国政報告

国政報告(第358号)

 12月に入り、東京では黄色く色付いた銀杏の葉が風に舞い散る風景が冬の訪れを告げているようです。臨時国会も会期末を14日(水)に控え、焦点となったTPP批准案、年金改革法案、IR法案の審議が参議院で大詰めとなっています。この間、議員立法が順次成立しており、自転車活用、無電柱化促進、官民データ活用、がん対策基本法改正など、多くは全会一致を見ています。この点では今国会は会期延長により実りが大きかったと言えるでしょう。IR法案については、政府に一年以内に本格実施のための法案作成を義務付けるものであり、ギャンブル依存症対策など具体的論点の取り扱いは実施法の審議に委ねられたものと理解しています。

 先週末は、在京当番明けの3日(土)に朝一番の新幹線で新高岡に戻り、五箇山から順次、第三区内党支部長・幹事長の皆さんの挨拶回りに入り、4日(日)は山・鉾屋台行事のユネスコ無形文化遺産登録を祝う県・関係三市主催の行事に出席しました。魚津城端高岡の三つのお祭りの様子がビデオで紹介され、お囃子が披露されました。また、近隣の飛騨・高山・大垣・七尾の四市もゲストにお招きし、それぞれ登録された祭行事が紹介されました。改めて、登録成就を喜ぶとともに、個々の祭りの個性の素晴らしさを感じ、33行事のみならず、全国各地の地域を支える伝統祭事の弥栄を念じました。また、故瀬島龍三さんから東海北陸自動車道の建設に際し提唱頂いた「飛越能」という地域構想が、祭行事の面でも実感でき、改めてその将来可能性を感じる機会にもなりました。

 5日(月)朝に上京し、復興庁と議員会館を往復しながら、新年度に向けた様々な作業の進捗を確認しています。8日(木)には党税調で税制改正大綱がまとまりました。昨年は総務部会長として幾度も発言しましたが、今年は政府側であり、出席せず結果を聴くのみでしたが、復興庁関連の税の特例はいずれも延長が認められ、額賀小委員長に御礼を申し述べました。予算については22日(木)を目途に編成作業が進められているようです。復興庁では、夏の与党からの六次提言を受けて、福島第一原発事故に伴い帰還困難区域とされてきた地域に復興拠点を設け、再生を図っていく方針の下、福島復興再生特別措置法の改正に合わせ、新たな事業・施策を如何に展開していくかが焦点です。今後、党の復興加速化本部でも議論頂き、次期通常国会への提出案をまとめて行きます。

 同じく8日、衆院東日本大震災復興特別委員会が開かれ、今国会2度目の質疑を受け、答弁に立ちました。折しも、高岡商工会議所の議員視察で国会を訪ねられた皆さんが委員会傍聴に来て下さり、答弁の場面を見て頂きました。質疑は、先月の福島浜通りへの委員会視察を踏まえたもので、最近、横浜や新潟で福島県から避難している子どもに対する学校でのいじめが明らかになったことで、再発防止策や、放射線に対する正しい理解、風評払拭の取り組みを質す質疑を多く頂きました。私自身、風評払拭に向け、農産物の流通経路である東京の市場、卸、小売の現場に出向き、関係者から実情を伺う活動を続けています。地道にかつ効果的に取り組んで行きたいと思います。来週からはまた東北の現地に伺い、新たな課題をつかんできます。

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国政報告(第357号)

 1日(木)の午前2時2分、エチオピアの首都アディスアベバで開催されていたユネスコの会議で、我が国が提案した「山・鉾・屋台行事」の世界無形文化遺産への登録が決定されました。国の重要無形民俗文化財に指定されている33件の祭り行事が一括して登録されたもので、富山県からは「魚津のタテモン行事」、「城端神明宮祭の曳山行事」、「高岡御車山祭の御車山行事」の3件が対象となっています。登録を機に、地域の元気の源として、また、素晴らしい観光資源として、それぞれの祭礼行事が伝統を守りながら、さらに栄え行くよう願っています。また、33件以外のお祭りについても、それぞれの文化的な良さがあり、今回の登録が全体に好影響を及ぼす事を期待しています。

 先週末の26日(土)は在京当番で、久しぶりに休日の東京を体感し、27日(日)の早朝に新幹線で新高岡に戻って、2か所で国政報告をさせて頂きました(会計士の皆さん四方県議後援会の皆さん)。平成24年冬の総選挙によって、自公連立の第二次安倍内閣が誕生し、「日本を取り戻す」との公約の下、再び国政のかじ取りをさせて頂いて4年間が経ちました。平成32(2020)年の東京オリンピック・パラリンピックまであと4年弱、政権とすれば、内政・外交に一定の成果を挙げながら、いわば「折り返し点」にあるとも言えます。ここへ来て、イギリスのEU離脱宣言、アメリカ大統領選でのトランプ氏の勝利、韓国の朴大統領の退陣表明と、我が国を取り巻く国際情勢にも大きな変化が生じており、先行きが見通しにくい現状です。財政再建の道も、消費税10%への引き上げを平成31年10月に先送りしたため、歳出削減の努力は続けるものの、歳入面では税収の伸びが不透明になっています。また、向こう3年間の経済運営をどうしていくか、平成29年を1ヶ月後に控え、方向感の見出しにくい状態です。このような自分なりの見方を率直に述べさせて頂き、その上で、経済成長と財政再建の両立、日米関係を基軸に、平和と自由貿易を尊重する「地球儀を俯瞰する外交」という、政権運営の基本をブレることなく追求して行く事が大切だと、自分の意見をまとめました。

 週が明けて、29日(火)の衆院本会議で今臨時国会の会期が14日間延長されました。TPP協定の批准と年金改革法案の成立を期すもので、これからは論戦の舞台を参議院に移しての展開となります。私も復興庁において、新年度の税制改正、予算編成作業を進めて行く時期です。また、国会情勢が許せば、東北に出張し、岩手・福島にて未訪問の市町村に伺う予定です。10日(土)にはJR常磐線の浜吉田・相馬間の運転が再開され、仙台から南相馬まで再び鉄路がつながります。復興・創生への歩みを一歩一歩後押しする中で、28日(月)には党高岡市連青年部と田中南砺市長後援会の皆様が副大臣室に来室され、暖かい激励を賜りました。29日には高岡市議会自民同志会の皆さんが研修に上京され、夕刻には竹芝で「おやべ・ひみ・たかおか企業交流交歓会」も開催されました。地元から元気を頂きながら、前進して行きます。

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国政報告(第356号)

 24日(木)の東京は、朝から54年ぶりの11月の雪となり、都心はさすがに積もらなかったものの、郊外では観測史上初の今月の積雪となりました。今週は、安倍総理が米国から南米へと外遊され、APEC首脳会合に出席されるとともに、トランプ次期米大統領、プーチン露大統領等と相次いで会談されました。一方、トランプ氏が大統領就任初日にTPP離脱を宣言すると表明するなど、先行きが不透明になる出来事もありました。そして、22日(火)の福島県沖でのM7.4の地震と津波の発生には、復興庁にも緊張感が走りました。幸いにも被害は拡大せず、ホッとしながら、改めて自然災害と隣り合わせの現状を痛感させられました。

 先週末の19日(土)は、北海道12区から武部勤先生に富山に来県頂き、小矢部市にてふるさと対話集会を持ちました。松沢地区での農業者との対話石動地区での商工業者との対話に、小矢部出身の山田俊男先生にも駆け付けて頂き、JA改革、米政策、観光振興、基盤整備など幅広い分野で皆さんの意見を聴かせて頂きました。対話の合間に、高岡市福岡町のハトムギ乾燥・保管施設稲葉山市営牧場も見て頂き、畑作主体の北海道東部の農業との大きな違いを感じ取って頂きました。夕刻には高岡で第三選挙区支部の歯科医師の皆さんに拠る後援会の発会式があり、出席して御礼と併せ、国政報告をさせて頂いた後、深夜に帰京しました。

 20日(日)朝6時32分の東北新幹線はやぶさ号にて仙台に向かい、宮城県東松島市野蒜(のびる)地区のまちびらきにて復興庁から祝辞を申し述べました。丘陵を切り開き、津波被害に遭った海沿いの集落、JR仙石線の駅舎、小学校をまとめて高台移転を成し遂げたものです。「ひがしまつしま福幸まつり」に合わせ、防災集団移転促進事業の最後の区画引き渡しや小学校新校舎の内覧会が開かれ、新たな街づくりへの第一歩が踏み出されました。

 22日の朝5時59分、赤坂の議員宿舎でも、地震の揺れを感じ、その後も免震構造故のきしみ音を伴った揺れが普段より長く続いたので、思わずテレビをつけたら、震源地が福島沖で、津波の恐れがあるとのこと。画面に見入りながら、新村秘書官にメールを送り、議連の集まりに出る朝一番の予定の変更の相談をかけました。幸いにも大きな被害が出ず、津波の到達も遅れ気味となるうち、7時40分に迎えの車が到着し、まずは復興庁に登庁する事にしました。先立って7時30分に登庁された長沢副大臣から福島復興局からの情報を聴くうち、今村大臣も登庁されて幹部の皆さんと早速打ち合わせを持ちました。結果、長沢副大臣に福島県に出向いて現地の事情を確認頂くとともに、衆院原子力特別委員会での答弁は私が代わって行う事となりました。津波は仙台港で1m40cmを記録したものの陸地への影響は小さく、いったん避難された住民の皆さんも津波警報・注意報が解除されると自宅に戻られる等、マグニチュードの大きさに比べて影響は軽微に留まったのが幸いでした。

 23日(水)はいったん富山に戻って小矢部政経連合会の発会式に臨み、深夜に帰京して雪の24日を迎えた訳です。この後、30日(水)までの臨時国会の会期をどうするか、来週に向け、大詰めを迎えます。

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国政報告(第355号)

 今週は各種団体の全国大会や、地元からの要望の上京のピークとなり、会合を幾つも掛け持ちする日が続きました。看護連盟、土地改良区、青年農業者、商工会、北陸経済連合会など、多くの方々にお会いしました。市長会、町村会、町村議長会の皆さんの訪問もあり、議院会館の事務所も千客万来の賑わいでした。残念ながらお会いできない方、出席できなかった会合もあり、お詫び申し上げます。

 週末の12日(土)、朝は党県連の常任顧問会議があり、このほど復党された綿貫民輔先生に県連最高顧問に就任頂く事に決まりました。午後一番、高岡事務所に県立高岡西高校の今井校長先生、水上生徒会長ほか役員の上森さん、林さんが来訪されました。文化祭でのオリジナル・クリア・ファイル販売収入など3万円余を東日本大震災被災地の復興に役立つよう寄付したいとの申し出を受け、高岡と大伴家持のご縁がつながる宮城県多賀城市の多賀城高校を紹介しました。震災の経験を活かして災害科学科を設け、教育目標の「さとく ゆたかに たくましく」が高岡西高校の校訓と偶然にも一緒という奇遇も重なりました。13日(日)は、高岡市伏木で開催された第8回富山県山(車)・鉾・屋台・行燈祭交流会議にて祝辞を述べ、徳茂雅之参議院議員を招いての呉西郵便局長会研修会で挨拶の後、新幹線で上京しました。

 週明けの14日(月)は9度目となる被災地への出張で、宮城県東松島市で復興庁が主催する地域復興マッチング「結の場」に出席しました。これは、被災地域の企業が抱える多様な経営課題の解決を図るため、大手企業等が、技術、情報、販路など、自らの経営資源を幅広く提供する支援事業で、今回で18回目でした。地元から、製造、飲食、観光、情報提供など様々な業態の8企業が参加し、大手企業の社員の皆さんに現状や抱える課題を話し、様々な助言を受けました。普段出会わない方々の対話の中から、意外な強みや改善点が見出される場面もあり、側で聴いていても良い刺激を感じました。「結の場」では、これまでに、事後に具体的な共同事業に発展した例が幾つもあり、今回も今後の展開が楽しみです。

 16日(水)には、東京の大手町で宮城県気仙沼市のメカジキをPRする催しに出席しました。水産業が主要産業である気仙沼は、カツオの水揚げ量が20年連続全国一位であり、サメのフカヒレも名産として知られていますが、第三のサカナとして、地元で食材として馴染みの深いメカジキを売り出す事となりました。商工会議所の菅原会頭が音頭を取られて市内の各業界が協力し、キリンビール、三菱地所、日本財団の支援も受けてPRビデオや多様な料理法を準備し、東京でのイベントに臨まれたものです。刺身、しゃぶしゃぶ、西洋風調理など、多彩な食べ方の提案があり、来春には缶詰など加工品も売り出す予定との事、なりわいの再生に弾みが着くよう期待しています。17日(木)には、風評被害払拭の取り組みとして、11日(金)のシンガポール大使館に続き、EU代表部にイスティチョアイア=ブドゥラ大使を訪ね、輸入規制の更なる緩和・撤廃を要請しました。

 一方、臨時国会は会期末まで2週間を切り、衆院では17日、18日(金)と本会議が続き、内閣提出法案に加え、議院立法も参議院に送り始めています。17日の安倍総理のトランプ次期米国大統領との会談を踏まえ、内外の情勢がどう展開するのか、来週も注視します。

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国政報告(第354号)

 9日(水)午後、アメリカ大統領選の結果が判明し、大方の事前の予想を覆してトランプ氏が当選しました。アメリカの国民が下した判断であり、我が国としてもこれを受け止め、外交の基軸である日米同盟関係の進展を図らなければなりません。市場も株価がいったんは大きく下げましたが、10日(木)には元の水準まで大きく上げており、今後の展開を注意深く見ていく流れだと思います。

 国会は、4日(金)に衆院の特別委員会でTPP協定批准案が採決され、野党側が態度を硬化させて波高い週末となりました。それでも、国対関係者の交渉の結果、8日(火)に本会議が立ち、各委員会の審議を終えた11案件を可決しました。このうち、参議院先議のパリ協定の批准が決まり、国際的な地球温暖化対策の取り組みに我が国も参加していくことになりました。また、消費税10%への引き上げ時期を延期する法案、人事院勧告を実施する法案などが参議院に送付され、衆院ではTPPのほか、年金制度改正法案など10案件程度の審議を残すのみとなりました。今後は参議院の審議が本格化しますが、会期末まで3週間の展開が焦点となります。

 週末の地元での活動は、5日(土)、翌日公示の南砺市会議員選挙に我が党の公認・推薦を得て出馬する22陣営の激励に、四方第三選挙区支部幹事長と出向きました。定数が24から20に減り、26人が出馬する激戦で、地域事情のために党の公認・推薦者も定数を超える異例の事態となりました。13日(日)の投票日に向け、それぞれのご健闘をお祈りしています。

 6日(日)朝に上京し、横浜赤レンガ倉庫前で、「全国ふるさとフェア2016」の一環で開催された「東北6県入魂!ストリート」のステージ挨拶に臨みました。復興庁の「新しい東北」発信事業として文化放送さんとよしもとクリエイティブ・エージェンシーさんが協力して取り組む催しで、東北の伝統工芸品の魅力と技を若者を中心に発信するものです。現地から関係者が出店し、千原せいじさんとよしもと住みます芸人の皆さんがステージで産品を紹介してくれました。当日の模様はダイジェストの上、ラジオ放送されるそうです。宮城から持ち込んだ三陸沿岸のホヤの加工品も無事完売でき、嬉しい成果でした。

 9日(水)に復興推進委員会が開催され、伊藤元重委員長ほか委員の皆様に復興の現状を報告し、岩手・宮城・福島3県からの現状報告と委員の皆様の被災地視察の報告を受け、観光面での風評被害対策の強化、官民連携の推進など、意見を承りました。ハードの再生が一歩ずつ前進する中、その中で生活となりわいをいかに再生、さらには創生していくか、ソフト面での取り組みが重要との共通の思いがあり、さらには、「新しい東北」の実現による「心の復興」へと進まなければなりません。帰還困難区域の残る福島県を始め、課題の残る地域の手当てにしっかり取り組みながら、復興施策の目的達成に向け、引き続き頑張っていきます。

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国政報告(第353号)

 11月3日(木)、文化の日を今年は東京で過ごしています。科学技術振興機構(JST)の科学と社会をつなぐイベント、「サイエンスアゴラ2016」にて、東日本大震災から5年の復興歩みをテーマに取り上げて頂いたことから、復興副大臣として出席しました。秋晴れで木々の紅葉も少しづつ進む中、お台場の会場までの車のドライブも心地よい好日でした。

 先週末の10月29日(土)は、6日(日)公示の南砺市・砺波市の市長選に向け、田中市長の事務所開き夏野市長の励ます会に出席しました。お二人とも、着実に実績を積み、明確な個性で市民の皆さんの信頼も厚く、それぞれ3期目・2期目に向け、着実にコマを進めておられます。私も大いに期待しています。30日(日)は陸上自衛隊富山駐屯地の創立54周年記念式典に出席しました。豊田司令から災害への対応力を強めるための敷地拡張計画の進捗を含めた式辞があり、心強く感じました。隊員の皆さんは、国内の災害時の支援はもとより平和・協力活動にてハイチや南スーダンにも出向いておられ、私からも尊い活動に心から謝意を申し述べました。

 31日(月)にかがやき536号で上京し、まずは崇仁親王殿下薨去のお悔やみの記帳に出向いた後、復興庁の業務に入りました。1日(火)の午前に衆院の東日本大震災復興特別委員会の質疑が3時間行われました。冒頭、自民党の石川昭政議員の質問に初答弁させて頂きました。総務大臣政務官の時から3年ぶりの出番で、緊張しましたが、その後は大臣ほか皆さんと質問者のやり取りを聴きながら、勘が戻ってきました。午後の本会議では、今国会の主要案件の一つである「国民年金法等一部改正法案」の趣旨説明・質疑があり、これで内閣提出案件がほぼ出揃った感じです。TPP協定も、いったんは2日(水)の委員会で採決し、4日(金)の本会議で衆院通過の日程で与野党合意し、さらに、消費税引上げ延期法案、パリ協定、人事院勧告実施のための給与法改正案など9案件が委員会採決を終える所まで、順調な流れができかけていました。

 ここで、1日夜の自民党議員のパーティにて、山本農水大臣の「冗談でクビになりそうになった」との失言が飛び出し、俄かに情勢が不透明になってしまいました。与党側は2日のTPP採決をあきらめ、4日の委員会採決を提案していますが、3日段階では折り合えず、当日の与野党間調整に委ねられた状態です。政務三役の一員として、気を引き締めて臨んでいかなくては、と自戒しています。

 冒頭に述べたサイエンスアゴラの復興関係セッションでは、福島県と熊本県の高校生3人が、被災体験を持ちながら、それぞれ、医者、原子力技術者、防衛医官を目指して学業に励みながら、将来はふるさとの再興に力を尽くしたいと言う熱く、かつ、みずみずしい思いを語ってくれました。地元の皆さんにも聴いてもらいたい内容でした。復興・創生も、最後は次代を担う若者の皆さんの力に頼る所が大だと感じています。3人の今後の活躍に期待しつつ、自分も大いなる元気を頂いて明日に向かいます。

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国政報告(第352号)

 議員会館前の通りの銀杏も少しづつ色付き、朝晩の冷え込みにも急に秋の深まりを感じる中、臨時国会でも案件の処理が進み始めています。通常国会から継続審査となっていた外国人技能実習生の制度変更の法案が25日(火)の本会議で参議院に送られ、参議院側でもパリ協定の審議が進んでいます。TPP協定については、与野党間で審議の進め方を巡り対立もありましたが、北海道と宮崎県での地方公聴会を終え、大詰めに近づいています。

 私については、先週末の21日(金)、22日(土)と地元にて知事選、県議補選の応援に入りました。22日の午後は、「慢性の痛みに関するシンポジウム」に出席し、議連の事務局長の立場で健康寿命の延伸と効果的な医療提供の観点から、慢性疼痛についての研究促進や国内で相談・治療ができるセンターの整備の必要性を訴えました。幸い、厚生労働省でも施策として取り組んで頂いており、新年度予算にも期待のかかる所です。

 土曜の夜に上京して、23日(日)は宮城県山元町で復興拠点として整備された「つばめの杜」地区のまちびらき式典に副大臣として出席しました。JR常磐線を海側から移設し、新しい山下駅の西側に保育所・小学校・商業施設が集中して立地する市街地を形成したものです。山元町では、海側の被災した集落からの集団移転により3つの拠点を新たに設け、そのうち二つがまちびらきするに至りました。応援職員を派遣していた全国各地の自治体の代表の皆さんも招待され、齋藤町長のご挨拶、小学生・中学生の代表二人による力強い誓いの言葉で元気なスタートが切られました。12月には宮城県の浜吉田駅から福島県の相馬駅まで常磐線が復旧することで、地域再生が前進するものと期待されます。帰途、岩沼市に立ち寄り、菊地市長のご案内にて昨年まちびらきした玉浦西地区を訪問し、生活が落ち着いてきた姿を拝見することができました。

 夕刻、仙台から大宮経由で富山に新幹線で戻り、石井知事の四選酒井立志さんの県議補選初当選をお祝いしました。24日(月)は党文部科学部会高等専門学校PTの坂本哲志座長、八木哲也事務局長に来県頂き、富山高専の本郷キャンパス射水キャンパスを田畑議員、堂故議員と一緒に見学しました。ものづくりの最前線や航海士・機関士として活躍する有為な人材を養成する一方、地域の企業や外国の学校とも幅広い交流・連携に努力されている現場に伺い、高専の重要性を再認識しました。

 25日(火)からは東京で復興庁と議員会館を行き来しながらの毎日に戻り、27日(木)には衆院東日本大震災復興特委にて今村大臣とともに就任挨拶を行い、来週以降には質疑が予定されています。復興を巡る様々なご意見、ご指摘に耳を傾け、仕事を前進させていきたいと思います。

 27日朝、三笠宮崇仁親王殿下が薨去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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国政報告(第351号)

 秋らしい天候が続く中、臨時国会も4週目となり、TPP特別委員会の審議を巡り、予断を許さない展開となっています。先週、応援に行った新潟県知事選挙は相手方候補の勝つところとなり、党活動の在り方について反省しています。富山でも23日(日)の投票日に向け、県知事選と県議補選が終盤であり、気を引き締めて臨まなければ、と思います。

 先週末は15日(土)の在京当番が交代となり、富山にて選挙の個人演説会に弁士として連夜顔を出して17日(月)朝の「かがやき536号」で上京しました。復興庁勤務も3か月目となり、臨時国会前に被災地を訪問して自治体等から頂いた課題の調査もほぼ終わり、回答できるものはお知らせしています。東日本大震災の発災から5年7ヶ月、被災地の努力と内外の支援の積み重ねにより、復興は一歩一歩前進しています。自治体によっては、復興事業を終えた所も出てきており、「復興・創生期間(平成28-32年度)」の位置付けの通り、新たな地域づくりの芽も育ち始めています。もっとも、福島第一原子力発電所事故により避難を余儀なくされた十二市町村では、帰還が可能になった箇所から地域再生に取り組んでおられる現状で、帰還困難区域の取り扱いもこれから具体化させる段階で、強力かつ粘り強い対応が必要と感じています。

 全体として、施設の復旧・復興というハード事業が順次完工を迎えていく中、地域の再生・創生に向け、生活となりわいの回復・創造のための様々なソフト面での取り組みが大切になっていると思います。まずは仮設住宅で生活されている方々が、防災集団移転・区画整理・災害公営住宅などの事業により、「恒久住宅」にスムーズに移動頂けるよう努めることです。さらに、農林水産物を始めとする産品の販路拡大や風評被害の払拭、水産加工業等での人材不足への対応、地域の担い手となる若手人材の育成、役場の応援職員の確保などなりわいを確実なものとしながら、被災地での地方創生、すなわち「新しい東北」の実現につないで行くことです。福島の十二市町村では、さらに日常生活を支えるサービス機能や、教育・医療・介護面の機能を復活させるため、特段の対応が必要です。現地で再開される学校、医院、福祉施設等が円滑に運営され、住民の皆様が安心して帰還頂ける環境を整えていかなければなりません。日々変化する現地の状況を把握し、的確な対応を心がけていきます。

 以上、復興の取り組みに参加させて頂いて思い、感じている所を綴りましたが、これを毎日の取り組みにつなげていかなければなりません。今週は18日(火)に福島県のアンテナショップ、「日本橋ふくしま館・MIDETTE(みでって)」に伺い、多彩な地場産品を紹介し、首都圏での情報発信に取り組んでいるお話しを聴きました。23日(日)には宮城県に出向く予定で、新たな気付きを心がけて行きます。

 国会は、17日(火)の本会議で消費税引き上げ延期法案の趣旨説明・質疑が終わり、TPPと参議院先議となった地球温暖化防止のためのパリ協定を合わせ、重要な3案件の審議が始まっています。来週以降、この3案件の進捗を軸に展開して行く動きをしっかり見て行かなければ、と思います。

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国政報告(第350号)

 蒸し暑さがいつまで続くのやらと思ううち、先週から今週にかけていっきに秋らしくなり、東京も夜は肌寒い位に季節が進んできました。この夏は例年とは異なる進路を取る台風に心配させられ、現に各地で多くの被害を見ましたが、当面は穏やかな日が続いてほしいものです。

 先週6日(木)に知事選の石井知事の出陣式に出た後、新幹線で上京し、7日(金)は復興庁の幹部会議に出て、夕方の新幹線で再度帰省し、8日(土)朝の党県連常任顧問会議に出席しました。ここ一か月を超えて多くの批判を頂いている県議会、富山・高岡市議会の政務活動費の不正・不適切使用問題が主たる議題でした。各議会の責任において、運用の改善を図るほか、問題を指摘された議員については、辞職・離党された方は別として、各支部において厳正に対応するよう求めて行く事で了承されました。

 土曜午後に三たび上京し、県立高岡高校首都圏同窓会総会に本部同窓会長として出席しました。ついで祝日の10日(月)の朝一番のかがやき・つるぎ号にて、新高岡駅に8時40分に到着し、石井知事の県下一円35か所での出陣式について南砺市の利賀井口と3か所同行しました。地方創生が叫ばれる今日、選挙を機会に知事に県内各地を直に回って頂き、選挙民の想いをくみ取ることで、新たな任期の県政に役立ててほしいと思います。

 11日(火)には補正予算案が参議院の予算委員会、本会議で可決・成立しました。早速、公共事業等、県内にも箇所付けの案内があり、国営農地防災庄川左岸地区、国道359号砺波東バイパスなど懸案の事業の進捗を図る事ができました。また、県・市事業に対し、社会資本整備総合交付金の追加配分があり、本予算で手当てし切れず中に浮いた形となっていた事業の促進も図られました。この間を利用し、16日(日)が投票日の新潟県知事選挙の応援で糸魚川、上越、新潟市に入りました。激戦が伝えられますが、前長岡市長で全国市長会長を務められた森民夫候補の必勝を期し、知己の皆さんを訪ね、上越新幹線にて夜の上京となりました。

 12-3(水―木)と、衆参で一日ずつ予算委員会が開かれ、14日(金)からは各委員会での審議がスタートする運びとなりました。懸案のTPP協定に加え、地球温暖化を防止するために各国の協力を約すパリ協定の批准も急がれる状況となり、参議院から審議を始める事で与野党合意されました。復興庁もやがて両院の復興特別委員会にて大臣始め政務三役の所信の挨拶と質疑が行われます。被災地の抱える様々な課題を把握し、解決に努めつつ、各議員の指摘を受けたいと思います。このうち、被災自治体の復興のために全国の自治体から派遣頂いている応援職員につき、後2年間の事業最盛期の継続を要請するべく東京都の西川特別区長会長を訪問したほか、14日には魚津市にて富山県市長会の森会長始め皆様にお願いする予定です。被災地産品の風評被害の払拭など、政務の立場でもできる事に注力、頑張ります。

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国政報告(第349号)

 心配された台風18号は、昨5日(水)に日本海側を猛スピードで抜けて行き、富山も東京も引き続き暑さの残る10月初旬です。今回の台風で暴風や豪雨等の被害に遭われました関係の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 先週末の1日(土)は、母校の富山県立高岡高等学校の創立記念式典に出席の後、南砺市福野で石破前地方創生大臣の講演会に出席しました。平成24年秋の党総裁選で応援させて頂いて以来、派閥には加わっていないものの、「さわらび会」などで折々お世話になっており、今回は閣僚を終えられて初めて、しっかりしたお話しを聴く機会となりました。我が国の当面する人口減少問題、地方の疲弊の問題に向き合い、地方創生に向けた努力をしっかり応援して行く事を柱に、これからの日本の在り方を現場を回りながらじっくりと考え、来るべき機会に備える石破先生の立場が良くわかりました。

 翌2日は、山梨県から宮川典子代議士をお招きし、県第三選挙区支部女性部の講演会を開催しました。羽岡女性部長、堀田幹事長始め約200人の参加にて、宮川先生が教師としての経験を土台に政治に志し、女性議員として様々な壁を乗り越え、元気一杯に活躍されている姿を様々なエピソードを交えてわかりやすくお話し頂き、好評でした。折しも、県内では地方議会の政務活動費の不適切な事案が連日のように明るみになっており、自らも戒めながら、石破先生、宮川先生のように高い志で政治に携わっている姿を紹介できて良かったと思います。

 週明けの東京では補正予算の審議が続き、4日(火)の夕刻、衆議院本会議で可決、5日(水)から舞台を参議院に移しました。与野党協議により、11日(火)には成立のめどが立ち、引き続き野党の要求を容れて、12-3日(水―木)と衆参の予算委員会の集中審議が予定されています。熊本地震からの早期復旧と当面の景気テコ入れを目的とする本補正予算では、大震災被災地の復興事業や福島の除染事業も加速するほか、各地で採択洩れとなっていた補助事業にも手当てがされる事となっており、冬場を前に早期執行が望まれます。一方で、我が国経済の成長を確かなものとし、地方経済を活性化させていく上で、成長戦略の具体的展開や、一億総活躍の一環としての子育て・介護対策、働き方改革の早期の具体化が課題となっています。私の担当する東北の被災地では、生活の場、産業の場の復興をしっかりと目に見える形にして、地域住民の皆さんに「復興・創生」を実感頂く機会を増やしていくことが大切です。

 5日の晩にいったん富山に戻り、台風一過の6日(木)朝は、県知事選初日、石井隆一候補の4選を目指す出陣式に出席しました。北陸新幹線の開業を踏まえ、富山県の発展方向を示し、若い世代の皆さんに夢を指し示す新たな県政のスタートにしてほしいと思います。17日間の選挙戦を通じ、石井知事には県民の信頼を更に強固なものとしながら、「元気とやま」実現に向けた展望を確かなものとされるよう期待し、応援して行きます。

 10月半ばに向けて国会も各委員会の審議がスタートし、TPPやパリ協定の批准案、消費税先送り法案など、懸案処理がヤマ場に入っていきます。復興庁の職務をこなしつつ、展開を注視します。

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