国政報告

国政報告(第308号)

 今週の東京は税制改正の議論が大詰めとなり、連日党税調の会合が持たれ、消費税の軽減税率の対象分野の問題を除き、「税制改正大綱」としてまとまりました。これに先立ち、週末の5日(土)は午前に県連常任顧問会議に出席、党員拡大運動の現状を確認したほか、来年の諸行事、参議院選挙など各種選挙に向けた取り組みが話し合われました。午後には南砺市福野で石破大臣をお招きした講演会があり、地方創生への熱い思いを聴かせて頂きました。6日(日)は氷見市で堂故文科政務官の就任祝賀会に出席した後、射水市の党金山支部砺波市の瘧師県議後援会と会合に顔出しして新幹線で上京、深夜に羽田空港のホテルに着いて一泊しました。

 7日(月)の午前6時10分発のフライトで山本一太元沖縄担当相とともに那覇に向かい、現地で小野寺五典元防衛相、宮崎・穴見代議士と合流して5人で「沖縄の基地負担軽減を考える有志の会」として沖縄本島の北部、中部を訪問しました。最初に米軍の北部訓練場で、範囲縮小・返還に向けたヘリパッドの移設工事が反対派の妨害に会っている現場を見ました。この返還が実現すれば、ヤンバルクイナなど野生動物の宝庫が地元の手に戻り、自然公園化して世界自然遺産指定を目指す構想です。しかし、県道から工事現場への出入口が自動車を駐車して封鎖される等で工期は大幅に遅延しています。地元の国頭村の宮城村長、東村の伊集村長にもお会いし、早期返還への思いを聴き、妨害行為への効果的な対抗手段の必要性を痛感しました。次いで、隣接する名護市辺野古に基地が移設される宜野座村を訪問し、當眞村長から共同のごみ処理施設建設への国の支援など、対策の充実を求める声を伺いました。最後に党沖縄県連の具志幹事長ほか皆さんとお会いし、「沖縄の基地負担を軽減するために何かできる事を」という有志の会の思いを改めて強くしながら、午後6時15分のフライトで羽田に戻ってきました。

 8日(火)から10日(木)までは、税制改正の会合を主に過ごし、総務部会長として、地方自治体の財源を安定的に確保する立場で意見を述べてきました。税は国民生活に深く関わりますが、総務部会の分野での主要改正事項を述べます。まず、法人税は実効税率を30%以下に切り下げ、大企業の外形標準課税を強化しました。自治体間の法人税収の不均衡を是正するため、法人住民税の一部を国税とし、地方交付税の原資に繰り入れました。車体課税については、29年度から自動車取得税が廃止される事に伴い、自動車税に環境性能割を設け、その税率や適用対象を決めました。固定資産税については、中小企業の新たな機械・装置への設備投資について、最初の3年間は2分の1に減税することになりました。また、農業振興地域内の耕作放棄地は1.8倍に増税し、農地中間管理機構を通じて担い手に貸すよう誘導する事になります。最後に、中山間地の町村を中心に長年にわたり要望されてきた森林環境税(仮称)について、導入の方針を決め、中期的に制度設計して行く事になりました。以上、技術的な内容ですが、総務部会長として取り組んだ結果として報告します。これからは、補正予算、本予算が続きます。

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国政報告(第307号)

 12月に入り、税制改正、補正予算、本予算の編成作業が進む中、党本部でも様々な会合が開かれており、総務部会長としても慌しい毎日が続いています。週末の28日(土)は、小矢部市でハトムギ生産組合の皆さんを訪問・懇談しました。ハトムギ茶での活用など、JA氷見やJAいなばで用途を広げながら、今年は富山県内での作付面積が国内第1位となり、その太宗が小矢部市内です。有機栽培のハトムギには、葉も青汁の原料としての需要が伸びているとの事、米の転作作物として期待される所です。実の乾燥施設の増設など、新たな課題もあり、農林水産省など国からの支援も望まれる由、市役所、JAなど関係者が話し合って前進されるよう、念じています。

 29日(日)の昼までに上京し、午後からは自由民主党結党60周年記念式典に出席しました。安倍総裁の挨拶など、地域に根差した政策を展開する「国民政党」としての立党の精神に思いを致し、地方創生、1億総活躍など今日的政策目標の実現に努力することを誓い合う場となりました。

 週明けの30日(月)は、党南砺市連と高岡市北般若地区生産組合の皆さんが事務所に来訪され、TPP対策等、国の農政の取り組みについて農林水産省担当者の説明を受け、意見交換しました。午後からは党税制調査会小委員会で個別項目の審議が行われました。総務部会関係では、データセンターの地方移転やラジオ局の放送設備強靭化について、固定資産税減税の特例延長が認められ、ゴルフ場利用税は現行通り堅持となりました。しかし、焦点の一つだった機械装置など償却資産の固定資産税については、新規に取得されるものの一部が初めて減免される事になり、地方側としては残念な結果になりました。

 続いて2日(水)の税調小委では、法人税実効税率の引き下げと自動車に対する課税の2点に絞っての議論がありました。部会長としても、地方団体の要請に沿って、資本金1億円以上の大企業を対象とする外形標準課税の拡大と、自動車税へ導入が決まっている環境性能割の細部の確定の2点について、声を大にして発言しました。結論は来週に出されますが、悔いの無い意見発信ができたと感じています。4日(金)の税調小委は、地方税の法人課税の偏在性是正や、森林環境税の導入の是非を巡り、議論が続く見通しです。

 この間、1日(火)は、河合常則県土地改良連合会会長が農業基盤整備予算の増額を求めて来訪され、高岡市の酒井議長からも、市議会議長会の一行の一人として、自治体病院経営安定のために所要の地方財政措置を求めて要望がありました。午後には27回目となる党財政再建特命委員会が開催され、6月の党委員会報告、内閣の経済財政再生計画に掲げられた指針に沿って、個々の歳出分野で練られている取り組みの具体策、KPI、工程表のとりまとめ状況をフォローアップしています。

 新年度の税制改正については、10日(木)頃の大綱決定の予定であり、さらに、補正予算、本予算と作業が続きます。総務部会も、4日の正副部会長会議からしっかりフォローしていきます。

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国政報告(第306号)

 11月も下旬となり、さすがに東京も朝晩の冷え込みを感じるようになりました。連休の22日(日)の大阪府知事・大阪市長のダブル選挙は我が党候補の2連敗となり、「大阪都構想」の取り扱いが引き続きの課題となりました。5月の住民投票の結果を受けた後の府・市連携の構築が有権者から評価されなかったとも言え、政策面での努力も必要だと感じています。

 週末の地元での活動では、22日の夕方に党小矢部市連青年部主催の研修会で「地方創生について」と題し、話をさせて頂きました。今回の安倍政権の取り組みは、少子化の流れを食い止め、我が国の人口を1億人台で維持する事を目指しています。このために、子育て環境が相対的に良く、出生率も高い地方圏で、子育て世代の若者がより多く仕事を得、定住できるよう、「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げました。全ての自治体に「地方創生戦略」を作成、実行を求め、国は交付金等で支援していきます。地域では、企業の誘致や産業振興で若者の多様な自己実現を可能にする雇用を増やし、自らの出生率を高める努力が求められます。幸い、アウトレット・モールの誘致に成功し、人口が流入しつつある小矢部市ですが、出生率は富山県全体とほぼ等しい1.4台で、全国平均と遜色ありません。様々なデータでは、全国トップクラスの「住み良い県」とされる富山の出生率が2近くの沖縄などとはるかに隔たっている現状の打開が必要です。出席者の皆さんとの語り合いを通じ、結婚すると二人以上の子どもを持つ方が多数であることから、「婚活」を応援する事が大切だと痛感しました。

 23日(月)は、山形県選出の大沼みずほ参議院議員を党小杉連合支部にお招きし、時局講演を聴きました。平成25年当選組の若手ですが、党女性局での仕事ぶりがテキパキしており、一度富山に来てもらいたいと思っていました。北海道出身のご主人のルーツが新湊ということで、内川沿いも見てもらいました。当日は、新幹線売り込みの海外出張で米国カリフォルニア州から帰国直後というハードな日程をこなして、最近の平和安全法制、TPP大筋合意、女性活躍など、安倍内閣の取り組みをわかりやすく話して頂きました。

 23日の夜に上京し、24日(火)は税調小委員会で総務部会長として要望項目のヒアリングを受け、26日(木)からは個々の課題についての討議が始まりました。法人税実効税率の引き下げに伴う大企業の外形標準課税の拡大、法人税の地域間の偏在是正、消費税引上げに伴う車体課税の見直し・環境性能課税の導入、森林吸収源対策の財源確保など、総務部会の関わる項目は多岐にわたります。部会の先輩・同僚議員の応援を頂き、頑張っていきます。25日(水)には政調全体会議で、政府の28年度予算基本方針が審議・了承され、6月に決定された「経済・財政再生計画」に基づく初年度の予算編成も本格化します。26日には26回目の党財政再建特命委員会の会合があり、個々の歳出分野の改革工程の明確化をしっかりフォローして行く事を確認しました。同日夕方の北陸新幹線敦賀以西ルートの検討PTには、税調と重なって出席できませんでしたが、内閣改造に伴い新メンバーにて作業を加速する事になりました。このように、東京の毎日もめまぐるしい状況ですが、良い結果を出すべく取り組んで行きます。

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国政報告(第305号)

 今週も、徐々に色付く銀杏並木を横目に見ながら、新年度に向けた政策立案の作業で党本部と会館を慌しく往復する毎日が続きました。次期国会は、明年1月4日に通常国会として召集する事が本決まりになりつつあります。野党側からは年内の臨時国会召集の要求があり、1月では遅いとの声はありますが、民主党内部の路線対立、維新の党の分裂問題など足元も定かでないようです。お互いに準備を整えて1月からの論戦に臨む事になりそうです。

 さて、先週末は15日(日)に太田房江参議院議員が高岡で支援者の皆さんとの懇談会を催され、地元から歓迎の挨拶をさせて頂きました。大阪府知事を2期務められ、平成25年の参院選の比例区で当選、今は厚生労働大臣政務官として活躍中です。次の選挙は3年半後ですが、地道に各地を回って支持固めをされる姿勢が素晴らしいと感じました。

 明けて16日(月)、今週もかがやき536号で新高岡駅から上京し、「伏木ほくりく会」の皆さんの国会訪問をお迎えした後は、今週の総務部会、財政再建特命委員会の内容打ち合わせが続きました。17日(火)は北陸経済連合会幹部の皆さんと、党3県選出国会議員との懇談会に始まり、党本部で自治・法務関係団体の皆さんの予算・税制要望の聞き取り、総務部会役員会が続きました。全国知事会からは石井知事が出席され、私は総務部会長としてご要望を受け止める立場となりました。午後は、小矢部市議会の人口問題特別委員会の皆さんが来訪され、厚生労働省、内閣府の政策担当者との勉強会を持ちました。夕刻に財政再建特命委員会で経済団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所)から、現下の政府・与党の財政再建の取り組みに対する意見を聴きました。6月に定めた、経済成長と財政再建を両立させ、高齢化に伴う社会保障費を丁寧な方策で抑制する事で、2020年度までにプライマリー・バランスの黒字化を達成する方針に賛意が示され、個々の取り組みを確実に進めるよう求められました。当委員会としても、年末に向けて政府の作業を注視、督励します。夜は東京高岡会の「エミール会」の講師として、議事進行係を務めた前国会の思い出話を聴いて頂きました。

 18日(水)は、総務部会の初部会で、税制要望事項を決定し、党税調に提出しました。さらに文化伝統調査会・観光立国調査会の合同会議を事務局長として進行し、堂故文科政務官ご出席の下、文化財を観光資源としても活用する観点から、修復・活用関係予算の増額を求める決議を行い、政府に申し入れる事になりました。午後にはTPP対策実行本部、1億総活躍推進本部が相次いで開かれ、それぞれ党としての方針を取りまとめました。とりわけTPP対策は、小泉部会長の下、農林部会がここ2週間連日会議を開いて練った内容であり、「農政新時代」を開く意気込みが伝わる内容です。総務部会からも、ICT(情報通信技術)を活かした農林水産業、教育、労働、医療、介護の推進や、放送コンテンツの海外展開で日本の品物の輸出を応援する取り組みを提案、盛り込んで頂きました。

 19日(木)は、北陸3県の農業共済組合との懇談会、県商工会連合会との懇談会、おやべ・たかおかビジネス交流交歓会と続きました。この間、県町村会や氷見市議会自民同志会の皆さんの来訪もあり、森富山市長、金森県町村会長、石澤全国商工会連合会長など富山の皆さんと毎日のように顔を合わせながら、忙しくも充実した一週間でした。20日(金)からは、いよいよ党税調での議論が始まります。大いに頑張ります。

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国政報告(第304号)

 ここの所、幾分温かい日が続き、季節の進みも小休止しているように感じますが、政府・与党の仕事は年末に向けて、税・予算とも着実に進みつつあります。週末の7日(土)は宮腰県連会長始め、自民党の県選出国会議員で北陸電力志賀原発を視察しました。金井社長ほか幹部の皆さんのご案内で、安全対策工事の進捗状況と併せ、原子力規制委員会で調査中の「シーム」と呼ばれる敷地内の地層の継ぎ目を直に見せてもらいました。専門委員の科学者がシームの一か所に活断層の疑いがあるとの見解を示している一方、北陸電力側ではシームに沿って数か所を掘削、調査し、活断層の痕跡が見られないとして反論しています。両者の主張の根拠を現物で確認し、論点は理解できたものの、最終的な判断は、近々専門家によって行われる「ピュア・レビュー」に委ねられています。安全対策が着実に進められているだけに、活断層の疑いが科学的に晴れれば再稼働に向けての手続きが前進すると思いますが、レビューの結論を待たなければなりません。

 8日(日)は、阿部俊子衆議院議員(前農林水産副大臣)をお招きして、砺波市の出町東野尻の2地区で「ふるさと対話集会」を開催しました。野党転落時に、国民とともに歩むという立党の原点に立ち返り、各議員が地域の様々な声に耳を傾け、政策に反映させる方針で始まったこの集会も6年が経ち、累計725回を数える所となりました。空き家など中心市街地の空洞化が課題の出町地区、水田地帯でTPP・米政策に関心の高い東野尻地区と、それぞれの個性を反映した様々なご意見を党員始め出席者の皆様から頂く事ができました。米原県議、瘧師県議ほか砺波市議の皆さんにお世話になりました。阿部議員も、看護分野からスタートされて、外務政務官、農水副大臣として行政各分野の経験を積んでおられ、的確な回答を頂きました。とりわけ、出町の子ども歌舞伎について、全国各地に同種の事例があり、連携されてはとのアドバイスがありました。

 9日(月)に上京、10日(火)には総務部会の正副部会長の顔合わせを行い、まずは下旬から始まる党税制調査会に向け、総務省所管の税制改正事項について努力して行く事を申し合わせました。11日(水)には、財政再建特命委員会も2か月ぶりに再開しました。6月に与党申し入れを踏まえて閣議決定された骨太方針に沿って、個別の項目についての目標(KPI)、工程表づくりが如何に進捗しているか、内閣府の説明を受け、フォローアップして行く事になりました。同日はさらに、情報通信戦略調査会・放送委員会の顔合わせ、地方議員年金の法案化ワーキング・チームもありました。地方議員年金については、4年前に従来の制度が廃止された後、被用者年金に加入する形での制度再構築が各議長会から求められており、藤川WT座長の下で顔合わせを兼ね、実質的にも議論しました。

 13日(金)には、党政調の一億総活躍、TPP対策の2本部の会合が予定されており、それぞれ施策をまとめながら、財政面での裏付けを練り、やがて本予算等につないで行く事になります。

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国政報告(第303号)

 今年は季節の進みが心持ち早くて、富山では時雨模様の天候となる中、週末の31日(土)は、県連支部長会議の後、原田憲治党国防部会長代理(前防衛政務官)をお招きし、井波支部で平和安全法制の講演会を開催しました。富山駅でお迎えし、富山・高岡両市の路面電車を見てもらい砺波市の陸上自衛隊富山駐屯地へご案内しました。この秋までの政務官在任中に、駐屯地の拡張要望に応えて頂き、現在は財務省に要求中です。通常国会が閉会して一ヶ月が過ぎ、安倍総理の活発な外交活動で、日中韓三国の首脳会談、バイの二国間会談が相次いで実現し、平和安全法制の下で外交力を駆使する姿に、国民の皆様の理解も進みつつあるように思います。

 1日(日)は幸いにも穏やかな天候となり、初めての富山マラソンが1万人以上の参加を得て盛大に開催される中、高岡市射水市の合併10周年記念式典にそれぞれ出席しました。平成17年の合併からはや10年の年月が経った事、新高岡市発足時の当事者として感慨もひとしおでした。二つの市とも、市長さん、議会、職員、市民の皆さんの努力で、それぞれ、合併効果も発揮しながら、特色あるまちづくりを進めておられる事は喜ばしいです。国の立場からも、しっかり応援して行きます。

 2日(月)は地元で打ち合わせを数件こなし、3日(火)の文化の日は、例年通り、南砺市の菊まつり高岡市の高峰譲吉博士顕彰祭などの行事に出席の後、上京しました。明けて4日(水)から、党本部での会合が立て続きに入ってきました。予算編成にはまだ若干時間があるものの、TPP合意を受けた対策作りや、消費税の軽減税率の取り扱いなど国政上の課題解決は待った無しの状況で、小泉部会長の農林部会は連日の開催となっています。

 私も、4日の朝、まずは「沖縄の基地負担軽減を考える議員有志の会」に事務局として臨みました。島尻代表が沖縄振興担当大臣として入閣されたため、その間は山本一太参議院議員に代表を務めて頂いて、活動を継続して行く事を申し合わせました。高岡市太田地区有志の皆さん、庄川町商工会の皆さんの国会見学、北陸三県建設業協会長の谷垣幹事長への予算要望に顔出ししながら、総務省ほか役所からレクチャーを受けました。5日(木)は、二酸化炭素の森林吸収源を育成するための財源検討会に始まり、地方創生本部、水産部会、国土交通部会(くい打ちデータの改ざん問題)、農林部会、北洋さけ・ます流し網漁休止対策会議と、政務調査会の会議ラッシュでした。この間、党戸出支部、西条校下民生児童委員の皆さんの訪問を受け、あっという間の一日でした。引き続き事務局次長を務める財政再建特命委員会も予算編成に向けて始動し、来週には各団体からの税制要望ヒアリングも始まるなど、国会閉会中とは思えない慌しさです。一方、院内でも来週は衆参の予算委員会で閉会中審査が行われるようです。総務部会長として、まずは税と予算で頑張っていきます。

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国政報告(第302号)

 両陛下を富山県にお迎えしての豊かな海づくり大会が、晴天のうちに無事終了し、26日(月)の夕刻に上京、27日(火)朝の党政務調査会の職員の方々と打ち合わせから総務部会長としての活動が始まりました。総務省の仕事は、3年前に総務大臣政務官を務めており、馴染みはあるものの、改めて各部局の現状と課題のレクチャーを受けています。部会の構成も、衆議院側の部会長代理に菅家・小林の2議員が決まり、順次、副部会長が指名されて活動が本格化しますが、当面は来年度の税制改正を議論する党税制調査会に部会意見を反映させる事が仕事です。

 永田町の現状は、先月末に通常国会が終わった後、TPPの大筋合意を受けた対策策定、補正予算の要否の判断、そして新年度の税・予算のセットへと政府が作業を進めています。これに与党政務調査会として意見をまとめ、政府に申し入れて行く過程が年末まで続きます。例年は臨時国会と並行して進む作業ですが、今年は国会開会のメドが示されないままに推移しています。国会が閉じているため、議員も必ずしも皆が在京で活動している訳ではなく、ウイーク・デーでも地元と往復しながら東京の日程をこなす方が多いものと思います。例年の環境との違いを感じつつ、部会活動のエンジンをかけて行く事になります。

 野党側からは、内閣改造も踏まえ、国会開会の要求が出されていますが、与党側ではTPPの交渉結果について、衆参の予算委員会で閉会中審査を行う方針のみ回答している現状です。今後の対応は、政府・与党幹部の皆さんの判断によりますが、仮に通常国会を1月上旬に前倒しして対応する場合は、公務員給与の人事院勧告に沿った改定案を冒頭に処理し、補正予算、本予算の順に審議を進めるものと予想されます。前国会で継続審査となった法務・厚生労働委員会の法律案の審議は4月以降にずれ込むものと思われ、この点だけは、前国会で国対を務めた私の立場で懸念するところです。

 28日(水)の朝、石井知事、横山議長、高平県議と宮腰党県連会長始め与党国会議員が集まり、国の機関の地方移転に係る富山県の要望について県側から説明を受けました。厚労省、文科省、消防庁の関係機関について受入れの希望があり、特に製薬産業の成長が近年著しい富山の現状に照らし、ジェネリック薬の審査や薬業行政に係るアジア諸国の政府職員の訓練を行う機関の誘致に望みが持てるのでは、との認識を共有しました。午後から、国会議員側を代表して私が知事に同行し、石破地方創生担当大臣に要望しました。また同日、国営農地防災事業庄川左岸地区の事業促進要望にて、砺波・高岡・小矢部・南砺の4市長が上京され、同行して齋藤健農林水産副大臣に要望しました。平成21年当選同期の4人のうち、伊東・齋藤議員が農水副大臣、小泉議員が党政調農林部会長となり、3人までが農水分野に集まる展開となりました。「橘さんも農水分野に来いよ!」と、皆から言われています。

 29日(木)は、党TPP対策本部の会合があり、11月末の政府の対策策定に向け、11月下旬までに党の方針を決めることとなりました。総務部会関係では大きな問題は無さそうですが、小泉農林部会長は早速フル回転です。久しぶりに政務官を終えた小泉議員と同席し、新しい持ち場での毎日が動き出したなあ、と実感しました。「心機一転」で取り組んでいきます。

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国政報告(第301号)

 前号の後、15日(木)の朝に羽田空港から飛び立ち、23日(金)の夕刻まで、議院運営委員会から欧州へ9日間出張しました。24日(土)の朝に富山に戻り、天皇・皇后両陛下ご臨席の下、「第35回豊かな海づくり大会・富山大会」の諸行事に参加しました。

 大会は、射水市新湊地区を主会場に、大島大会長(衆院議長)、森山農水大臣、丸川環境大臣などのご出席で盛大に開催されました。高度3千mの立山連邦から流れ出る良質な水が注ぎ込む深さ千mの富山湾には、多様な種類のさかなが数多く生息しています。「天然のいけす」を舞台に営まれる漁業と人々の生活や文化に焦点を当て、育てる漁業、良好な環境づくり、そして次代の漁業者育成への決意を参加者が確認し合う有意義な機会となりました。県・射水市関係者の入念な準備の賜物です。とりわけ、大会運営に関わる高校・高専生や、作文・意見発表をする小中学生の元気で清々しい態度と、終始温かく見守って頂いた両陛下のお姿が強く印象に残りました。

 欧州出張では、岸信夫団長(衆院議運理事)ほか5名の議員メンバーで、イタリア、スペイン、フランス三国を回りました。各国の下院議事堂、国立公文書館を訪問し、親日議員有志の方々と意見交換しました。イタリアでは、今月末まで開催のミラノ万博も訪問し、洗練された展示と美味しい日本食が評判の日本館を見学しました。スペインでは、独立の動きがあるカタルーニャの州都バルセロナに足を伸ばし、実情を伺いました。

 三国とも本会議場は我が国同様、半円形のすり鉢状で、運営についても、議運・国対に似た役割の組織や会議がありました。スペイン、フランスの本会議の定例日は火・水・木(日本は火・木・金)で、週末は議員は選挙区に戻るなど、共通点もありました。目下、欧州では、中東から流入する難民の受入れが課題ですが、当面はドイツの対応を注視しているようです。経済・財政については我が国と同様の問題意識で、成長戦略、観光振興、財政再建など日欧間で意見交換できるテーマが幾つもありそうです。

 公文書の取り扱いについては、各国の館で収集・分類・保存が地道に進められていました。憲法、人権宣言(フランス)、通商条約(イタリア)など、基本的文書が国民に向けて積極的に展示されていて、我が国の国立公文書館の在り方の検討方向と一致しています。

 私とすれば、2年前に家族旅行させて頂いたイタリアは別として、スペイン・フランスは四半世紀ぶりの訪問でした。街並みが一段と磨かれたトレド、交通渋滞がひどくなったパリなど、変化も感じつつ、街の社会資本に対する地道な投資の重要性を再認識しました。

 帰国と同時に政務調査会総務部会長を拝命しました。地方自治、情報通信、行政管理と、取り組んできた分野で頑張って参ります。

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国政報告(第300号)

 例年より早い時雨に見舞われた三連休、富山で10日(土)は氷見線・城端線のコンセプト列車「べるもんた」号の出発式、11日(日)は高岡市のグラウンドゴルフ場の開場式福岡の木舟城まつり、12日(月・祝)は茶道裏千家淡交会高岡支部の許状お引き渡し式と各行事に参加しました。「べるもんた」号は、どちらかというと車歴の長い気動車が主体の線区に何か新しい車両を、という地元の希望を踏まえ、JR西日本社にて、既存車両の改装ながらも観光要素満載の大胆なリフォームを施したものです。土日の運行ですが、既に一カ月以上予約で満席とか、新幹線に連動して沿線の活性化への寄与が期待されます。木舟城まつりでは、新高岡市合併10周年を記念し、中世から16世紀後半の「天正の大地震」で倒壊するまで、県西部の拠点であった木舟城の跡で、地元の皆さんが中心となり、武者行列が披露されました。生憎の空模様でしたが、要所要所で雨が上がり、関係者の心意気が天に通じるようでした。

 13日(火)朝のかがやき536号で、新高岡駅から上京しましたが、永田町では新しい副大臣・政務官が決まったものの、党人事も途上で、臨時国会の日取りも未定とあって、議員の姿もまばらです。例年なら、10月下旬くらいに召集され、人事院勧告を実施するための給与法改正案などの案件を処理するところですが、通常国会が異例に長期間にわたったこともあり、各委員会の海外視察も月末まで続くとあって、予定が立てにくいようです。

 前号で触れた通り、TPPの大筋合意がなされ、原発も九州電力の川内1号機に続き、川内2号機も間もなく稼働の予定です。その後は、関西電力高浜3・4号機、四国電力伊方3号機と原子力規制庁の手続きが終局に向かっています。沖縄では、辺野古沖の埋め立て承認を翁長知事が取り消したのに対し、沖縄防衛局が国土交通大臣に審査請求し、来月にも本体工事に着手する構えです。このほか、国民へのマイナンバー番号の通知手続きが始まり、消費税10%引き上げ時の軽減税率導入の検討を安倍総理が宮澤新税制調査会長に指示するなど、国政には様々な動きが出ています。国会閉会中とはいえ、予算委員会の閉会中審査が行われるようです。前国会の積み残し案件の処理のためにも臨時国会で審議を促進させる方が望ましいと思いつつ、昨年は思いもしない総選挙が打たれた事もあり、先行きを勝手に決めつけずに、富山と東京を往復しながら政務をこなして行こうと思います。13日はJAいみず野女性部の皇居清掃奉仕団の皆さんの激励と、南砺市井頭(いとう)敬神会の皆さんとの懇談、14日(水)は総務省政務官時代にお世話になったモザンビークのマカテ大使の離任に際しての夕食会に顔出ししました。

 明15日(木)からは、議院運営委員会の海外視察で、23日(金)までイタリア、スペイン、フランスと回ってきます。その矢先、萩山教厳先生の訃報が飛び込んできました。葬儀に出席できぬ非礼をお詫びし、6期20年間にわたり国政に参画され、能越自動車道や新湊大橋など地域の高速交通体系の実現に汗をかかれた先生の偉大な足跡を心に刻み、渡して頂いた富山3区のバトンを手に、微力ながら精進して参る決意です。

 国政報告も本号で300号となりました。帰国後の301号からは新たな党の役職にて前進して行きます。

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国政報告(第299号)

 国会閉会中の今週ですが、一番の動きは10月5日(月)、TPP交渉の大筋合意の知らせでした。民主党内閣時の参加検討表明から5年、安倍内閣となって交渉に参加してから2年半の長期間にわたる取り組みでした。この間、甘利担当大臣を中心に農業分野5品目(米、麦、乳製品、肉類、甘味作物)を守るという方針のもと、粘り強く交渉に当たってきました。当初は関税の即時撤廃との不安もありましたが、安倍総理と米オバマ大統領との首脳会談でお互いにセンシティヴィティを持つ重要な品目がある旨の合意ができ、米や麦の関税率は変更されませんでした。

 もちろん、各品目について、輸入数量の拡大や関税の引き下げ等、市場開放に向けた措置が取られますが、当初の交渉方針は守られたものと思っています。また、製造業の品目はもとより、和牛や水産物など我が国が輸出に力を入れている農水産品について、相手国の関税撤廃など交易条件が改善する効果もあります。今後、合意内容の詳細が明らかにされるとともに、農業分野を中心とした対策が立案され、協定署名後の年明けには批准に向けた国会審議が始まることになります。

 最終合意の段階では、医薬品等の分野で米国と他の国が激しく対立し、閣僚会議は当初の予定を2日延長しての折衝となりました。この間、甘利大臣が大筋合意に向けて米フロマン代表ほかのメンバーに強く呼び掛けるなど、我が国が重要な役割を果たしたものと見ています。これで、民主党政権以来の国政上の三つの重要課題として私が注視してきたTPP、原発再稼働、沖縄基地移設のうち、二つが大きく展開したことになります。九州電力の川内原発は1号機が順調に稼働し、2号機も今月中旬に稼働開始の予定で、四国電力の伊方原発が後に続く見込みです。残るは沖縄の普天間基地の辺野古への移設ですが、翁長県知事が辺野古沖の埋め立て工事の許可取消しを準備するなど、予断を許さない状況が続いています。ここを乗り切って2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、「日本を取り戻す」という公約実現に政府与党として進んで行きたいものです。

 私自身の今週の主な動きですが、3日(土)に若宮健嗣代議士をお招きし、富山第三選挙区・女性部共催の平和安全法制セミナーを開催、夕刻は才川昌一議員後援会で国政報告の機会を頂きました。4日(日)は陸上自衛隊富山駐屯地53周年5日(月)の国立富山高等専門学校創立50周年・創基110周年、6日(火)の全国すし(寿司)連富山大会と式典出席が続き、7日(水)は党北陸新幹線敦賀以西のルート検討委員会にて福井・石川・富山三県知事の意見を伺いました。また、3日朝には、高岡市伏木の勝興寺門前のポケットパークにて、地元自治会の皆さんによる大伴家持卿の銅像・歌碑の除幕式がありました。「しなざかる 越(こし)に五年(いつとせ)住み住みて 立ち別れまく 惜しき宵かも」との万葉集の家持卿の和歌を小生にて揮毫させて頂きました。恐れ多い事でしたが、元越中国庁跡に家持卿の銅像を建立したいという地元の皆さんの熱意に共感し、国会でも万葉集を披露させて頂いているご縁に感謝してお引き受けした所です。

 7日(水)には第3次安倍改造内閣が発足、9人の閣僚が交代しましたが、骨格の皆さんは留任となり、安定感のある布陣だと思います。これに伴い、私たち議員の人事も行われますが、国会で仕事をする機会を頂いて7年目、気持ちも新たに自分の営みを少しでもカタチに残せるように努力して行きます。

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