2016年9月

国政報告(第348号)

 臨時国会が始まり、9月も末となるも、東京は妙に蒸し暑さが残る毎日です。今年は北日本が台風の被害に見舞われるなど、気候変動を否が応でも実感させられ、災害への新たな備えの必要性を痛感します。北海道・岩手県の台風被害は、激甚災害の指定がなされ、国も復旧を手厚く支援していきます。

 前号の後、22日(木)の秋分の日は朝に富山に戻り、射水市庁舎の竣工式や、高岡市戸出是戸地区での献穀田抜穂祭に出席しました。長井長平さんが丹精込めて育てた稲穂が収穫され、11月23日(水)に宮中で行われる新嘗祭に献上される事となります。23日(金)は福岡のつくりもん祭り、24日(土)は高岡市でクラフトコンペと同時開催の金屋楽市に顔を出し、文化・芸術、実りの秋を実感しつつ上京、第192国会に臨みました。

 初日の26日(月)は、天皇陛下をお迎えしての開会式に続いて安倍総理の所信演説、麻生財務大臣の財政演説を聴きました。6月1日(水)に前通常国会が閉会した後、参院選と短期間の臨時国会を除いて、本格的な演説や質疑は4カ月ぶりとなります。

 安倍総理の演説は、内政・外交の諸問題に適切に目配りし、この3年半の間に為し得た事、引き続き課題となっている事を整理し、一億総活躍、地球儀を俯瞰する外交など、当面の政権運営の方針を簡潔明瞭に示されたと思います。ついで、27-29日(火―木)と衆参両院で与野党からの代表質問があり、第2次補正予算案が審議入りとなりました。今国会は、景気を持続させようとする補正予算案の審議に始まり、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の批准、消費税10%増税の平成31年10月への先送り法案と重要案件が続き、人事院勧告を実施するための給与法改正案、外国人労働者の受入れ条件を緩和する法案など、従前からの継続案件も含め、重要案件が目白押しです。11月30日(水)まで、66日間の会期中にしっかりと成立を期す上で、国会対策委員会を中心に、情報収集と適切な対応が欠かせません。

 この間、日本銀行は20-21日(火―水)に金融政策決定会合を持ち、名目物価上昇率の目標(年率2%)達成の時期に幅を持たせるとともに、「異次元の金融緩和」の主力が国債購入「量」から長期「金利」へとシフトされました。人口減少下の我が国においては、モノへの新たな需要が生まれにくく、成長率引き上げのためには、まさに「アベノミクス」3本の矢のうち、政府における成長戦略の着実な前進が望まれます。

 一方、富山県では、政務活動費の不正受領による議員辞職が週明け後も止まらず、逝去、鞍替えを合わせ、県議会議員4人、富山市議会議員12人の補欠選挙がおこなわれる事となり、代表質問でも取り上げられました。法の趣旨通り、議長において議会事務局も含め、各会派と意思を通じ、再発防止の具体策を早急にとりまとめて頂きたいと思います。

 今週、復興庁では、これまでの東北出張で首長さん達から要望のあった事柄について、現況・今後の対応について逐次レクを受けています。29日(木)は新宿で「福島・宮城・岩手復興マルシェ」、30日(金)は有楽町で「いわて・三陸けせん希望ストリート」と、被災地産品の紹介・販売の催しに参加しました。様々な面から、復興を後押しして行きます。

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国政報告(第347号)

 秋分の休日を前に、少々早いのですが、臨時国会を前にして、最近の出来事を含め、一度報告します。

 先週末は、18日(日)に石井知事の知事選に向けた事務所開きに出席した後、登坂絵莉さんの高岡市での祝賀会でお祝いを述べました。次いで、台風16号の影響を心配しながら19日(月)夜に上京し、20日(火)は福島県に日帰り出張しました。これで東北は副大臣就任以後7度目となりました。

 今回は役場が避難中の3町の訪問で、会津若松市で大熊町、二本松市で浪江町、いわき市で双葉町に伺い、最後にいわき市を訪ねて帰京しました。3町は町域に帰還困難区域が占める割合が高く、特に双葉町、大熊町はそれぞれ96%、62%に達します。会津では大熊町の皆さんが入居されている仮設住宅を訪ね、一日も早い除染、帰還を求める切実な想いを聴きました。8月末に出された帰還困難区域内に復興拠点を整備していく政府方針が示されており、来年度からは一歩を踏み出しますが、全ての住民の皆さんが帰還できるようになるまで、国が長期的に責任を持って取り組む決意である事も首長さん皆さんにお伝えしています。その上で、個々の具体的な課題、要望をしっかり受け止め、対処して行かなければと思います。

 一方、富山県では、県議会、富山市議会、高岡市議会で政務活動費の不適切な使用が問題となり、県議は2名が辞職、富山市では現職議員が9名辞職、補欠選挙の事態となっています。政務活動費はあくまでその目的に合致した議員の活動を実費弁償するものであり、使い切るとか目的外に流用することは許されません。また、会派に前渡しされていても、公金である事に変わりは無く、当然に厳正な出納が求められます。同じ党に所属する同志の議員の問題で県民のみならず多くの県外の皆様の批判を受けている事は申し訳なく、お詫び致します。併せて、「政治と金」の問題について、私自身、襟を正して臨んでいきます。

 9月26日(月)には第192国会(臨時会)が召集されます。経済のテコ入れを目指す第2次補正予算案、消費税の税率10%への引き上げを平成31年10月まで2年半先送りする関係の法案、TPPの批准と関係法案など重要案件を抱え、11月30日(水)まで66日間の会期で審議が進められます。私も3年ぶりに政府側で答弁に立つ事になります。被災地の現状を踏まえ、刻々と変わっていく課題に適切に対応し、復興を加速化する施策の推進に、復興特別委員会の審議を活かしていきます。

 この間、G20、ASEAN首脳会議など、安倍総理にはまさに地球儀を俯瞰する外交を積極的に展開され、二国間関係においても様々な前進が見られます。内政・外交ともに、「日本を取り戻す」との初心に立って、実りの秋とするべく、持ち場で頑張ります。

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国政報告(第346号)

 前号をまとめた後、福島県に出張し、更に今週は今村復興大臣に同行して宮城・岩手県に出張しました。被災地が置かれている様々な現状と、多様な課題に接し、復興の前進につなげる努力を粘り強く続けなければという思いです。

 8日(木)の朝、東京からの新幹線を郡山で降り、初日は楢葉町葛尾村田村市川内村、翌9日(金)は福島復興局で挨拶の後、飯館村川俣町富岡町広野町と、福島第一原発の事故で避難を余儀なくされた12自治体のうち8町村を訪問しました。川俣町を除く各自治体で首長さんの都合がつき、現状や要望を伺う事ができました。避難区域の見直しが順次行われ、富岡町を除いて元の役場で業務が進められており、郡山市に残る富岡町でも、来春の帰還に向けて準備が進められています。それぞれ、地震・津波・原発事故の三重苦に見舞われながら、避難先からの帰還から復興への困難な道のりを一歩づつ進んでおられます。首長さん方の言うに尽くせぬご苦労に頭の下がる思いで、お話しを聴かせて頂きました。

 避難によって、一度マチとしての機能が全て失われた後、除染等により放射線量の低下を確認した上でもう一度これらの機能を復活させなければいけない点で、他の被災地とは異なる課題を抱えています。教育、医療、福祉の機能はもとより、生活に必要な品物を手に入れる商業機能も欠かせません。学校、診療所、スーパー・コンビニの再建は、その仕事を営む方々の確保が必要な点で、ハード(容れ物)のみならずソフト面の施策が重要です。出張中に地域の二次救急の拠点を富岡町に再整備する方針を福島県が示されましたが、そのような取り組みを積み重ね、一人でも多くの住民の方々の帰還を可能にするよう、住まいと生業(なりわい)を整備しなければなりません。除染、家屋解体作業、廃棄物の中間貯蔵施設への搬入等、環境整備事業の加速化、教員の加配など魅力ある学校づくりや基幹商業施設建設への支援を求める要望がありました。東京に持ち帰り、復興事業で取り組むべき内容を整理する事にしています。

 10日(土)の午前は在京当番をこなし、地元では、11日(日)に高岡地区の後援会総会・国政報告会で、復興庁での一か月の経験を皆さんに聴いて頂きました。12日(月)には田知本遥さん、登坂絵莉さんのリオデジャネイロ・オリンピックでの金メダル獲得を讃える県民栄誉賞授与式が富山市で開催され、出席してお祝いを申し述べました。

 13日(火)からは、2泊3日の行程で今村大臣に同行、宮城県の亘理町山元町塩竈市女川町南三陸町気仙沼市、岩手県の釜石市大槌町山田町宮古市と、10市町を訪問しました。宮城県の自治体は2度目となり、区画整理事業、仮設住宅、食品加工場、農場など、具体的な復興の取り組みを直に観る事ができました。復興拠点を中心に、住宅が建ち始め、商店も恒久施設に移るなど、前進が実感できる地域もあれば、上物の建設はこれからで、もう一歩階段を登らなければ先がはっきり見えないという地域もありました。人手不足や販路拡大への支援を求める声も事業者の皆様から頂きました。住まいが変わっていく中でのコミュニティの維持・形成、台風10号による災害からの早期復旧を求める要望もありました。今村大臣からは、一人でも多くの方がふるさとに戻り、地域が賑わいを取り戻すように復興庁も頑張りたいとのお話しでした。私もその想いで進んで行きます。

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国政報告(第345号)

 先週の台風10号に続き、今週は12号、13号と心配しながら予定をこなしています。岩手県では、久慈市、岩泉町で依然として孤立集落が残っており、住民の皆さんの安全を確保するべく関係機関が努力されています。皆様にお見舞いを申し上げながら、この一週間の報告を綴ります。

 まずは前号の後、1日(木)の午後から今村大臣、長沢副大臣、高木経済産業副大臣、伊藤環境副大臣に同行して福島県へ向かいました。まず、県庁で内堀知事に前日政府が決定した「帰還困難区域の取扱いに関する考え方」をお伝えしました。事前に与党が関係自治体のご意見をしっかりと聴き、丁寧にまとめた提言に沿った方針でもあり、知事からもこれを受け止めた上、帰還困難区域の全ての地域の復興・再生に最後まで責任を持って取り組んでほしい旨、要望されました。次いで、福島復興局で「福島復興再生総局幹部会合」(現地の福島復興局、原子力災害現地対策本部、福島環境再生事務所の合同会議)に出席し、政府方針を踏まえ、緊密に連携・協力して取り組むよう、今村大臣から指示を受けました。

 夕刻、皆さんと別れて岩手県に入り、翌2日(金)、岩手復興局県庁を訪問しました。達増知事に面談し、台風10号の被害についてお見舞い申し上げながら、東日本大震災からの復興をしっかりと進めて行く旨、申し述べました。知事からは、10月1日(土)から本大会が予定される国民体育大会・全国障害者スポーツ大会を、「復興のシンボル」と位置付け、頑張っていくので、現下の災害復旧を含め、復興事業の完遂に向け、要望頂きました。これで、岩手・宮城・福島3県の県庁訪問を終え、8日(木)からは、原子力災害により避難指示を受けた福島県12市町村を順次訪問して行きます。

 3日(土)は埼玉県秩父市にて高橋信一郎・全国山鉾屋台保存連合会専務理事の旭日小綬章受賞祝賀会に出席し、4日(日)の朝、新幹線で富山に戻って、裏千家淡交会高岡青年部の50周年記念行事に参加しました。宗家からお家元のお子さんの敬史さん、万紀子さんに出席頂き、若やいだ雰囲気の中、茶道を通じて自己研さん・交流を目指す青年部の次の半世紀への門出を祝う催しとなりました。

 5日(月)朝、かがやき536号で上京、地元では3日に「一斉乗車の日」を実施しており、私も定期停車を願いながら乗りました。週明けの副大臣室に党県連幹部の皆さんの訪問・激励を頂き、就任2か月目に入りました。今週は、総務省自治行政局、同公務員部、全国知事会、全国市長会、全国町村会を訪問し、ご挨拶を兼ねて被災地自治体への職員派遣を引き続き後押し頂くようお願いしました。発災後6年目に入り、派遣元自治体でも継続が困難になったり、意識が希薄になるなどしている上、熊本地震に係る派遣も発生するなど、被災地の需要を満たし切れない現状にあります。岩手・宮城の多くの自治体ではあと2年が事業のヤマ場であり、もうひと頑張りの支援をお願いした所です。

 8日からは2度目の福島県訪問です。現地に出向き、実情に接し、被災自治体の視点に立って、国が必要な施策を進めていく事に資するよう、自らの使命を果たすべく努力を続けます。

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国政報告(第344号)

 今週は台風10号が史上初めて東北地方の太平洋側に上陸し、岩手県、北海道などで河川の氾濫など大きな被害を出しました。先週に引き続いての被災となった北日本の皆様にお見舞いを申し上げます。また、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り致します。この間を縫って、宮城県地域に3度目の訪問をさせて頂き、また、9月1日(木)から福島県庁、岩手県庁とお伺いするため、通常より一日早い報告と致します。

 週末の富山では、26日(金)に南砺市利賀でSCOTサマー・シーズン初日の演劇を観、27日(土)は南砺市・砺波市で行われた県の総合防災訓練で挨拶しました。また、瘧師県議、射水市の竹内市議南砺市の山本市議の後援会の集まりに参加し、瘧師県議の女性部の集いではこの7年間の国政での経験を、同期4人の歩みを軸にお話しする機会を頂きました。29日(月)の朝、党県連常任顧問会議で10月の県知事選の進め方を打ち合わせ、台風10号の動きを心配しながらの上京となりました。

 夕刻に東京から仙台へと新幹線で移動し、翌30日(火)は台風が東北地方に接近し、雨脚が強まる中、宮城県沿岸部の7市町を訪問、各首長の皆さんにお会いしました(櫻井松島町長佐藤塩竈市長寺澤七ヶ浜町長鈴木利府町長齋藤山元町長齋藤亘理町長菊地岩沼市長の順)。皆さんそれぞれに台風に備えて警備体制を取っておられ、事前に応接の可否を確認しながらの行程でした。幸い、台風の進路の西側となり、風が強まらず、雨も途中までは小降りだったため、最後の岩沼市まで進む事ができました。当面する課題も、玄関口となる駅の整備、区画整理事業の促進、2020年オリンピック・パラリンピックの競技誘致、応援職員の増強、復興交付金の使途拡大、市街化調整区域の線引き見直しなど個々に異なっていましたが、一様に、住民が恒久住宅に移りつつあり、産業復興が一歩ずつ進んでいて、自らのマチの将来ビジョンを描く意欲をお持ちでした。とりわけ、12月に予定される常磐線の浜吉田駅以南の再開が、南部地域の復興を前進させるものと期待するところです。

 予定を1時間早めて仙台を新幹線で離れた後、台風は岩手県大船渡市付近に上陸し、三陸地域に大量の降雨をもたらしながら日本海へと抜けました。31日(水)は、東日本大震災発災から2000日の節目の日でしたが、岩手県での被害の知らせで一日が始まりました。午後一番、経済産業大臣室で、与党の復興に対する第6次提言を受けた政府方針案を三大臣四副大臣会合(経産・環境・復興)で検討・了承し、復興庁幹部会議での報告の後、夕刻、官邸にて復興推進会議・原子力災害対策本部会議合同会合が開催され、正式決定の運びとなりました。新たな方針では、福島第一原発の事故により帰還困難区域に指定されている福島県浜通りの7市町村の区域について、その中に復興拠点を設け、除染等により住民の帰還を可能にする手順を明確にしました。また、政府は帰還困難区域の解消する決意の下、最後まで責任を持って取り組んで行く旨、宣言する内容となっています。

 明1日、福島県内堀知事にこの方針を伝達するため、今村大臣に随行し、再度東北に向かいます。発災から2000日を超え、復興から創生へと新たな段階での力強い前進を実現すべく、これからも努力して行きます。

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