国政報告(第623号)

 ゴールデンウィークの真ん中ですが、ここまでは激しい寒暖の差があり、各地の祭礼の催行にもご苦労されているようです。北海道の知床遊覧船の沈没事故は、船体が発見されたものの、依然12名の方が行方不明で、捜索が続いています。船の無線が故障していたなど、運航体制には問題が多く、再発防止のための規制の見直しが必要と思います。亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。

 コロナウイルスが発生して3度目の5月ですが、ようやく感染予防と日常生活のバランスが好転し、この連休は以前の7~8割まで人手が回復してきたとの事です。「対面型サービス業」の皆様にも出口の明かりが射し始めていれば幸いです。オミクロン株の更なる変異も見つかっていますが、ワクチン接種の効果もあって高齢者の重症化リスクが小さくなるなど、飲食、旅行、イベントなど徐々に積極化できそうです。日常でマスクが外せる日が待たれます。

 先週は、27日(水)に衆院文部科学委員会で内閣提出の大学ファンド法案を審議、可決し、28日(木)の本会議で参議院に送付しました。世界最高水準の研究成果が挙げられる大学を育成するため、数校程度の大学に絞って資金を提供し、これを呼び水にして民間資金を導入し、自らの研究・教育のための基金を造成させようという施策を遂行する法案です。欧米では、寄附文化の違いもあり、千億円単位の基金を持つ大学があり、その運用益を潤沢な研究資金として活用する事例が増えており、我が国もキャッチ・アップを図ります。ただし、海外のトップレベルの大学では人材が国境を超えて集まっており、多様性をベースに新鮮なアイデアが生まれており、日本ではこのようなグローバル化が進んでいない特殊性があります。沖縄科学技術大学院大学は、この課題を克服している稀有な存在であり、ドイツ出身のグルース学長の下、理事会メンバーも国際的で、学内では英語で教育・研究活動が行われています。このような、運営面での改善にも取り組むことが欠かせないと考えます。

 28日には党財政健全化推進本部の会合もあり、中空麻奈先生始めアドバイザーの方々から、規律ある財政運営の必要性についてご意見を頂き、出席者で討議しました。国債の支払い利息を除いた歳出を歳入と均衡させるプライマリー・バランス(PB:基礎的財政収支)黒字化の目標は、国際的にみても緩い最低限の財政規律です。予期せぬ災害、景気変動や金利の上昇など様々なリスクに備え、機動的な財政出動の余力を貯め、為替市場での「国際的な円の信認」を維持するため、規律ある財政運営の方針を示すことが大切です。このような考え方をベースに、これまでの「経済成長と財政健全化の二兎を追う」アベノミクスが達成した成果を継承・発展させる指針を、本部としてまとめていければ、と思います。地元での活動報告は次号に譲ります。穏やかな連休を過ごされますよう祈念します。

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