国政報告

国政報告(第654号)

 10日(土)で臨時国会は当初の会期通りに閉会しました。久しぶりに土曜日も開会して、参議院で旧統一教会の被害者救済法案の審議を進め、夕刻に衆参の本会議で必要な法案の採決と閉会手続きを執り、内閣提出法案は21本中20本が成立に至りました。

 この中で、前号でも触れた私たち、党「地方議会の課題に関するPT」で取りまとめた地方自治法改正法案も、9日(金)に参院総務委員会で可決され、最終日で成立に至りました。地方議会の議員の兼業規制を緩和し、自治体との年間取引額が300万円以下の自営業者が議員を兼ねる事ができるようになります。このほか、自然災害等やむを得ない事態が生じた場合に議会の招集日を延期できる規定を新設し、会社の従業員が議員に立候補する際の休暇について、雇い主が配慮するよう、国の働き掛けを求める附則も設けました。この附則は立憲民主党のアイデアによるもので、このほか、維新の会、国民民主党も附帯決議にそれぞれの主張を盛り込まれ、超党派の合意で議員立法の実現に至りました。改めて、足掛け3年間、議論を進め、各所に働きかけてきた努力が実った充実感を感じています。今国会は、会期中に大臣が3人更迭されるなど、政府与党にとっては厳しい展開でした。しかし、私にとっては、国会冒頭に衆議院選挙区を10増10減とする公職選挙法改正法案の党内了解を取り付け、成立に至ったことと、最終盤に地方自治法改正法案を成立させることができ、実り多い国会となりました。

 一方、週末の地元では、11日(日)に高岡市伏木地区で、勝興寺の国宝指定記念式典が催され、祝辞を述べる機会を頂きました。折しも季節通りの時雨が降る天候下、関係者の尽力により国宝としての新たに歩みを始める勝興寺が、様々な行事等での活用を通じて適切に保存されるよう念じて挨拶しました。同日夕刻、南砺市城端地区で安達県議の後援会総会に出席、励ましの言葉を述べました。

 この間岸田内閣は、コロナウイルス対策、ロシアのウクライナ侵略を踏まえた安全保障政策の見直し、エネルギー・物価高に対応する補正予算の編成と、国政の重要課題に着実な対応を進めました。しかし、毎週末の各種世論調査では、内閣支持率が逐次低下し、厳しい政権運営を迫られてきました。国会閉会後は、来年度以降の防衛予算の増額問題が焦点となっています。今後5年間で防衛予算をGDP比2倍程度に引き上げることとし、概ね43兆円の新たな財政需要に対し、歳出改革、決算剰余金の充当等で賄えない年額1兆円強を、企業(法人税)、個人(所得税、たばこ税ほか)に負担をお願いする政府見解が示されました。総理指示も踏まえ、党の政調全体会議、税制調査会にて白熱した議論が展開されており、臨時国会で一山超えても、まだまだ険しい山が残っています。議論の結論、また、5年度当初予算については、来週の報告とします。

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国政報告(第653号)

 いよいよ師走、富山では時雨模様と最後の小春日和が交錯し、「寒ブリ宣言」も出されて浜に活気が出ているようです。週末の3日(土)、砺波市選出の瘧師県議の女性部にて国政報告の機会を頂きましたが、穏やかな快晴、翌4日(日)の小渕組織運動本部長をお招きし、氷見市での堂故先生の報告会は時雨ましたが、小渕先生に北陸の冬を味わって頂く意味では良かったと思いました。

 国会は、2日(金)に令和4年度第2次補正予算が参院で可決成立し、コロナウイルスや物価高を克服して我が国経済を前進させる諸施策が始動しました。中でも、デジタル、グリーンと並んで人材育成やスタートアップといった人的投資が重点項目に挙がりました。少子高齢化の影響で人手不足が顕著となってきた地方圏の悩みにも的確に対応する内容が盛り込まれました。

 本6日(火)、衆院本会議で旧統一教会被害者の救済法案が審議入りしました。霊感商法など、不当な勧誘・要求を受けた過大で不本意な寄附の取り消しを可能にする一方、憲法で保障される個人の財産権との調整をどう図るかが法案の焦点です。与野党間で鋭意進められた協議を受けての政府提出法案であり、与野党間の隔たりを早急に詰め、会期末の10日(土)までに成立するよう、関係者が日夜努力しています。一方、旧統一教会については、文科省にて司法への解散命令請求を視野に入れた質問・報告徴収手続きが始まっており、請求の可否の判断に向けて、鋭意作業が進められています。

 党税制調査会では6日に各項目の〇×審議、明7日(水)に「〇政項目」(政治的に重要な項目)の議員間討議(小委員会)が予定され、税制改正も来週が大詰めです。一方、党政務調査会で新年度予算の編成大綱の議論も進み、年末に向けた新年度の税・予算の編成作業が続きます。また、今年は向う5年間の防衛力強化のため、防衛費をGDP比2%程度まで引き上げる道筋を歳入歳出両面から明らかにするべく、「防衛3文書」の改訂作業も進められています。

 さて、衆院総務委員会では本日、地方議会議員の成り手不足解消策の一環として、議員の請負禁止規制の緩和を図る地方自治法改正法案が、共産党を除く各党の合意により委員長提案としてまとまりました。ここ数年、党総務部会の「地方議会の課題に関するPT」で石田真敏座長、坂本哲志座長代理、あかま二郎事務局長の下、議論を重ね、公明党とともに与党案をまとめたのが一昨年春です。この間、野党側にも粘り強く説明・お願いを続け、会社員の立候補の際の休暇付与を促進することを政府に義務付けることを附則に規定し、議会のオンライン開催の促進や、女性議員の登用を付帯決議で提起するなど、各党の意見も入れて法案がまとまりました。今後、本会議での採決を経て参議院に送付し、会期内成立を期します。地方議会の活性化に向け、今後も環境改善に努めていきます。

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国政報告(第652号)

 27日(日)、党第三選挙区支部と松村謙三先生の精神を学ぶ会の共催で、大島理森前衆議院議長をお招きして砺波市にて講演会を開催しました。大島先生は三木派の流れを汲み、故河本敏夫先生に師事されておられたので、松村先生に近い方として、ぜひお話をと以前からお願いしていました。議長職を務めている間は地方へ出ての講演は勘弁して欲しいと言われており、6年半の務めを終え、昨年の総選挙で引退されたことから、今回はお引き受け頂けました。今年は松村先生没後50年の諸行事も執り行われており、大島先生には記念講演の形で貴重なお話を聞かせて頂きました。

 講演では、情報伝達手段が大きく変化し、世界的に民主主義の在り様もポピュリズムの台頭など以前とは異なる姿を見せる中、議会における意思決定の望ましい在り方を提示されました。それは、与えられた問題について論点を整理し、できるだけ合意点を見出す努力を惜しまないこと、その上で、最後は多数決に委ねること、という過程を大切にする手法でした。まさに、衆議院の「一票の格差」を是正する選挙区制度改正や平成から令和への御代替わりという、難しい問題を議長として見事に裁かれた経験に裏打ちされた大島先生の真骨頂に接する思いでした。

 週明けの28日(月)、永田町に戻り、昨29日(火)夕刻には本年度の第2次補正予算案が衆院本会議で可決され、参院に送付されましたが、この間の予算委員会の議論のかなりの部分が秋葉復興大臣の政治活動に係る疑念に費やされました。個々の政治家が自らの活動に注意を払い、法を遵守すべきことは当然で、その上で、現下の国内外の諸問題についての真摯な議論の時間を増やしていく事が大切だと、大島先生の講演の後だけに身に染みました。

 さて、斎藤健議員が法務大臣に就任されたため、私が後任の党組織運動本部団体総局長を務める事となり、29日の総務会で人事が承認されました。昨年に引き続き小渕本部長のご指導を頂く立場となり、500を超える各界各層の友好団体の党の窓口として要望の受付や、各級選挙の支援要請などの任務に当たります。手始めに、28日、小渕本部長に随行して半日出張し、党福岡県連に伺って原口会長始め役員に皆さんと党勢拡大などについて意見交換しました。今後も党大会の運営など様々な業務があるとのことで、来春の統一地方選に向け、任務遂行に努力する決意です。

 このほか、29日は角田高岡市長に同行して国土交通省西田昭二政務官を訪ね、能越自動車道の輪島市までの全線早期開通を要望し、文部科学委員会では補正予算関連の法案審議を済ませました。また、同日と30日の2日間にわたり、党税制調査会で新年度税制改正の主要項目の議論に参加しました。明日から師走、一年の良い納めができるよう、慌ただしい毎日を頑張っていきます。

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国政報告(第651号)

 20日(日)、寺田総務大臣が自らの関連政治団体の政治資金規正法違反問題の責任を取って辞任しました。前号で報告した葉梨法務大臣、その前に辞任した山際大臣と合わせて、今国会三人目となりました。寺田大臣については、週刊誌報道で違反事案が次々と報じられ、世論を十分納得させる説明ができなかったもので、政治資金規正法を所管する立場であったことも事態を深刻にしました。与党の一員として、所感をどう述べれば良いのか、さすがに悩む段階に入ってきました。岸田内閣としては、まずは、物価高対策の補正予算案、旧統一教会被害者の救済法案と、今臨時国会の二つの重要案件をしっかり仕上げ、新年度の予算・税制をまとめ、さらに政策課題を着実にこなしていく「王道」を歩むことだと思います。

 先週も、農水省への庄川右岸地区の県営農地防災事業の新規着手要請(高岡・砺波・射水市長)、北陸新幹線整備促進の大会、全国町村会総会など様々な会議・行事があり、富山から首長始め多くの方々が上京されました。コロナウイルスの第8波の流行が心配されるものの、5回目のワクチン接種を進め、社会経済活動は感染対策を取りながらも従前通りに、という流れです。3年ぶりの行事開催が相次ぎ、以前の晩秋の慌ただしさが戻ってきた感じがします。

 党では18日(金)に税制調査会の審議がスタートしました。24日(木)には各部会からの要望のヒアリングが予定されており、12月初旬に向けて新年度の税制をまとめていきます。来年秋からの消費税に係るインボイス制度を円滑に導入するための移行措置をどうするか、また、防衛費増額の財源として増税を実施するか否かなどが主要な論点になるものと思われます。私については、18日に豪雪PTが開催され、今春の豪雪法延長に伴う国の新たな「豪雪地帯対策基本計画」案が了承されました。除排雪作業の担い手確保、安全対策、豪雪時の主要道路の交通確保などを盛り込み、今日的課題に対応した内容となり、「克雪、利雪、親雪」の理念も盛り込まれて厚みのある計画になったと思います。

 さて、国会は寺田大臣の辞任を受けて日程協議がなされ、21日(月)の衆院本会議で補正予算が審議入りしました。24日から3日間の予定で衆院予算委員会が開かれ、来週末頃の参院での成立を目指します。その後、旧統一教会信者救済法案の審議へと進みますが、会期末を12月10日(土)に控え、かなり窮屈な日程となっています。文部科学委員会は補正予算関連法案の審議が予定されています。一方、永岡文科相は、旧統一教会の解散命令請求を検討するための旧教会側への質問・報告徴収権を22日(火)に行使し、12月9日(金)までの回答を求めました。この手続きについては、適正に行われるべきと考えていますが、その推移もしっかり見守っていきます。

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国政報告(第650号)

 11日(金)、葉梨法務大臣が不適切な発言を撤回、辞任しました。今国会では、旧統一教会関連の山際大臣に続き、二人目です。与党の一員としては残念ですが、死刑について軽く考えているという誤解を皆さんに与えてしまうと指摘されて、反論が難しい発言であり、やむを得ないと思います。以前、野党時代に、政権党の閣僚が不適切な行為・発言で辞任する場面を何度か見きましたが、私たちも与党に復帰してから幾度かこのような事態に立ち至っています。改めて、緊張感を持ち、職責を堅実にこなすことを心掛けます。

 本号は50回の節目で、これで国政報告も13冊となります。初当選の折に「週1回の国政報告」と公約し、13年間続けてきました。この5期目からは、「月1回の対話集会」も追加で約束し、富山第3選挙区という地域から国政に携わる機会を頂戴している立場を大切に、地域のこと、国のことに取り組んでいきます。

 週末の富山は、土曜は秋晴れ、日曜は時雨と、晩秋の風情でした。13日(日)朝、南砺市で国道304号荒木高宮バイパスの竣工式に出席しました。東海北陸自動車道の福光インターと南砺市福光地区の中心部を結ぶ基幹的な道路で、狭隘で歩道が確保できなかった現道に代わり、安全で快適な新道が整備されました。事業途上では、墓地や大規模物件の移転案件もあり、地域の皆さんの協力が大いに寄与して迎える佳日でした。午後からは、魚津市で富山県山鉾屋台行燈祭交流会議総会に出席し、高岡市選出の酒井県議の後援会総会で挨拶の後、桜井小矢部市長の無投票5選のお祝いに伺いました。

 週明けの14日(月)朝、金沢福光連絡道路期成同盟会の皆さんが、南砺市太美山地区、金沢市湯涌地区双方一緒に会館を訪問され、石川1区選出の小森代議士、堂故参議院議員と3人で応対、意見交換しました。東海北陸自動車道の四車線化工事が進み、城端サービスエリアのスマートインター化工事が令和6年度の完成を目指して始まっている現状で、連絡道路の広域的な意義や波及効果を改めてとらえ直し、両県知事に強力に要望していこうと誓い合いました。

 国会は、法相が同期の齋藤健代議士に交代となり、岸田総理が外遊に出発されたこともあり、来週以降の補正予算案の審議日程が決まっていません。内閣提出の法案は内閣・厚労委員会の各2本を残して参院に送付済みですが、参院側の審議日程は窮屈になっています。さらに、旧統一教会の寄附強制等の被害を受けている方々の救済法案も今国会での成立を目指すと総理方針があり、今後の展開が見通しづらい状況です。私の所属する文科委員会では、今後、補正関連法案の審議を予定しています。11日に永岡文相が旧統一教会の解散命令請求のための質問権行使を表明されたこともあり、この手続きがどのように進捗していくのかも、委員会の関心事です。651号以降も、永田町の動きに目を凝らし、報告を続けます。

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国政報告(第649号)

 11月3日(木)の文化の日、地元の行事は失礼して沖縄県那覇市に日帰りで3年前に焼失した首里城正殿の復元工事の起工式に参列しました。沖縄の皆さんの心のシンボルだった首里城が、電気系統の不具合により出火・焼失した事件は、フランス・パリのノートルダム寺院の火災とともに衝撃を与えました。その後、沖縄内外の皆さんから復元に向けた浄財が多数寄せられるなど、暖かい支援にも支えられ、専門家会議で慎重に復元計画が練られ、起工の日を迎えるに至りました。令和8年度に予定される竣工に向け、順調な工事を、同席された宮腰光寛元沖縄担当大臣と一緒に念じました。前夜の雨が上がり、秋晴れの佳き日、良い思い出となりました。

 週末は富山に戻り、5日(土)は射水市で10回を迎えた富山県健康麻将交流大会に出席し、午後には高岡法人会の川西会長ほか皆さんの税制改正要望を受けました。6日(日)は氷見氏選出の薮田県議の後援会総会に出席しました。

 7日(月)に上京して久しぶりに富山から多数の来訪者のある一週間が始まりました。砺波地区、高岡地区の土地改良協議会の皆さんの農林水産省要望、県商工会連合会の宮本会長ほか皆さんとの懇談、党砺波市連から川辺市議会議長と東野尻地区青年部の皆さんや県立石動高校の皆さんの国会見学など、コロナウイルス発生以来、3年ぶりの賑わいです。首長さんも沖縄県の玉城知事、福島県の内堀知事との面談のほか、新田知事とは10日(木)の日本海沿岸地帯振興連盟でご一緒し、各市長さんたちは、全国大会に出席の後、順次来室頂いています。この後、月末から始まる新年度税制改正、当初予算編成において、頂いたご要望の実現に努力して参ります。

 一方、臨時国会は69日の会期のうち40日近くを消化し、残り4週間余となりました。内閣提出の法律案は4日(金)、8日(火)、10日の衆院本会議で、人事院勧告を実施するための給与法改正法案、10増10減の衆院選挙区区割り法案、感染症法改正法案など、概ね参議院に送付できました。後は内閣、法務、厚生労働委員会の案件を残すのみです。一方、円安・物価高に対応する経済対策を実現するための第2次補正予算案が8日に閣議決定され、下旬に国会に提出される予定です。

 9日(水)、私が与党筆頭理事を務める文部科学委員会が開かれ、今国会2回目の質疑を行いました。前日、文科省の専門家会議で、宗教法人法に基づく質問権行使の基準が作成されたことを受けて、永岡大臣からは、週内に旧統一教会への質問権行使の可否を判断するとの答弁がありました。一方、被害者救済のための法案は、8日に岸田総理から、今国会中に政府が提出する旨表明がありました。国会終盤は、補正予算案の審議、旧統一教会に対する解散命令請求に向けたプロセス、被害者救済法案の立案が焦点となりそうです。

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国政報告(第648号)

 11月に入り、気が付くと、国会議事堂前の銀杏並木も色づき始めていました。長く暑い夏の後、季節は駆け足で冬に向かっていくようです。明日の文化の日(3日(水))は、沖縄県那覇市で首里城復元工事の起工式があり、一日出張の予定です。

 国会では、法案審議が進んでおり、選挙制度については、来年の統一地方選の期日を県議選は4月9日(日)、市町村議選は4月23日(日)と定める法案、最高裁判所裁判官の国民審査を海外居住者も行えるように方式を変更する法案の2法案が昨1日(火)の本会議で可決され、参議院に送付されました。続いて、衆議院の小選挙区を「10増10減」する区割り法案が今日(2日(水))から審議入りします。何とか補正予算の審議前に成立しそうな情勢で、党選挙制度調査会事務局長として安堵しています。

 先月26日(水)、私が与党筆頭理事を務める文部科学委員会が開かれ、大臣所信に対する質疑を行いました。予算委員会に引き続き、旧統一教会に対する宗教法人法に基づく質問権の行使と裁判所への解散命令請求に係る文科省の考え方を質す問いが多く出されました。岸田総理の指示もあり、永岡大臣からは、解散命令請求も視野に入れて、質問権を行使するべく、その基準を専門家会議で早急に取りまとめること、事務を担当する宗務課の人員を8名から増強する事など答弁がありました。この解散命令請求は、裁判所に対して行うもので、命令の可否は行政当局ではなく司法の判断に委ねられます。通常の訴訟と同様に、裁判官を納得させるだけの証拠の提出が必要になります。一方、質問権の行使は、犯罪の捜査のためになされたものと見られてはならない事となっており、情報の収集手段としては自ずと限界があります。このため、必要な事実を広く収集し、解散命令請求の可否を慎重に見極めるべきだと考えます。総理答弁で話題になった、教団の不法行為を認定した判決2件は、もちろん請求の基礎事実の一部にはなりますが,決定的なものではないと思います。悪質性・組織性・継続性の要件を満たす事実の積み重ねが必要です。また、仮に教団が解散されたとしても、税法の特典を受ける資格が無くなるだけで、被害者の救済には直接には役立ちません。消費者法制面で、献金行為の取消権を認める等の法改正が救済の要だと思います。

 週末の地元では、29日(土)、氷見市民病院の運営を引き受けている金沢医科大学の創立50周年式典に堂故先生とともに出席し、30日(日)は砺波市柳瀬地区北部地区にてミニ対話集会(11回、12回)を行ったうえ、南砺市選出の安達県議の後援会総会に出席しました。対話集会では、地域の社会・産業における人手不足が話題になりました。若い世代に地域に愛着を持ってもらい、次世代を育んでもらう「地方創生」実現の重要性を痛感しました。

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国政報告(第647号)

 臨時国会が3日(月)に召集されてから3週間経ち、通例の予算委員会での総理所信演説を受けた質疑が昨24日(月)で終わりました。21日(金)には、私の所属する文部科学委員会を始め、各委員会で一斉に所管大臣の挨拶を受け、今日(25日(火))から順次質疑に入る段階で、昨日夕刻、山際経済再生担当大臣が岸田総理に辞表を提出するに至りました。この間、旧統一協会との関わりに次々と新事実が発覚し、その度に、記憶は無いが事実と認めて謝罪する対応が続き、納得しづらい状況でした。辞任はやむを得ないと思いますが、国会審議への影響を最小限に留める必要があります。文部科学委員会では明26日(水)の質疑を無事こなしたい所です。

 国政の目下の重要課題は、第8波が懸念されるコロナウイルス対策、ウクライナ情勢への対応、そして円安・物価高対策の3点です。このため、内政面では「新たな総合経済対策(仮称)」を月末までに策定し、これに基づき補正予算を編成、来月後半に国会に提出する見込みです。昨日、党政務調査会全体会議で全体像が示され、明日も意見聴取があるそうです。当面の緊急対策としてガソリン価格に加え、電気、ガス料金も国費で抑制するなど、エネルギー・食料品(飼肥料含む。)等に的を絞った価格高騰抑制策を打ち出す予定です。輸入物価を左右する円相場は、1ドル150円近辺まで円安が進み、年初から35円、30%程度切り下がっています。先月下旬から政府は為替介入により、過度な変動を抑える努力をしていますが、日米間の金利差が広がる傾向にある以上、しばらくは厳しい状況が続きそうです。足元の物価対策と併せて、個々人の賃金の上昇、さらにはそれを容易にするよう、経済全体の成長を促す施策が欠かせません。今回の対策では、科学技術・イノベーション、スタートアップ(起業)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の4分野に重点を置いて、官の投資を加速し、それを呼び水として民間投資を大胆に喚起する事としています。対策の実施を通じて、投資と分配の好循環を実現し、我が国の経済力を高めていければ、と思います。

 先週の19日(水)、富山から松村謙三顕彰会の皆様が上京され、先生ゆかりの地を巡り、関係者との懇談会を持たれ、出席しました。次いで、22日(土)には、愛知県半田市で3年ぶりに全国山・鉾・屋台保存連合会の総会があり、会長として出席しました。コロナウイルスの影響により祭礼の催行も中止・縮小を余儀なくされてきた厳しい時期を耐え、今、地域社会の礎として、改めて自らの祭りの大切さを痛感した仲間達が集い、明日への活力を分かち合いました。23日(日)は、氷見市議会議員選挙に立候補された同志の皆さんを激励した後、高岡市選出の針山健史県議の後援会総会に出席しました。来春の統一地方選の勝利に向けても努力します。

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国政報告(第646号)

 12日(水)、高岡市伏木地区の勝興寺の本堂・大広間・式台について、文化財審議会から国宝指定の答申が出されました。四半世紀に及ぶ平成・令和の大修理を経て、見事に蘇った本堂・庫裡が、歴史的価値を認められ、県・市内で二つ目の国宝に指定される事となり、嬉しく思います。修理費用の大本は国の高率補助に依りましたが、地元の自治会の皆さんも永年にわたって負担しておられ、いわば、皆で汗をかいて皆で得た地域のかけがえのない宝です。

 なかでも、当初から物心両面で事業を牽引された故竹平栄次さん、地元のまとめ役を務められた故山崎孝之さんに深く感謝しています。私にとっては、2004(平成16)年の本堂竣工に市長として立ち会えたことが忘れられない思い出です。また、2006(平成18)年度の文化庁の公募に応じて、「近世高岡の文化遺産群」を世界遺産の候補として提案した際にも、瑞龍寺、前田利長公墓所、高岡城跡とともに勝興寺を重要な構成要素に位置付け、磨き上げに務めてきただけに、目的地にまた一歩近付いた思いがします。

 広域的にとらえれば、市内の瑞龍寺、国泰寺、南砺市の瑞泉寺、善徳寺といわば、「越中五山」とも言える素晴らしい寺院が点在し、富山湾に面する氷見や射水(新湊)の水辺の景観、砺波平野に広がる散居村の景観と一体的にとらえられそうです。その中で、国の重要無形民俗文化財である射水・城端・高岡の曳山祭など多彩な活動が繰り広げられる県西部地域の文化観光面での価値向上をもたらすのでは、と期待します。地域内を結ぶあいの風鉄道・城端線・氷見線・万葉線などの活性化ともつながりそうです。さらに視野を拡げて、加賀藩の前田家縁の文化財と見れば、金沢など石川県側との周遊観光も厚みが増すなど、夢が広がります。これからは、夢を形に、そして皆で築いてきた地域の宝を大切に、と思います。

 国会は、週明けの17日(月)から衆・参各2日間の予定で予算委員会が開かれており、物価高対策、旧統一教会問題など内外の重要課題を巡って議論が進んでいます。岸田内閣は令和6年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに集約する方針を打ち出したのに続き、旧統一教会についても、宗教法人法上の質問権を行使する旨、表明しました。私としては、相次ぐ決定について、実務面での詰めが十分なのか心配しており、議員の立場で所管の役所に確認し、混乱が無いように努めようと思います。

 国宝指定に盛り上がる週末の地元では、14日(金)にNHK富山放送局の新局舎竣工式、15日(土)に(公財)高岡市シルバー人材センターの40周年記念式典、16日(日)に高岡市伏木万葉ふ頭バイオマス発電所竣工式に出席しました。また、高岡市吉久地区の「さまのこアート」下関地区の「八丁道おもしろ市」も訪ねました。コロナウイルスを乗り越えた催しが増えるよう念じます。

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国政報告(第645号)

 地球温暖化の影響もあるのか、長い夏の後は、気温が急降下し、膝掛けが欲しくなるような三連休になりました。この間、地元ではまず、8日(土)に万葉祭りに併せた大伴家持卿顕彰祭に出席しました。今年は小矢部市や氷見市でも、万葉集や大伴家持の故事を大切にして地域づくりを進める方々に会いました。今月は東京都港区でも万葉集の集いがあり、案内を頂いています。改めて日本最古の歌集の生命力に想いを馳せ、その編者とも言われる家持卿への感謝の気持ちを挨拶で述べました。午後には氷見市市制施行70周年と芸術文化館の竣工を併せての記念式典に参列しました。

 9日(日)は、南砺市福光・太美山地区の獅子舞を観覧しました。これは、金沢福光連絡道路期成同盟会を構成する金沢市湯涌地域と南砺市福光地域との交流行事としてお招き頂いたもので、石川県の馳知事、小森代議士、田中南砺市長ほか皆さんとご一緒しました。この催しは2年前に企画されましたが、コロナウイルスの影響で延期されていました。子供たちから高齢者まで、皆さんが天狗、獅子、笛、太鼓など役割を分担し、力を合わせて能登地方から伝わった伝統の獅子舞を賑やかに演じて下さり、大いに盛り上がりました。

 10日(月)朝、党県連の支部長・幹事長会議が開催され、7月の参議院選挙の総括などが議題となりました。私は、挨拶の中で党員の皆さんのお力添えによって、野上県連会長始め比例区議員が数多く当選できたにも拘わらず、その後、旧統一教会問題等で岸田内閣への支持率が低下していることをお詫びしました。今後は物価高対策など、適切な政策の遂行により、地道に評価を高めていく事が大切で、現下の臨時国会での努力が肝心と考えています。

 今週に入り、党選挙制度調査会・総務部会の合同会議で、衆議院小選挙区の定数配分を、令和2年国勢調査の結果に基づき10増10減とする公職選挙法改正法案の審査を11・12(火・水)日の2日間で行い、了承されました。私は、調査会事務局長として司会を担当しました。議論の中で、地方を代表する議員が減ることは深刻であり、人口のみをもって議席を配分することは問題であるとの認識が強く示されました。しかし、数次にわたる最高裁判所の違憲状態判決に対応して今回の議席配分方式(アダムズ方式)が立法された経緯を踏まえ、将来に向けて望ましい制度構築の議論を党としてしっかり進めることを条件に、法案を了承頂きました。また、議席配分に併せ、当然ながら選挙区の区画が大幅に改定されており、このことを該当する地域にしっかり説明することも強く求められました。富山県については、小選挙区の数・区割りに変更はなく、比例区の北信越ブロックの定数が11から10に減ります。

 12日、高岡市伏木地区の勝興寺の本堂・大広間・式台について、文化財審議会から国宝指定の答申が出されました。次回に触れます。

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