸問題への理解を深める事ができました。釧路・根室地方の主産業は酪農と水産業であり、生乳生産への支援や、来年からロシアに禁止される北洋さけ・ます流し網漁の対策など、切実な意見を聴きました。また、地方創生が叫ばれる中、担い手の確保・育成が課題となっており、実際に事業を継承して頑張っている若手農業者にも会えました。阿寒湖・摩周湖など観光地も抱える地域で、札幌につながる高速道路が来春には旧阿寒町まで供用される事への期待や、空港・港湾・鉄道の整備・活用を求める声も強く頂きました。

 5日(土)には根室市・納沙布岬を訪ね、天候に恵まれて国後島、色丹島、歯舞群島をはっきりと目に焼き付けました。昭和20年、終戦の8月15日の後も、旧ソ連軍の攻撃が続き、北千島から南千島までを占拠し、住民は大変な苦労をして北海道に逃れた事など、当時の経緯を詳しく説明頂き、北方領土問題への取り組みの想いを新たにしました。とりわけ、色丹島、歯舞群島に住んでおられたのは、殆どが黒部市を始め富山県由来の方々であったこと、宮腰光寛県連会長が根室地域の振興に取り組んでおられる原点に触れたように思えました。ご縁あって、7月に続いて道東を訪ねる機会を頂き、伊東先生に感謝しつつ、この地域の課題解決にも汗をかく決意です。

 7日(月)からの国会は参議院の動きを見守る展開です。9日(水)には、3国会をまたいだ労働者派遣法改正案が修正議決され、11日の衆議院本会議での同意を経て成立する見込みです。刑事訴訟法など、衆議院から送った案件がまだ参議院に残っており、一件でも多く成立させるため、野上浩太郎議運筆頭理事ほか皆さんが精力的に取り組んでいます。しかし、来週に入れば、会期末まで残るウイーク・デーは7日間となり、平和安全法制の採決に向かわなければなりません。審議時間は90時間台半ばに達する見込みで、15日(火)には中央公聴会も予定されています。本案件の取り扱いが来週の焦点であり、参議院の努力を衆議院としても見守っていきます。

 このほか、8日(火)に総裁選が告示され、無投票で安倍総裁の再選が決まりました。10日(木)には、北陸新幹線の敦賀以西のルート検討委員会の2回目が開催されました。昭和48年の小浜ルートでの整備計画決定の経緯を事実として勉強し、次回以降は沿線自治体、JR西日本、鉄道・運輸機構等の意見を順次聴取し、丁寧な過程を踏んで結論を出していく事で出席者の思いが一致しました。

 また、石破派立ち上げの動きもありますが、自分としては石破大臣を応援しつつ、引き続き無派閥で活動して行く考えです。

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国政報告(第294号)

 猛暑で始まった今年の夏は、お盆明けからぐっと涼しくなり、収穫期を迎えるお米の出来もちょっと心配される九月初旬の状況です。ふとカレンダーを見ると、通常国会も会期末の27日(日)まで3週間余り、土日祝を除けば実質14日間を切っています。参議院の平和安全法制の審議も今週末には70時間を超え、大詰めを迎えつつある中、衆議院では内閣提出法案を一本でも多く仕上げる努力を続けています。これも、参議院に送った後に確実に審議してもらえることが条件となるので、最終盤という所です。

 先週末は、30日(日)に高岡市野村地区の坂林市議の講演会で国政報告を簡単にさせて頂き、31日(月)のかがやき536号で新高岡駅から上京しました。各省庁の新年度概算要求が出そろい、順次関係資料も届いており、説明をお願いする関心事項の洗い出しを進めました。来週からレクチャーを受けていく予定です。

 この間、国政上の課題の動きとすれば、TPP交渉の閣僚会議が8月には開かれず、今月以降に持ち越しとなりました。依然として妥結の見込みは不透明です。九州電力の川内原発1号機は、フル出力に達し、10日(木)から営業運転の予定です。次いで、川内2号機、高浜3、4号機、伊方3号機と、原子力規制委員会の厳しい安全審査を終え、再稼働の準備が進みます。沖縄の普天間基地移設問題は、辺野古沖での作業を1か月停止して、国・県の話し合いが続いていますが、未だ難航しているようです。私は、先行して今春返還された西普天間住宅跡地の利活用に関わっていますが、少しでもお役に立てれば、との思いで協議を見守っています。一方、景気は中国の減速の影響が懸念されるところであり、対策の必要性があるか、見極めていかなければなりません。

 3日(木)には、佐田党道州制推進本部長に同行して官邸に安倍総理(総裁)菅官房長官を訪ね、最近の道州制についての検討状況を報告しました。中長期的に我が国に道州制を導入して行く方針は変わらないものの、足元では市町村からも性急な移行には反対の声が強く、これまで国会提出を模索してきた道州制法案については一度棚上げする事となりました。地方創生の視点も含め、都道府県の広域化や国の権限の移譲をどのように進めるべきか、腰を据えて議論して行きたい旨、本部での7月30日(木)の取りまとめ結果を本部長から総理に説明、了解頂きました。安倍総理からは、大事な論点であり、引き続き精力的に議論し、良い提案が出てくれば取り組んで欲しいとの激励の言葉を頂きました。佐田本部長としては、広域連合制度を活用し、国の権限を特区型で移譲する事で突破口を見出したい考えであり、私も事務局長代理として努力していきます。

 3日(木)の衆院本会議では、参院で修正議決された個人情報保護法案に同意、成立させたほか、6委員会の審議を終えてから6法案5条約を参院に送りました。この11案件は、与党はもちろん、民主・維新も全て賛成であり、平和安全法制の動きとは別に、国会の立法機能を果たす営みが続いています。来週、再来週といよいよ緊張感を高めての国会運営、現場から報告して行きます。

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国政報告(第293号)

 21日(金)、台風15号より一足先に沖縄へ入り、22日(土)は山本一太前沖縄担当大臣、島尻安伊子沖縄県連会長とともに、西普天間住宅跡地が今春米軍から返還された宜野湾市、県立普天間高校、琉球大学医学部を訪問し、佐喜真市長、県謝花部長、下地校長、松下医学部長ほか関係の皆さんと懇談してきました。その後、台風は沖縄から九州へと進み、豪雨等の被害が出ました。関係の皆様にお見舞い申し上げます。

 西普天間地区の広さは50ha余り。将来の普天間飛行場の返還のモデル・ケースとするべく、国・県・市の協力で事業を進めようとしています。今は、埋蔵文化財の試掘や、支障物件の有無の調査が進められており、上物を取り壊し、区画整理事業に着手できるまで、およそ3年間かかると見込まれています。7月に市が地主会の皆さん等と調整して決定したゾーニング計画では、琉球大学医学部・附属病院と県立普天間高校の移転をメインに考えています。実際の工事は数年後になる訳ですが、その間にも、隣接する米海軍病院との交流や、高校・大学間の連携、地域の健康づくりへの貢献が期待されます。懇談では、市、地主会から既存の国道等へのアクセス道路の整備を図るため、跡地に隣接する産業地区(インダストリアル・コリドー)の返還前倒しを強く求められました。また、現在の普天間高校の周囲の密集市街地の解消、高校でのグローバル人材育成への期待、琉大医学部・附属病院を中心とした国際医療拠点形成に向けての検討状況など詳細に知る事ができ、「骨太方針2015」に基づく国の支援が確実なものとなるよう努力を続ける気持ちを新たにしました。

 現在、国と沖縄県との間では、普天間飛行場の移設先となる辺野古沖での埋立工事を巡り、一カ月という期限を切って話し合いが続いていますが、西普天間地区の活用については、気持ちを一にして頑張って行きたいと、決意を新たにしました。

 22日に空路東京経由で無事富山に戻り、23日(日)は福光南部地区後援会の総会に野上・堂故両参議院議員とともに出席し、手短かに国政報告をさせていただきました。24日(月)には上京し、月末の新年度予算要求締め切りに向け、各省庁の取り組みを報告する政務調査会の部会に出席、情報収集に努める毎日でした。地元からの来訪も、24日に東海北陸道の要望で、知事、小矢部・南砺市長、25日(火)に党南砺市・砺波市青年部OBの皆さん、27日(木)に富山駐屯地の要望で砺波市長と続きました。

 一方、国会は、参院の平和安全法案の審議を軸としながらも、両院で案件審議が進みました。衆院ではドローン対策の航空法改正案を全会一致で参院に送り、来週3日(木)に予定される本会議でも数本の案件を処理できる見込みです。参院でも、女性活躍法案、農協法案など大型案件も成立の見通しで、労働者派遣法案も審議が大詰めを迎えています。全体として、内閣提出法案の成立率はかなり上昇し、継続案件を絞り込めそうな情勢です。

 会期末まであと一か月、実りある国会となるよう、国会対策に努めつつ、新年度予算要求案を把握、適宜報告して行きます。

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